まだ聴くぞパルシファル
東京シティ・フィルのパルシファルの残影や響きが残る中、しつこくパルシファルを聴く。棚には12種類のCD、エアチェックしたカセットやCDR化したものが13種。ワーグナーの他の作品もこんなだから、残りの人生でどれだけ聴けるものやら? ふと考えることがある。
まあ、気を取り直して未聴であった「クナッパーツブッシュのバイロイト58年盤」を2日かけて聴いた。 不正規盤ではあるもののかなり生々しい音でとーぜんモノラル。
51年の戦後バイロイトから毎年のようにパルシファルを指揮したクナッパーツブッシュ(以下長いので「クナ」という)であるが、その年によってムラがあったようです。 この58年は聴いた限りでは有名な62年の正規盤ほどの精妙な出来ではありませんが、随所に即興的な響きやテンポの揺れがあって飽きさせません。そして低音のグイーンとくる迫力は、残念ながら、先般のシティ・フィルには全く聴かれなかったものです。(比較する方が無茶か)
歌手は古くさい人と今でも通用する新鮮な人とまちまちです。前者は、主題役のハンス・バイラーで力強いが重ったるい。後者は、アンフォルタスのヴェヒターとクンドリーのクレスパンで、クリアーで若々しい歌を聴かせてくれます。グルネマンツはアメリカのJ・ハインズ、ティトゥレルは往年のグラインドルです。 ともかくこの頃のバイロイトはすごい層の厚さを感じさせます。一度でいいからヴィーラント・クナのパルシファルを観たかった・・・・・・。
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