ブルッフ スコットランド幻想曲 リン
一日おきの雨ばかりで、滅入ってしまう。昨晩は第9で気炎をあげたが、今晩はずっとロマンテックに行こう。ブルッフのヴァイオリン協奏作品の「スコットランド幻想曲」を聴く。この作品は、スコットランド民謡をモチーフにした5楽章のファンタジーで、もうほとんどヴァイオリン協奏曲である。
物憂く、夢見心地で、時に優美で甘味な美しい作品である。終楽章の旋律など、一度聴いたら忘れられないもので、中学生時代、テレビでここの部分だけを「ハイフェッツ」が弾いた演奏を見てここだけ完全に覚えこんでしまったものだ。
ブルッフはヴァイオリン協奏曲の1番とこの曲とせいぜい「コル・ニドライ」くらいが有名だが、ほかの協奏曲や交響曲をまともに聴いたことがない。
今回の演奏は、台湾出身の「チョーリャン・リン」のヴァイオリンに「スラトキン/シカゴ響」という豪華版である。リンは最近あまり名前を聞かなくなってしまったが、ヨー・ヨー・マのヴァイオリン版と言っていいかもしれない。明るく屈託ない音楽は、こうした曲にはピッタリくる。技巧的にはかなり難しいのではと思うが、聴いていて、本当に気持ちよさそうに弾いているのがわかる。思い切りカンタービレを効かせて歌うさまはまったく素晴らしい。キョン・ファ・チョンもこの作品を若い頃に録音していて情熱的に演っていた。思えば、東アジア系の演奏家って、情熱的で明るい。指揮者のチョン・ミュンフンもそう。
スラトキンのバックは、シカゴだけにすごい。少し威力がありすぎるかもしれないが、弾むようなリズムと明るい音色が、ブルッフの濃密なロマンティシズムを和らげ聴きやすいさわやかなものにしているようだ。
カップリングのメインは、協奏曲の1番。これまた同様の楽しい名演と思う。
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コメント
こんにちは。これ、昔からよく耳にして美しい曲ですね。私はパールマン/ロペス=コボスで、協奏曲は2番とのカップリングです。
コル・ニドライは懐かしい! 昔借りていたSPレコードで聴いていました。
投稿: 丘 | 2006年4月12日 (水) 10時28分
丘さん、こんばんは。パールマンってブルッフにぴったりですね。コボスの指揮もなにかよさげで、2番の協奏曲も気になります。そう、「コル・ニドライ」っていかのもアナログが似合う作品だと思います。
投稿: yokochan | 2006年4月12日 (水) 21時54分
こんばんは♪ 今回は拙ブログへのコメントとTBをありがとうございました♪
台湾出身のチョーリャン・リンさんとおっしゃるヴァイオリニストさん、生憎不勉強の KiKi は存じ上げません ^^; でも、「東アジア系の演奏家って、情熱的で明るい。」っていうフレーズには激しく同意です(笑)。 この方の音色も情熱的で明るいっていうことですよね?? それはぜひ1度聴いてみたいものです♪
投稿: KiKi | 2006年9月 5日 (火) 20時28分
リン君は、デビュー当時かなり騒がれました。
ヨーヨーマより少し前で、中国・台湾系の音楽家のパイオニアかもしれません。アイザック・スターンの弟子だったかもしれません。日本の宮崎音楽祭に来たりしてますね。なかなか良き青年奏者ですよ。
よろしかったら聴いてください。
投稿: yokochan | 2006年9月 5日 (火) 23時40分
Beatles
10CC
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Traveling Wilburys
投稿: Bob Seger | 2007年3月26日 (月) 13時51分