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2006年10月 5日 (木)

ドヴォルザーク 交響曲第7番 バルビローリ

Barbirolli_dovrak 秋はブラームスがお似合いというけれど、しみじみドヴォルザークもいい。
一応、宿命の数9曲の交響曲があるけれど、前半の作品はどれも同じように聴こえてしまう。
ドヴォルザークはメロディー・メイカーだと思っているが、さすがに1~4番くらいまでは、旋律が耳に馴染まない。「新世界」と同じ作曲家に思えない。

5番以降になると、ボヘミア臭にドイツ的なカッチリしたまとまりの良さが加味され、聴き応えも充分に出てくる。
7番は、ロンドンのフィルハーモニー協会から委嘱されて作曲された作品だが、なかなか筆が進まず、ブラームスの3番を聴いたりして自信を付けながら完成したという。
当然にロンドンで初演されているが、次の8番の交響曲がボヘミア臭たっぷりなのに出版元の関係から「イギリス交響曲」と呼ばれていたのがおかしい以上に、こちらはロンドンとの関係や、よく言われるブラームスの亜流といったものを感じさせない。

情熱を秘めた意欲的なものを感じる一方、人懐こい郷愁に満ちた旋律も充分散りばめられている。
私が好きな楽章は、第2楽章。この美しくどこか哀愁のある楽章を聴いていると、見たことはないボヘミアの風光を感じる。のどかな秋の日本の野山に置き換えることも楽しい。
「あ~いいなぁ」と心から思ってしまう。

この素敵な楽章を、慈しむように歌って聴かせてくれるのが、「バルビローリとハレ管」の演奏。やや古い録音だが、アナログ的な温もりに満ちていて、ドヴォルザークの暗い情熱と優しい旋律を自然に味わえる。
7~9番の交響曲とセレナーデ、伝説曲の一部が収められた2枚組。

Komaganeimgp2667 先週出張した信州では、松本に宿泊し南の伊那・駒ヶ根まで足を伸ばした。
このあたりになると、岐阜・名古屋の方が近く、東海地区の経済圏も合わせ持っている。
駒ヶ根市は、「蕎麦」と「馬肉」と「ソースカツ丼」が名物。全く脈連の無い取り合わせだが、市内の老舗蕎麦屋「福寿美」でミニソースカツ丼のセットを食べた。こちらは、同じ長野県内でも更科系や戸隠に比べ、黒っぽく野趣にとんだ素朴な蕎麦だが、一口で蕎麦の香ばしさを味わうことができた。旨い。
Bakaukeimgp2959 そして、ソースカツ丼の旨さといったらない。ご飯にキャベツの千切りを敷き、その上に自家製の少し甘めのソースをくぐらせたカツが乗る。信州産の豚は香ばしくも、甘味を伴って猛烈に食欲を刺激する。これは、ほんとにおいしかった。
スナックの「ばかうけ」のソースカツ丼バージョンも地域限定商品で発見。

晩は松本にて、焼鳥で一杯。市内に住む大学時代の友人と15年ぶりくらいの再会で、多くは語らずとも通じあっている。しかし、お互い年をとったものだ。

秋のドヴォルザークは信州にぴったり。そして郷愁とともに戻れない若さも懐かしく思いおこさせてくれた。

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