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2006年2月27日 (月)

三都で飲む③ 京都編

Imgp2800 我ながら無茶なことを考えたもんだ。でも今の仕事の中で関西出張を効率的にこなすには、来たら中期滞在し、大阪に宿泊し各地を回るのが良いのだ。そんな訳で、3日目は滋賀県へ。「石山」で下車、タクシーで「石山寺」の先まで向かい30分で仕事を済ます。途中風情ある景色と共に「近江牛」の看板がいくつもあってそそられる。がしかし、昨晩食べ過ぎて、昼近くになっても、まだお腹が一杯。情けない。
次の目的地は「南彦根」だが、約束の時間まで若干あるので「彦根」まで一駅足を伸ばして城まで散策することにした。駅から見えてはいるが、なかなかたどり着かない。やむを得ず、門の堀の前で引き返すことに。ここは以前、桜の季節に来たことがある。緑ゆたかな城との印象があるが、今回は残念。さすがに大阪より寒い。伊吹山が遠くに冷然とそびえる。何故か駅周辺には名物「ちゃんぽん屋」ある。近江牛の餃子もあって、これまたそそられるが、時間がないため、断念。
「南彦根」のH堂で打合せを済ませ、早や夕刻。この時間まで何も食べていない。最後の都「京都」に電車で向かう。西に向かう車中から、京の方向が夕焼けに染まって行くのを眺めると、空腹感がつのってくる。
Imgp2848地下鉄や阪急で 河原町方面に出るプロセスは面倒だが、ひとたび地上へ出ると観光と煩悩と欲望と歴史のごった返す街が待受けている。
それにしても人が多い。どこへ行こうかまよいつつ祇園方面へ向かうが、ひとりでふらりと入れる店がありそうでない。木屋町か先斗町にしようと思い
空腹感にさいなまれつつ引き返し、「先斗町」をさまよう。
Imgp2863 ここも一見・一人客は、なかなか勇気がいる。路地に入り込み、音楽サロンのスケジュールが書いてある、怪しい店を発見。「レッドストーン」なる一品飲み屋・京豆腐の店だ。恐る恐る、しかし、元気に扉を開くとオバチャンとオジチャンがいるだけの店で、客は当方一人。うれしいことにモーツァルトの40番がかかっている。 
Imgp2854 狭い店内に、アップライト・ピアノがドデンと座っている。これでコンサートをするそうな。「林琢也」という若いマルチピアニストで、この人は特製ピアノをワゴン車に載せて、どこへでも演奏しに行くストリートミュージシャンでもあるそうな。ものすごいテクニシャンで、リストから演歌までをこなすらしい。
毎週木曜の出演は1日違いで、聞き逃してしまった。

Imgp2860 また、以前はSPレコード・コンサートをやっていた由。お宝のひとつ「ワルター・フィラデルフィアの未完成」3枚組を見せてもらった。美麗なジャケットは状態もよく、相当な重量である。装置がなく聞けなかった。無念。
 肝心の料理は、空腹にやさしいおつなモノばかりで、国産の良質な大豆で作られた「豆腐」は濃厚で大豆の甘味が美味で、湯葉のさしみとの取り合わせも良い。ビールが、サッポロ・ラガーなのもうれしい。
日本酒の取り揃えもそこそこで、せっかくだから京の地酒「鴨川」純米をいただく。甘い京都の酒の中にあって、純米のしっかりした酒で、これはイケル。
 「京おでん」はご覧のように、澄み切った汁が絶品で、あっさりと薄味な中に微妙なコクが感じられ一滴残らずいただいた。コロ(くじらの皮下脂肪の部分?)と昆布・鰹でとる汁は、濁らないように、おでん種と別ゆでだそうだ。
 
おもろい店を見つけたものだ。ほろ酔いで、今度は阪急電車で「梅田」入り。
2晩目の「アインザッツ」でまた和む。オリンピックを記念して、プッチーニじゃなく、ラフマニノフの2番の協奏曲。ワイセンベルク・カラヤン・ベルリンフィルというトリプル濃いトリオで聴かせてもらった。オケがパリ管でないところが悔やまれるが、ここまでカラヤンしてくれると嬉しい。ここぞとばかり鳴り、ブルックナーのように金管が響く。

心なしか夜も寒さが緩んで、春がゆっくりと近づいているのだろう。そんな気持ちをもって軽い足取りで、北新地から宿泊地・中津までを歩く。とりあえず、3晩3都を飲んだ満足感をもって・・・・・。明日からは節制に努めよう。

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