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2006年6月10日 (土)

大植英次 ハノーファー北ドイツ放送フィル

Hannover 6月9日、サントリーホール。先日のバンベルクに続く海外オーケストラシリーズ、田園・第五という超有名曲プログラムで、こちらも単独では選択しなかったであろうコンサートである。何といっても、もうひとつのプログラムがオール・ワーグナーだったがこちらは抽選も外れたし断念。しかし、初・大植英次である。ハノーハァーのオケも初めてだし、田園も第五も生で聴くのはたぶん初めてだと思う。自分でも信じられないことだが、生ではワーグナーやブルックナー、マーラーばっかり聴いていたからなのだ。

オーケストラの配置はバンベルクと同じく両翼配置だが、こちらは第1バイオリンの隣がチェロになっていた他、コントラバスは舞台奥に一列に並んだ。サイドの席だったので、効果のほどはよくわからないが、バランスの良さを狙ったのだろう。オケもコンパクトなサイズでざっと数えたら70人ぐらい。指揮者に対するイメージからエネルギッシュなベートーヴェンを予想していたが、以外にもオーソドックスで、版もごく普通(たぶん)。田園はゆったりと正に落ち着いた気分で全曲演奏され、しみじみとこの名曲を味わうことができた。
大植の指揮は動きが少なく、時に指揮棒も降ろしオーケストラを聞き入るような様子をしたりしている。よく見ていると顔の表情も豊かだし、指先や手のひらもかなり使って指示を出している。するとオーケストラもサッと反応していて、相互に息の合った様子が伺える。楽員同士もアイコンタクトしたり、微笑みあったりで楽しそうな様子。こうした大植のパフォーマンスの豊かさが楽員からも好かれる由縁なのであろう。管楽器のソロが見事なものであったことも特筆。

第五も奇をてらわず、普通に立派な演奏。管の主席は皆入れ替わったが、こちらも均一な腕前で、ドイツのオーケストラの優秀さを思い知った。
アンコールは、「レオノーレ序曲第3番」で、シンフォニックで流れの良い演奏だった。

盛大な拍手につつまれ、楽員からも拍手を受けて嬉しそうな大植。ファンから受け取った花束から数本づつ女性団員に配る気遣いを見せたり、客席に投げ入れたりと、こちらの明るいパフォーマンスも親しみを持てるものだった。

Oue_1 大植氏、俳優の別所哲也と似ている。私だけ?

大阪フィルが聴けるのファンがちょっとうらやましい。



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コメント

こんにちは♪  何回も拙ブログに足を運んでいただき、足跡も残していただいていたのに、私がこちらにお邪魔させていただくのは本当に久しぶりで申し訳ありません。  Blog People でこちらをリンク登録させていただいていて、普通だとこちらで記事をアップされるとそのマークがうちのブログでピコッと出るはずなのですが、どうやらこちらの更新情報は反映されていないみたいです・・・ ^^;  (と、一応言い訳らしきことを言ってみる・・・)

ところで、大植 & ハノーファー北ドイツ放送フィルが来日していたのですか?!  それは知りませんでした。  やっぱり最近ちょっと篭り気味でアンテナが錆付いてきちゃったのかなぁ・・・・。  KiKi は実は大植氏にはかなり期待していて、このコンビが東京に来たら必ず聴きに行こう!!と思っていたはずなんですけどねぇ・・・・ ^^;  でもこのエントリーを拝読させていただく限りでは期待通りの演奏をしてくれたようなので、それだけで嬉しいかも♪  ああ、それにしてもこの情報をキャッチできなかったのは心残りです・・・・(泣)    

投稿: KiKi | 2006年6月10日 (土) 13時00分

アンコールがレオノーレとはゴージャスですねぇ。
大植氏の動きが少なかったとは意外。
僕の知る限りまずまずジャスチャーのある人なんですがねぇ。

投稿: リベラ33 | 2006年6月10日 (土) 15時12分

KiKiさん、こんばんは。コメントありがとうございます。大植/ハノーファーを聞き逃されたこと、残念でした。私は本当はワーグナー・プロに行きたかったのですが(ジークフリート牧歌にヴァルキューレ1幕ですよ!!)このベートーヴェンも大満足の演奏会でしたよ。このコンビは長続きしそうですし、バルセリナ響ともいずれ凱旋することでしょう。

投稿: yokochan | 2006年6月10日 (土) 22時46分

リベラさん、こんばんは。大植氏の普段を知らないものですから以外なのでしょうか。「田園」のエンディングは指揮棒を止めて、楽員も動きを止めて、聴衆も拍手せずに、しばしの余韻が生じました。この間を作り出した大植の意図は大正解でした。なかなかやりますね。

投稿: yokochan | 2006年6月10日 (土) 22時51分

僕も聴きに行ったました(ワールド・オーケストラ2006のメンバーですので)。LD2-1-11。実は新潟でも6/7に同様のプロでやったまして、そっちも聴いたものですから、東京でどういう風に変わるのか興味があったのです。
新潟では、一音一音の音をじっくり耳を傾け、フレーズの段落をしっかり読み込むような演奏でした。サントリーのほうだと、もう少し前のめりといおうか前進的なエネルギーを放散するものだと感じのように聴き取りました。りゅーとぴあとサントリーのアコースティックな違いもあったでしょうが。
それよりも、バイロイト経験で大植の指揮に余分なもの(ギラギラしたもの)が抜けたようですね、先日の大フィル/マラ3の放送からもそう思いました。

投稿: IANIS | 2006年6月11日 (日) 09時28分

IANISさん、こんにちは。同じホールにいらっしゃったのですね。実は当日は、前日からの新潟出張で、新潟からギリギリ駆けつけました。新潟で信濃川(ですよね)のほとりにきれいな建物を見つけ、後にホールとわかりました。いずれ足を運んでみたいです。大植氏は、確かにバイロイト経験が大きくモノをいっているのかもしれませんね。バイロイト当局も、もう少し様子を見ればよかったのにと残念至極です。

投稿: yokochan | 2006年6月11日 (日) 11時02分

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