ネトレプコ 「ロシアン・アルバム」
今やスーパースターになってしまった「アンナ・ネトレプコ」。以前アバドの強力サポートによる「イタリア物」を取上げ、その美しいベルカントぶりを絶賛したが、正直まだまだ上には上はある。
お美しいお姿が、オヤジ心に大いに働きかけていたことは事実。
そんな彼女の最新アルバムは、お国ものの1枚。
いまだに、ロシア物の録音がないのが不思議なくらいだったが、いかにロシア物が地味かわかる。彼女だと贅沢を許しちゃうDGは、今回は「ゲルギエフとキーロフ」を起用した。
彼女を育てたキーロフの面々に囲まれ、思い切りのびのびとロシアしている1枚だ。
ロシア系はあまり聴かず、ふだんドイツやイタリアものばかり聴いているので、ロシアの歌はこうも違うものかと、1曲目から痛感する。発声そのものが異なるのか。
彼女の声も、紗幕が1枚かかったような、まるでヴェールにつつまれたかのような、ほの暗さ。高域を張り上げるヶ所もあまりなく、中音域の世界が大半に思う。
これを黙って聴かされたら「ネトレプコ」と言い当てることは難しいのではなかろうか。耳に馴染ませるために、4回も連続聴いたが、聴くほどに彼女の知的な歌いぶりがこれらの幾分とっつきの悪いアリア集をいかに聴きやすくしていることかよくわかった。
そして、彼女の声って、こんなに陰りがあったっけ?と思うことしばし。
それ以上のことを、ロシアオペラ不案内の私に言う資格なし。
収められた曲は、チャイコフスキー、ラフマニノフ、R=コルサコフ、グリンカ、プロコフィエフのオペラや歌曲など。
この中で、いたく感激したのは、R=コルサコフの「皇帝の花嫁」からのアリア。さすがはメロディの天才と思わせる美しさと耽美的な夜の雰囲気に満ちた曲で、ネトレプコは思い切り情感を伴なって歌ってくれる。ほんとにいい曲なのである。
以前、グルヴェローヴァで聴いたことがあったが、何の曲かわからなかった。
こうしたオペラは劇場や映像で見たらしっかり楽しめるんだろうな。
締めは言わずと知れた「エウゲニ・オネーギン」の手紙の場面で、耳に馴染んだチャイコフスキーのロマンと激情溢れる音楽を、ネトレプコの素晴らしがここで全開となって楽しめた。
ゲルギエフのオーケストラは悪かろうはずがない。まったく危なげなく、歌手の呼吸にピタリと合わせ、かつオペラの一場面を感じさせる臨場感も充分。ただ、ときおり聞こえる指揮者の鼻息のような雑音は、ちょっと・・・・。
それもこれも、ネトレプコの初ロシアもの録音にゲルさん張り切ってしまったんだろうか。
「アインザッツ」さんの未確認情報(ウワサ)によると、彼女は「ゲル○○・・」と「プー○○」の愛人ではないかということ。噂はウワサとしても、こいつは面白い。
どちらも髪の毛がアレだし、超々元気絶倫そうだし・・・・。
(ちなみに、プーサンではありませぬ。一番えらい人です)ホンマかいな?
ミスター・ビーンといい、絶倫のお二人といい、美女には美男は似合わないのかしらん。
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