ヤナーチェク「シンフォニエッタ」 マッケラス
ヤナーチェクはチェコの民族音楽の中でもかなり地味かもしれない。掴み所がない作風もさることながら、オペラが多いことにもよるかもしれない。
名作がオペラと室内楽・歌曲に偏り、シンフォニーや協奏曲などない。
数少ない管弦楽作品が、この「シンフォニエッタ」と「タラス・ブーリバ」でこれしか聴かない人も多いのではなかろうか。かく言う私も、そのひとりでオペラはまだ本格的に聴いてない。(弦楽四重奏はすこぶるいい)
シンフォニエッタはブラスが活躍する聞きやすい曲だ。5楽章中、冒頭の金管だけのファンファーレは一度耳にすると忘れられない。最終で、またこのファンファーレが全オーケストラで奏でられる時、なかなかの高揚感が味わえる。これを聴いた若き高校生の頃は、こうした明るく派手な部分ばかりが気にいっていたが、すっかりオヤジになり、落ち着いた昨今は、中間の3つの楽章に聴く民族的な味わいや悲哀感、そして舞曲ふうのリズムといった部分に共鳴を呼ぶようになった。このあたりをどう演奏しているかが、ヤナーチェク演奏の分かれ目だろう。
今回は、デジタル初期の、マッケラスとウィーン・フィルの演奏。オーストラリア生まれながら、チャコ人以上にチェコ人らしいマッケラス。悪いはずがない。しかもウィーン・フィルの隈取り豊な響きも万全である。より民族色濃い「タラス・ブーリバ」もいい。
この曲の私の最高の演奏は、このマッケラスとアバド(LSO盤)、クーベリックである。
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コメント
このマッケラス盤はいいですねェ。私も好きです。でも2004年に82歳にして初めてベルリンPOを振った同曲のライヴもスゴイですよ。次回ご来店時にぜひ!
投稿: einsatz | 2006年4月27日 (木) 01時09分
ベルリンフィルあるんですか?次回是非聴かせて下さい。そういえば、コンヴィチュニーの「ティト」はご覧になったのですか?
投稿: yokochan | 2006年4月27日 (木) 22時13分
いえ、やめました。P.コンヴィチュニーの演出は好きではないので。「ティト」は生で一度見てみたいんですけどねェ。
投稿: einsatz | 2006年4月28日 (金) 01時48分
そうでしたか。新聞などでは絶賛されてましたが、音楽を止めたりするお得意のパターンらしかったです。私もこういうのは好みませんね。
投稿: yokochan | 2006年4月28日 (金) 12時43分
こんにちは。
いつもありがとうございます♪
ヤナ―チェクは息子が大好きで私も随分影響を受けて楽しみました。
シンフォニエッタは楽器の編成が現代のオケでは通常使用されない金管も結構あり本家でもなかなか本来の響きは聴けませんしFgパートもほとんど参加しない割に合わないとこもあります。
この曲の録音全部聴きましたがハインツレ―グナ―のベルリン放送響が丁寧な作りで伸びやかで美しい3楽章がすきです。
アバドのバルト―ク、プロコやヤナなどの知的で多彩なアプローチは大好きでベルリンとの5楽章のファンファ―レ前のシンバルなど最高の音じゃないですか。
投稿: マイスターフォーク | 2011年3月26日 (土) 10時41分
マイスターフォークさん、こんばんは。
コメントありがとうございます。
シンフォニエッタばかりが、ヤナーチェクじゃいまではありませんが、私も中学生の時に、この曲に衝撃を受け、ヤナーチェクはしばらくこればかりでした。
オペラに目覚め、いまはトータルに聴くことができてますが、やり、この曲はいいです!
楽譜は素人ゆえ、見てはないのですが、珍しい楽器にファゴットのお休みですか、興味深いです。
レーグナーは未聴ですが、アバドは放送音源もふくめ、すべて聴いてます。
ベルリン盤ももちろん素晴らしいですね。
そして、カップリングの「ある男の日記」が渋いものです。
投稿: yokochan | 2011年3月27日 (日) 23時04分
こんばんは。
管理人さんおっしゃるように若きヘフリガ―と雄弁なピアニズムを繰り広げるク―ベリックの消えた男の日記はいつの間にか引き込まれますね♪
投稿: マイスターフォーク | 2011年3月30日 (水) 21時40分
マイスターフォークさん、こんばんは。
消えた男は、ヘフリガーが一番かもしれませんね。
しかしアバドは、こんな渋い作品が本当に好きなのです。
コメントありがとうございました。
投稿: yokochan | 2011年3月31日 (木) 00時00分