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2006年7月14日 (金)

ドビュッシー 交響詩「海」 プレヴィン

Previn_debussy 今日は暑かった。全国的に熱帯化してしまった。千葉に帰宅すると、超激しい雷雨の上がったあと。東京は夕焼けだったのに、神奈川・千葉が大雨。道路の排水溝に枝や葉がたっぷり集まっていて降雨量の激しさを物語っていた。
 おまけに、首都圏の電車は信号機故障や人身事故が相次ぎ、乱れまくった。どうも落ち着かない、尋常ではない雰囲気がこのところ続いているように思う。

 

本格的な夏を迎えるにあたり、「海」を聴こう。何の意味もなく、海は年中聴いているが・・
「海」や「山」に出向きたくなる「夏」である。周辺でも「夏休み取ります」という声が聞かれ始めた。
「海」はドビュッシーで、「山」はR・シュトラウスといったところか。
海か山かと言われたら、それに限った音楽では、間違いなくドビュッシーを選択する。
24分前後で聞きやすく、海を軸とした静から動までの時間空間を楽しませてくれる。

 

そういうわけで、私は「海男」である。やたらCDを集めてしまった。若い頃、「海」や「ディーリアス」のカセットをウォークマンで聴きながら、人のいない平日の真夏の海で、キリリと冷えたビールを飲みながら波と戯れたものだ。寂しい話だが、海を眺めるのは年中、一人に限る。

 

本日の「海」は、「プレヴィンとロンドン響」の83年の録音によるもの。
プレヴィンだから、優しい眼差しにあふれていることは言うまでもない。
だが一方で、少し重心の低く克明にすぎるところが気にならなくもない。
このあたりが、プレヴィンの特徴である。こうした両極面が不思議なバランスで共存する。

 

第3楽章「風と海との対話」の、弦の高音に乗ったオーボエの旋律の美しさ、その後チェレスタやハープの清涼な響きも交え、各楽器が雄弁に有機的に結びついてクライマックスを築きあげてゆく。この輝かしい盛上りを聴きながら、目をつぶると人それぞれの海が見えてくるであろう。本当にいい曲だ。

 

 

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コメント

本当にこれはいかにも海という感じがするいい曲ですね。
私のディスクはデュトワ/モントリオールでした。

投稿: びーぐる | 2006年7月15日 (土) 21時54分

びーぐるさん、こんばんは。デュトワ、いいですよね。フランス音楽の真髄を聞かせてくれます。
北斎の相模沖の海をイメージしてしまいますが、おフランスの海はどんなんでしょうか?

投稿: yokochan | 2006年7月15日 (土) 23時20分

私は、スヴェトラーノフの海で開眼しました。
この人の『海』の見せる表情の幅広さに仰天。

投稿: 芋焼酎 | 2011年8月 7日 (日) 15時32分

芋焼酎さま、コメントどうもありがとうございます。
スヴェトラーノフの海ですか。
ロシアの手兵のものと、フランス国立管とのものを聴いたことがあります。
スケール大きく、壮大な海を感じた記憶があります。
スヴェトラーノフは豊かな芸風を持ってましたね。

投稿: yokochan | 2011年8月 7日 (日) 23時00分

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