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2006年4月 4日 (火)

ハイドン交響曲第103番「太鼓連打」 アバド

Abbado_haydn102103_4 すっきりとハイドンの交響曲を。3月31日がハイドンの誕生日と、大阪アインザッツのマスターから聞き、遅ればせながらCDを取出した。ハイドンはせいぜい、パリとザロモンのセットくらいで、100曲以上もある全集なんて、とうてい手にしなかった。
 しかし、ときおり思い出したように聴いてみると、その多様さに驚くとともに、底知れぬ明るさに気持ちが和まされる思いがする。

アバドがヨーロッパ室内管と数枚のCDを録音したのは、93~5年のこと。古楽の奏法を多少意識した、折衷的な響きだが、得意とするロッシーニにも通じる、清潔で爽快、見通し良く気持ち良い演奏になっている。カラヤンやバーンスタインらの大オーケストラによるハイドンとは、明らかに一線を画したスタイルである。
 「太鼓連打」は冒頭のティンパニの音色で全体が決まるような曲だが、このアバド盤は、堅いバチで歯切れよく鳴り響かせて気持ちが良い。主部のノリの良さも良い。2楽章の短調の旋律も、オーケストラの若いソロ達が次々に受け渡しをしながら美しく歌われて行く。単純な終楽章も、シンプルなままにハイドンの楽譜そのものを演奏した感じで楽しい。 

さらに良かったのが102番で、ノンタイトルの曲だけに地味だが、以外やロマン派的な雰囲気ももった桂曲であった。この曲をこんなに真面目にじっくりきいたのが初めてなもんで、驚きであった。
でも終楽章は、ハイドン・モード全開の転がるような楽しいパッセージの連続で、アバドと若いオーケストラの小回りの効いた機動性の良さが全開となっている。

ヨーロッパ室内管とのハイドンは数枚(たしか4枚)だけで、後続がなかった。ベルリン・フィルでは出来なかったことを、当時ヨーロッパ室内管と試していたように思う。
これらに聴くアバドとハイドンの相性は抜群で、マーラー室内管とまた後続を録音してもらいたいものである。

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コメント

こんにちは。「太鼓連打」いいですね。
アバドは知りませんが、ドラティが気に入っています(104番とのカップリング)。
102番はヘルビッヒ/ドレスデンを持っていますが、あまり聞いていません。淡白で地味な演奏の印象だったかな。一度聴いてみましょう。

投稿: | 2006年4月 5日 (水) 09時21分

コメントありがとうございます。ハイドンはそのタイトルも含めて多様な作風のデパートみたいに感じます。なにぶん数が多すぎて、手に負えません・・・。

投稿: yokochan | 2006年4月 5日 (水) 12時36分

このアバドの一連のハイドンもいいですね。ヨーロッパ室内管とのコンビがハイドンにぴったりだと思います。でもアバドには海賊盤でウィーンPOとの「軍隊」がありこれがまた非常にシンフォニックでヨーロッパ室内管とはまた違った素晴らしさです。次回ご来店の際にぜひ。

投稿: einsatz | 2006年4月 5日 (水) 16時38分

ウィーンpoとのハイドンがあるんですか!知りませんでした。是非聴かせてください。ついでにリヒターとベルリンのハイドンもあれば聴きたいものです。

投稿: yokochan | 2006年4月 6日 (木) 00時22分

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