モーツァルト ピアノ・ソナタ第8番K310 ピリス
芋の天ぷら。
単純だけど、揚げるだけで、もうムチャクチャ甘くなって、ほくほくで美味い。 こちらは、種子島産の安納芋。口に頬張るとねっとりと甘い。
こいつで、芋焼酎のロックがガンガンいけちゃう。
芋とは関係ないが、そのやさしい、ほっこり感が うれしいモーツァルトが聴きたくなった。
ポルトガル生まれの、マリア・ジョアオ・ピリスのピアノで。
モーツァルトの短調はいずれも儚く美しいが、とりわけこのイ短調のソナタは緊張感の中に微笑みが見え隠れしていて大好きな曲のひとつ。
22歳の作品には思えない。
若くしてこの深淵。すごいねぇ、モーツァルトは。短調の両端楽章に挟まれた第2楽章はほっと一息つける長調の部分だが、でもどこか寂しげ。その独白めいた歌は心に染みる。
ピリスのモーツァルトのデンオンへのPCM録音は、明るく元気な印象があったが、その15年後、1989年にDGでの二度目の録音は、明るさは保ちつつも、異常なまでに深みを増していて、ちょっと痛々しい感じまでする。
そう何度も聴ける演奏や曲ではないが、深夜に目を閉じて聴くと殊更に印象的。
このところ、ピリスの名前が聞かれないがどうしたのだろうか?
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