ショスタコーヴィチ 交響曲第6番 プレヴィン
アンドレ・プレヴィン、昨日嫉妬したばかりのナイスな指揮者のショスタコーヴィチを聴く。彼がロンドンで大活躍の頃、日本では評価がまったくなされず、軽くて音楽をきれいに磨き上げるだけの人、とのレッテルを貼られていた。かつてのEMI録音はほとんど廃盤。DG時代にウィーン・フィルとの蜜月を築きかつてのイメージを払拭したが、ここ数年オスロ・フィルを選んでからというもの、名前が急に地味になってしまった。
そんなプレヴィンの最適のレパートリーのひとつとしてのショスタコーヴィチである。
長大な1楽章ラルゴの暗くて救いのない音楽のあとは、何事もなかったかのような、無窮道の明るいなかにも陰りある陰影濃い楽章が2つ続く。
プレヴィンは重心を腰から上においたかのような明るいショスタコーヴィチを聴かせる。
終楽章のあっけなくも、聴き手を興奮に導くプレストは、バーンスタインのようには決まらないけれども聴いたあとにさわやかな印象を残す。
そんなプレヴィンの数十年後のショスタコーヴィチはもっと深くやるせない。
若き頃(73~74年)のプレヴィンによる「ビューティフル・ミュージック」の成功した事例のひとつと言ってよい。
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コメント
今晩は。暑中お見舞い申し上げます。越後も暑いです。越後は雪国だから夏は涼しかろうと思っている人が降りますが、とんでもない間違いです(笑)。
過去記事に書き込み失礼いたします。このCD私はいまだにもっておりません。私が中学生の頃に出たCDですね。ショスタコ6番よりもカップリングされているラフマニノフの3番に興味があって「欲しいなぁ~」「どんなきょくなのかな~」とカタログとにらめっこしておりました(笑)。当時は私の記憶が正しければラフマニノフの第3交響曲のCDは国内盤はこのプレヴィンとアシュケナージ&コンセルトへボウぐらいしかありませんでしたから。今はラフマニノフの交響曲全集は何タイトルでているでしょう!全く隔世の感がありますね。
投稿: 越後のオックス | 2010年8月17日 (火) 21時27分
こんばんは。私のレスは続編だと思ってくれればいいです。(笑)
まず、ラフマニノフに関してですが、プレヴィンがEMIで録音した「第2番」は出るたびに「完全全曲版」と明記されている。今、EMIは統合問題に揺れて、輸入盤も含め、CDの生産中止が相次いでいます。プレヴィンの初期録音は非常に不利でデッカ録音しているアシュケナージの方が国内でも「全集」として生き残っているのが現状でしょう。単品では国内、輸入共に割と出ていることが多い。
そして、ショスタコ。オスロ・フィルはマリス君が録音してます。「第6番」は「第9番」とのカップリングされたものですが、EMIでやはり、彼も不利な状況であります。対するアシュケナージはデッカなのか、輸入盤で出てるという現状。ショスタコ振りでも明暗が分かれていますね。
プレヴィンがもし、フランス生まれならピアノの貴公子・リチャード・クレイダーマンやムード音楽やイージーリスニングを歩んでいたかも知れません。でも、ドイツ生まれであるのか、クラシックに有利で磨きをかけて一流まで上り詰めた。彼の評価の高い名演はデッカ録音のチョン・キョンファと共演したシベリウスの「ヴァイオリン協奏曲」ですね。
投稿: eyes_1975 | 2010年8月17日 (火) 22時35分
越後のオックスさん、こんばんは。
越後の夏の暑さは、私も見知っておりますよ。
暑い日に、へぎそばを、するするっと食べたのが忘れられません。
いまや、日本中暑いです!
ラフマニノフは全集とかぶってましたが、ショスタコ狙いで購入した1枚です。
もう20年前のことです・・・・。
CDでも演奏会でも、この3番はしきりに耳にすることができますね。
マゼールのレコードを買ったのが30年前、ベルリンフィルの鮮やかさに驚いたものです。
オケもうまくなったものですよね。。。
投稿: yokochan | 2010年8月17日 (火) 23時33分
eyes_1975さん、こんばんは。
続編ありがとうございます。
EMIはどうしちゃったのでしょうね。
希少な過去音源は次々にお蔵入り。
企業の論理なのでしょうが、芸術に対する冒涜としか思えません。
プレヴィンのラフマニノフは、わたしにとって絶対的な存在なので、ネグレクトされるのは許し難いですね。
ラフマニノフの交響曲をこの世に広めた大恩人なのに。。。。
マリス君もそうなのですね。
マリスの場合、進化中なので、そのいまを、RCOやBRSOの自主製作盤で多く確認できるのが救いですね。
投稿: yokochan | 2010年8月17日 (火) 23時39分