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2007年5月26日 (土)

ティト・ゴッピ  オペラ・アリア集

Sansyuya 銀座「三州屋」にまた行ってしまいましたわ。

以前、ブログ仲間の方々と白昼から訪れた名店。

先週のこと、今度は宵闇迫るなかの訪問。やはり混んでいて、かろうじて席を確保。
見てちょーだい、この刺身の美味そうなこと。
上から〆サバ、かつお生、カンパチ、鮪赤身・・・。
この時期、かつおのネットリと濃厚な味には、芋焼酎が極めて合いますぜ。画像でバーチャル飲みが出来そう。

Gobbi 今晩は、鮮度抜群のイタリアのバリトンを聴きましょう!

ティト・ゴッピ」、もう過去の名歌手となってしまった。私のような中年世代にも、レコードでしか聞き得ない歌手だった。
1959年のNHKイタリア歌劇団による来日公演は、伝説的な「オテロ」を生み出した。
「マリオ・デル・モナコ」と「ティト・ゴッピ」が火の出るような熱い歌唱と演技でもって、日本のオペラ史に残る上演を残したのだ。
 もちろん、この映像を見たのはずっと後のこと。
時代を感じさせる音と画質、そしてその伝説的な演技も今の視線で見ちゃうと、時代がかっていてちょいと大げさ。でも役に没頭するあまりの異常なまでの目線や微細な動きに目が釘付け・・・・。
そして、何よりも圧倒的な声!ただでさえ凄まじい二人の声に、役になりきった演技。
この二人のおかげで、「オテロ」は、他の人ではダメになってしまった。
デッカに残した、デル・モナコの録音がプロッティでなくて、ゴッピであったならば・・・・・・。

「ゴッピ」=「イャーゴ」と同時にスカルピア、レナート、マクベス、ジェラール・・・、そうイタリア・オペラの仇敵バリトン・ロールは、どれもこれも素晴らしい。
バスティアニーニの気品とクールさとは裏腹に、ゴッピは徹底的に役に染まり、憎たらしいまでの凄みを歌い出す。欲張りな私には、どちらも魅力だ。

このCDは、48年~63年までの録音が集められていて、エレーデ、サンティーニ、ファブリティ-スほかの渋い名匠たちが雰囲気よく伴奏している。
「アルルの女」「ザザ?」「ドン・カルロ」「オテロ」「運命の力」「フィガロ」「仮面舞踏会」「愛の妙薬」「ナブッコ」「マクベス」「アンドレア・シェニエ」「聖母の宝石」「西部の娘」「ウィリアム・テル」「シモン・ボッカネグラ」「アドリアーナ・ルクヴルール」「フェドーラ」「ファルスタッフ」
フゥ~う・・・、こんなに盛りだくさんのオペラから、ゴッピの歌が集められていて飽くことがない。作品の名前と作曲者が結びつきますか?

どれもゴッピの以外なほどの自在な歌が堪能できるが、特に気にいったのは「アドリナーナ・・」のミショネの歌唱。舞台袖から、密かに愛する大女優アドリアーナを心配そうに見守る舞台監督ミショネ。そのいじましい役柄は、こうした強烈なバリトンがそっと歌うことによって味が出る。男の後姿を見守るようだ。 顔で笑って、心で泣いて・・・・

もちろん、イャーゴもやたらに素晴らしいですよ。
男ゴッピ! 84年(たしか?)に亡くなって久しい。

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コメント

お久しぶりです。こんばんは。
刺身の写真にヨダレです。刺身大好き♪ 醤油もワサビも無しで、素のままでガンガン食べてしまいます。

そしてティト・ゴッビ! 初のイァーゴ体験は彼でした(アリア集で)。まだデルモナコとの舞台は観たことがありません。
彼と同じ時代に(ヨーロッパに)生まれていたらなぁと思います。

投稿: しま | 2007年5月27日 (日) 01時55分

しまさん、こんにちは。ようこそ。
刺身を素のままですか! なかなかワイルドじゃないですか、でもお魚の味が一番わかるでしょうね。私も酒さえあれば、素、いけそうです(笑)

私も本場で、昔のゴッピやデル・モナコ、カラスやバイロイトを体験してみたかったです。
渡英される由、上官の了解もとりつけ、準備万端よき旅行をされることをお祈りいたします。

投稿: yokochan | 2007年5月27日 (日) 14時11分

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