モーツァルト 交響曲第36番「リンツ」 アバド指揮
初夏の花々は眩しいくらいに素適だ。アゼリアのように香りも色も濃いと少し疲れてしまうけれど、このくらいが楚々としてちょうどいい。
モーツァルトのハ長調交響曲のもうひとつの名作「リンツ」。あっという間に仕上げたことがうそのように、堂々としっかりとした交響曲。
曲は重々しく始まるが、すぐに元気のよい主部が始まり、いくぶんギャラントに楽しく、堂々と音楽は進む。
オペラアリアのような第2楽章、ヴァイオリンとオーボエ、ファゴットで歌われるトリオが妙に好きな第3楽章。
そして終楽章は、旋律がとめどなく次々に流れまくり、その流動感は明るく楽しい。まるで、オペラのフィナーレのよう。
病に倒れる前、活気あふれる、ベルリン時代のアバドの最良のモーツァルト。
にこやかに楽しそうに指揮をするアバドの姿が目に浮かぶよう。
ここではまさにオペラそのものの演奏であるかのように音楽が飛翔している。
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コメント
こりゃまた偶然、今、図書館にリクエストしているところです。アバドの「ジュピター」ロンドン交響楽団が、クラシックにはまるきっかけとなったレコードです。「リンツ」も大好きですが、アバドのは、まだ聴いていません。今月、久しぶりに聞きたくなって、ジュリーニ指揮の40番と「ジュピター」を買ってみました。ゆっくりしたテンポで期待どおり、おもしろい演奏でした。
投稿: にけ | 2007年5月16日 (水) 22時07分
にけさん、こんばんは。それはまた奇遇ですね。
このCD、ヴァイオリンとヴィオラの協奏交響曲も入ってまして、こちらも実にいい演奏です。是非お楽しみください。
ジュリーニのものは、ベルリン盤ですか?新旧ともに、ジュリーニもモーツァルトは未聴なんです。気にはなってましたが。
投稿: yokochan | 2007年5月18日 (金) 00時52分
聴いてすぐ人に貸したので、確認してないですが、ベルリンフィルでソニーのCDだったと思います。
投稿: にけ | 2007年5月20日 (日) 00時32分
そうでしたか。同じベルリンフィルでもアバドとはかなり違うのでしょうね。
晩年は超遅くなってしまいましたが、ニュー・フィルハーモニアとの古い録音にも気が惹かれます。
投稿: yokochan | 2007年5月20日 (日) 16時51分