2007年5月21日 (月)

ハウェルズ 「楽園賛歌」 ヒコックス指揮

Ninnomiya_sikenjyou2しろつめ草」、いわゆるクローバー。この時期、道ばたや野辺にさりげなく咲いていたり、公園などでは群れなして咲いていて、妙にきれいだ。

その儚さがいい。
子供達が、首飾りにしたり、リースを編んだりしている休日の風景。

Howells_hymnus_paradisi 英国作曲家「ハーバート・ハウェルズ(1892~1983)」は抒情派で、エルガーやRVWの流れをくむやや保守的存在。
この人が大好きで、ショップでは必ずチェックする作曲家。
かなり早熟型の人で田園情緒に溢れた名作を書いたが、40代半ばにして、最愛の息子マイケルが9歳にして早世してしまう。
天使のよう顔を持ち、音楽とスポーツが大好きだったというマイケル。
家族でハウェルズの愛する故郷グロースターシャーで夏の休日を楽しんだ。
しかし、息子がポリオに冒されていたことが発覚しロンドンに帰らざるをえなくなった。しかしマイケルは空しく亡くなってしまう。

愛する息子の死により、ハウェルズの音楽は宗教的な深みを増し、息子を偲ぶかのような音楽を書き続けるようになる。
子を持つ、同じ世代の人間として、心が張り裂けそうになるくらいに同情できる!

そんな気持ちを持ちながら、ハウェルズが息子の死後1938年に書いた「楽園賛歌~Hymnus Paradisi」を聴くと思わず涙が出てくる。
これは、45分あまりの、独唱と合唱による6章からなる、神への感謝と死を悼むレクイエムなのだ。
切実なオーケストラによる序奏からして胸に響くものがある。
英語による歌唱は、ときおりラテン語による聖歌もまじえながら、希望・慰め・怒り・法悦といった要素を絡めながら、やさしくも劇的に進められる。
終章では、ハレルヤと独唱が極めて印象的に美しく繰り返し、静かな感動的な集結を迎える。なんて素晴らしい音楽なのだろう。
癒しの音楽なんて薬にしたくもない、人間の心情に溢れた、切実なる真実の音楽がここにあると思う。

     S:ジョアン・ロジャース    T:アンソニー・ロルフ・ジョンソン
     Br:アラン・オウピ  
       リチャード・ヒコックス指揮 BBC交響楽団/合唱団

ヒコックスの指揮に、素晴らしい独唱陣・合唱、何もいうことありません。
このヒコックス盤のほか、ハント盤を聴いている。
ハンドレーやウィルコックスも聴いてみたい。

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2006年4月29日 (土)

ハウェルズ 管弦楽作品集

Howells_1_1_1 イングランド中央部グロースターシャー付近で生まれた「ハーバート・ハウェルズ」(1892~1983)を知る人は英国音楽ファン以外にはあまりいないかもしれない。活躍した年代としては、保守的な作風であるが、それもそのはず、先達の「エルガー」や「V・ウィリアムズ」を尊敬し続けかなりの影響を受けている。

管弦楽作品・室内楽・宗教曲・オルガン曲といったところに名作を築きあげけたが、最愛の息子を幼くして亡くし、このことが彼の音楽に大きな影響を落とし、陰りに満ちた深みを与えることとなった。

Howells2_1 今日の2枚は、管弦楽作品集の2枚で、「ヒコックスとロンドン響」によるもの。ハウェルズ入門としては最適で、私もここから入り、彼の音楽にはまっていった。話はそれるが、息子の死を悼んで書いた「楽園賛歌」などは目頭の熱くなるような名作だし、かのロジェストヴェンスキーが録音している「悲しみの聖母」やヴァイオリン・ソナタなど、挙げだしたらきりがない。

この2枚に収められた作品を並べてみる。
       1 「王の使者」
       2 「楽園の舞曲」
       3 「チェロとオーケストラのための幻想曲」
       4 「チェロとオーケストラのための挽歌」
       5 「田園狂詩曲」
       6 「行列」
       7 「B’s組曲」
       8 「ヴァイオリンとオーケストラのための組曲」
       9 「緑の道にて・・」

題名だけでも、詩的な雰囲気が想像されようが、5の田園狂詩曲は、V・ウィリアムズを思わせるような雰囲気で、故郷の丘を思い描いたような作品。対をなすチェロのふたつの作品は、協奏曲のような性格ながら、ここにも子供の死が影を落としている。
 私が特に好きなのは、8の3曲からなる組曲の2曲目の「レント」である。ヴァイオリンの楚々とした郷愁を誘う旋律には涙がでてしまう。心に染み込むような美しさである。

こうした英国作曲家に知り合えるのは、「シャンドス」レーベルの最大の功績だ。そして、トムソン、ハンドリー、ヒコックスといった指揮者達があってこそ。

これらのCDジャケットは、南アフリカからイングランドに渡った猫を愛する「Derold Page」なる人の作品。
Churchcatlopt
センスよい絵は、ハウェルズの音楽にぴったり。

    

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