ブラームス 交響曲第1番 ハイティンク
私の居住する団地は、150世帯の旧公団マンションで、バブルの産物でもある。昨年来、管理組合と自治会の理事を兼ねていて、これが忙しい。誰もが一度は経験する制度だが、両方を兼ねると堪らない。これが今月で任期終了。住民総会に向けて最後の追い込みで開放される訳である。
1年を経て、今の日本になくなった「近所付き合い」や「おせっかいなオジサン・オバサン」がとても大事だということを痛感した。ことに、団地敷地内で、ひったくりが起きる物騒な世の中、防災や防犯の点からは大事なことなのだ。
怖そうな若者を見てもひるまずに、「うるさいオヤジ」にならなくては・・・・・。
ハイティンクのブラームス、最終はドレスデン国立歌劇場との「第1番」ライブである。2002年の録音で、この年シノーポリの後を受けて暫定ということでの主席指揮者就任であったが、残念ながら2005年には早くも退任してしまった。この間のエピソードは触れないまでも、真面目一徹男の面目躍如たるところだ。ファンとしては、理想的な幸せな結びつきがあっという間に終わってしまい残念至極だ。そんな名コンビになるかもしれなかった残念記念CDがこれ。
一聴してわかる、曲の良さ。なんてすばらしい音楽なのだろう。あたりを打ち払うような堂々たる気風に満ちていて、最初から最後まで堂々たる演奏だ。
低音の充実ぶりは相変わらずだが、今回はオーケストラの音色がやわらかで奥深い分重ったるく感じない。2楽章の管と弦の綾なす響きは心持ち速めのテンポにのせてとても音楽的だ。終楽章のコーダもじっくりと腰を据えように微動だにせず高らかに終わる。唯一の不満は、立派すぎることか。
2年前に来日したこのコンビ。両者として最後の来日になってしまったが、私はブルックナーの8番を手に入れ、数日前から眠れないくらい楽しみにしていた。
以下に、その時の感想を備忘録から転用。
「演奏はもうまったくのすばらしさで、表現の言葉を知りません。オーケストラのまろやかな響きに身を任せているとドイツの森に抱かれているかのような気持ちでした。
ことにホルンを始めとする金管はどんなに強奏しても、美しく鳴り響きます。静寂のサントリーホールに響き渡るドイツの深遠な音をご想像ください。涙が出ました。
ハイティンクはオーケストラのメンバーが去った後も、聴衆のさかんな拍手にひとり何度か登場し、最後はスコアを閉じ、閉じたスコアを高く掲げました。
人柄がにじみ出た、実にいい光景でした。 感動です。」(2004年5月)
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コメント
ほんとうにいい曲の一語に尽きますね!
投稿: びーぐる | 2006年5月15日 (月) 23時13分
びーぐるさん、こんばんは。まったくその通りです。いい曲に言葉は無用なのかもしれませんね。
投稿: yokochan | 2006年5月16日 (火) 23時13分