シューベルト 交響曲第8番「未完成」 ミュンシュ指揮
もう何年も年末を迎え、そして送っている。この頃になると、レコード・アカデミー賞が気になるが、昔はレコード芸術を見て初めて知ったが、今はネットで早めにわかってしまう。
ワクワク感がそがれるが、それ以上に内容が年々お寂しくなっていく。
私のレコード時代は、カラヤン・ベーム・バーンスタイン・メータ・アバド・ポリーニ・リヒテルらが常連で、今度は誰? 自分の買ったアレが大賞だ!などと結構楽しんでいた。
今年は何と、30年前の音源が大賞。いかにも現在のクラシック業界を反映する出来事。
ワーグナー好きにとって、慶賀の至りだが、器楽・室内楽以外に新録音が少なくなり、大演奏家が続々と没してしまう中、演奏家も音楽関係業者も未来へ優れた演奏を記録し、送り出すことを考えるべき・・・と思う。
私と類似作曲家の占いで「シューベルト」が選ばれたことを記念して(しつこい!)、「未完成交響楽」を。
誰しも、一度は運命・未完成・新世界をとおっていると思うが、私は運命はずっとあと。新世界・田園・未完成だった。指揮者はぞれぞれ、ケルテス・カラヤン・ミュンシュ、という按配。
「ミュンシュの未完成」が私のすり込みの1枚。普通じゃないかしら?
17センチのEP盤というのが結構流通していて、これだと400円くらいで買いやすかった。
未完成なら、片面に1楽章づつ。しかも見開きジャケット仕様で豪華な気分も味わえた。
ミュンシュといえば、長い指揮棒を振り回し、豪快な竹を割ったような演奏をイメージさせるかもしれないが、私はこの未完成が初ミュンシュだったから、ちょっと違う。
少し重々しいが音が明確で、推進力があるため、過去を振り返るというよりは、先を見つめたような、ある意味でロマンティックな演奏なのだ。
CDでは、「グレイト」と一緒に収められていて、そちらは早いテンポでグングン行く演奏だが、こちらの未完成はゆったりと落ち着いている。
ボストン響の雰囲気ある音色も華を添えていて、最近聞かれなくなってしまったこの優秀なオーケストラの黄金期が偲ばれる。
個人個人、こうした懐かしい演奏は、お持ちだと思う。
何年経ていても、それを聴いた時の思いは変わらない。自分にとっての名演たる由縁か。
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コメント
yokochanさん、おはようございます。
「レコ芸」、しばらく買ってません。アカデミー賞にも興味がなくなって久しいです。昔はバーンスタイン・ベーム・カラヤンの大御所がいて、新録音もどんどん発売されてましたから、yokochanさんがおっしゃるように、どんなCDが、そして誰が賞を獲るかという楽しみがありました。今は淋しい限りですね。
でも、今月号は買います。レコード・イヤー・ブックが付いてますから。イヤーブックも年々薄くなってきているようで、哀しいんですが。
投稿: mozart1889 | 2006年12月21日 (木) 08時50分
mozart1889さん、こんばんは。コメント遅くなりました。
「レコ芸」がつまらなくなってもう何年にもなる気がします。
でも断ち切れないのが、クラヲタの悲しみです。
今年のイヤーブックは、ビデオ・ソフトの頁が増えた気がします。
時代の流れですね。
投稿: yokochan | 2006年12月22日 (金) 20時49分