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2006年11月23日 (木)

ディーリアス 劇付随音楽「ハッサン」 ビーチャム

音楽とは関係ないことながら、「日ハムの小笠原」が巨人に移籍するそうな。
何だかな。またかよって感じ。あの金満球団は、いったい何人の他チーム主砲を金品強奪し、ダメにしてしまえば気が済むんだろ。行く方も行くほうだ。16億に目が眩んだのか、これまで熱烈にサポートしてくれた北海道のファンをどう思っているんだろ。サムライって何。
移籍を踏みとどまった広島の黒田を見習って欲しいものだよ。
ああ、つまらん。

Beeham_delius くそ面白くない出来事のあとは、きれいさっぱりと「ディーリアス」でも聴きましょう。某HMVのワゴンに500円で捨て置かれていたCDを即座に救出した。ニンマリである。
1951~56年のモノラル録音ながら、聴きやすい録音で、ティーリアスの世界に気持ちよく浸ることができる。

「エヴェンチュール(むかしむかし)」 1916年55歳頃の作品。大好きだった、ノルウェーの民話に基づいてかかれた幻想曲。途中、オケのメンバーによる叫びが指定されていて、最初かなりドキリとする。野趣とロマンに満ちた曲。

「アラベスク」 同時期の作。こちらは、デンマークの「ヤコプセン」の詩に作曲された、バリトン独唱付きの曲。詩の内容が牧神にまつわるもので、なかなかに官能的でもあり、ドビュッシーを意識させるものもある桂曲。

「ハッサン」 1920年60歳近くの作。「フレッカー」の同名の戯曲に劇付随音楽を付けて是非とも上演したかった、演劇プロデューサーが、ラヴェルなどにも声掛けしたが、断られ続け、折から上演中だった「村のロメオとジュリエット」を聴いて、ディーリアスしかいないと確信し、作曲依頼したもの。
 トルコかどこかの宮廷で、その機知を生かして活躍する「ハッサン」の物語。最後は宮廷生活に嫌気をさして、「サマルカンド」に旅立つ。
筋は、全然面白そうでないが、音楽は楽しくかつ美しい。独立して演奏される「序奏とセレナーデ」は短くもはかないディーリアス・サウンドだが、あとを引く親しみやすさがある。

「コアンガ」 エキゾテックなオペラの一部が演奏されている。1897年、壮年期の作。
全体は聴いたこともないし、筋も不明ながら、「ラ・カリンダ」という踊りの音楽だけは、小品集の常連。でもここには収録されていない。

ディーリアスの擁護者であった、ビーチャムとロイヤル・フィルは、共感をもってこれらの渋い作品達をいとおしむように演奏していて、感銘を受ける。
これらは、就寝前に聴く安定剤として最適かもしれない。ナイトキャップは、尽きなくなるので、ミネラルウォーターの清涼感がいい。

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コメント

こんばんは。
ビーチャムのディーリアスは良いですね。
ディーリアスの音楽に対して誰よりも深い愛情を注ぎながらも、べたべたしないところが一番気に入っています。
だからこそ、いつ聴いても「ディーリアスって、素敵だなあ」と感じるのかもしれません。
大人の音楽というのでしょうか。

P.S
まったくビーチャムには関係ありませんが、プティボンさんのDVD、今日送りましたので、近日中に着くと思います。
気に入っていただけるといいのですが・・・。

投稿: romani | 2006年11月23日 (木) 21時36分

こんばんは。
ビーチャムのディーリアスは2枚ほどウチにありますが、どちらも何故かとーーーーっても古い録音です(NAXOSのと、Sommというレーベルの)。1920年代から30年代の録音で、多分SP復刻だと思うんですが。これがいいんですよ。ノスタルジック感が倍増する感じで。わざわざ古い録音薦めるのもどうかと思うのですが、すごく気に入っています。

投稿: naoping | 2006年11月23日 (木) 22時34分

romaniさん、こんばんは。まったくおっしゃる通り、ビーチャムのディーリアスは、聞き飽きないエヴァーグリーン的な演奏ですね。
 DVDの件、ずうずうしいお願いをしてしまったようで、ほんとうに申し訳ありません。でも感謝感激です。今度は、私の方の少し古めのライブラリーから何かコピー差し上げます。大阪にお持ちします。(内容はお任せください)

投稿: yokochan | 2006年11月24日 (金) 22時23分

naopingさん、こんばんは。確かに、古い録音の方がディーリアス・ノスタルジーをかきたててくれますね。ビーチャムはワーグナーも面白い指揮者ですね。

投稿: yokochan | 2006年11月24日 (金) 22時25分

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