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2005年11月26日 (土)

ヤンソンス/バイエルン放送交響楽団②

ヤンソンスとバイエルン放送交響楽団の最終日。1曲目のトリスタンは以前CDでのサラサラ・スイスイ演奏に苦言を呈したが、先頃ネットで当コンビのトリスタンを聴きワーグナーにおいての進化ぶりを確認済であります。であるからして、今回期待はトリスタンなのです。

 

 果たしてその演奏は実に素晴らしくFantastic!寄せては引くうねりが見事に表出され、オケも私も夢中になってしまうトリスタンなのでした。精緻でありながら、あたたかい音色はバイエルンの持ち味でしょう。愛の死が静かに終わり、ヤンソンスの動きが止まっても、ホールは静寂に包まれ、ヤンソンスがゆっくりと腕を下ろし、ひと呼吸あって、「ブラボー」の一声。これが見事に決まった。今日の観客は終始いい反応と最高のマナーだったと思います。

 

 次の「火の鳥」、「ショスタコーヴィチの5番」も息を飲ませる素晴らしさで、すべての音に気持ちが乗っていて、聴いているこちらもヤンソンスの動きに引き込まれてしまう。アンコールは「ペールギュントのソルヴェーグの歌」で再び静寂の余韻を味わい、「アルルの女のファランドール」で爆発的な盛り上がりを楽しむことができました。

 

Jansons_schosutako 良い意味で聴衆を引き付け、楽しませてくれる稀有な才能の人でであります。そして、オーケストラの素晴らしき。高性能でありながら、温もりをもった有機的なサウンド。先頃のシュターツオーパーのオケも同じようなあたたかい響きを感じ取ることができました。南ドイツ特有の個性なのかもしれません。

 

コンセルトヘボウとで聴き較べをしてみたいものです。そういえばこの二つのオーケストラと関係深い指揮者って皆、渋いけど音楽の使徒みたいな真面目な人が多いです。ヨッフム、ライトナー、クーベリック、ハイテンク、デイヴィスです。でもバーンスタインはかなり違う個性だし、マゼールは異質だけど、マリスとはピッツバークつながりなんだ。

 

公演が終了し、次は上海だそうです。楽屋口に並んでマリス君のサインをば頂戴しました。 小柄な体格で、そこらのオジサンといった感じですが、眼差しが温厚で好感溢れるヒトでありました。来年がまた楽しみになりました。

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コメント

いやー、いい演奏を聴かれたようでうらやましいです。アンコールはファランドールで締めですか。西宮ではグリーグで終わりだったのでそれもうらやましいなぁ。
また来年の来日が楽しみですね。

投稿: リベラ33 | 2005年11月29日 (火) 10時56分

グリーグの静けさでコンサートを終えるのも一興ですよ。でも今回のアンコールは全部違うみたいです。 ちなみに、大阪シンフォニーホールってあんまり使われてないみたいですね。

投稿: yokochan | 2005年11月30日 (水) 01時23分

いいなぁ、マリスのサインをもらったとは羨ましい限りです。前にもお話しましたがCHANDOS
盤のラフマニノフ2番はもう体験されましたか?EMI盤での同曲を数倍いや数百倍上回る
超名演です。ぜひお薦めします。

投稿: einsatz | 2005年11月30日 (水) 02時26分

いいでしょ。ショスタコの12番の新しいCDの中紙にサインしてもらいました。シャンドス盤ラフマニノフがある店を前から発見しているのですが、レギュラー盤で高くてなんとなく購入してないのです。(セコイやつです)今度こそ聴いてみます。

投稿: yokochan | 2005年12月 1日 (木) 19時58分

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