ホルスト 「惑星」 ハンドレー
「天空の劫罰」という小説を読んでいる。本日現在、途中なので結末も不明ながら、ある国家が小惑星の軌道を変え米国衝突を狙った。それを察知した西側専門家があと数日の猶予の中で、惑星の特定や衝突の回避に必死になる・・・。こんな壮大な宇宙パニック小説。
だから、ホルストの「惑星」を聴いてしまう。
クラシックを聴き始めると、必ずこの曲は通る道であろう。
カラヤンとウィーン・フィルの録音しかないころはさほどではなかった。
この曲の本格メジャー入りは、73年発売の「メータ/ロス・フィル」からであろうか。
私もそのクチで、安ステレオが素晴らしい録音で見事に鳴ったものだ。
以来、プレヴィンやボールト再録音、ショルティを例外として、アメリカ産で、かつオーケストラ・ピースとして華やかな演奏・録音が主流となった。
歳を経た今、この曲を聴こうと思ったら、賑々しいものは敬遠したくなる。やはりイギリスのオーケストラで聴きたい。以前取り上げた「プレヴィン」や「ボールト」がしっくりくる。
そして今晩の「ハンドレー」盤もまたそうした1枚のひとつ。
4~5年前、1000円で見つけて狂気して購入した。今はホームセンターあたりのワゴンで300円で売っている「ロイヤル・フィル、コレクション」である。とんでもない世の中だ。
英国音楽の旗手であるハンドレーはレパートリーも非常に広いが、やはり本国ものは一味違う。ブラスをうるさくない程度に豪華に響かせる一方、弦を渋く、奥深く響かせる。
こうして全体は落ち着いたトーンにおさまっている。
有名な「木星」のあのフレーズも極めて自然に、さりげなく奏される。
「金星」と「土星」における優しさと諦念に満ちた音楽も見事に表現している。
カッコよさを求めるべき演奏でない。カップリングが「セント・ポール」組曲であることでもわかる。味わいある演奏。
「100円玉3個シリーズ」は意外と凄いものがある。
シモノフのものはすべてお薦めでいずれここで紹介したい。録音もいずれも極上。
すぐに消えてしまう発泡酒2缶と同じ値段とは・・・・・。
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コメント
トラックバックありがとうございます。
RPOのディスクは私も10枚くらい持っています。安くて音がよくて、演奏も侮れないものが多いと思います。
シモノフのプロコフィエフやマーラーはかなり好きな部類です。
投稿: ピースうさぎ | 2007年6月22日 (金) 14時11分
ピースうさぎさん、こんにちは。
ハンドレーの惑星を取上げてらっしゃったので、とても嬉しかったです。おっしゃるとおり、RPOのシリーズはハズレがないですね。
毎年やってくるシモノフは、題名のない音楽会の常連ですが、いつも伴奏指揮なのが極めてつまらないです。
この人の爆実演はものすごく面白いです。
投稿: yokochan | 2007年6月23日 (土) 01時11分