プロコフィエフ 古典交響曲 アバド指揮
驚き、警戒するネコ。
街をさまよい中に発見した。
この妙なポーズの彼(彼女)は、このお姿から想像されるとおり、片足を90度上げて毛づくろい中だった。
ん?
撮影が終わると一目散に逃げてしまった。
アバドの交響曲も終了が近い。
お得意のプロコフィエフ(1891~1953)、若き60年代に、ロンドン響と「ロメオ」と「道化師」、「古典交響曲」と「第3交響曲」、ピアノ協奏曲などを録音していて、敏感極まりない秀演だった。
その後も数々の録音がある。
イタリア人はプロコフィエフがお好きなのか?
交響曲シリーズにあたっては、奇天烈第3交響曲を取上げたかったが、すでに登場済み。
86年にヨーロッパ室内管と再録音した「古典交響曲」を。
プロコフィエフ27歳の作品で、若書きに特有の新古典主義もどきかと思ったら、すでに過激な「スキタイ組曲」なんぞも書いていて、聴衆は天才プロコフィエフが遂に作曲した交響曲がすっきりした古典的な作品だったので肩透かしをくったらしい。
でも単に古典を模倣しただけの作品でないことは、移り変わる曲想や転調の激しさなど、創意工夫がみなぎっていて、単純なだけではなさそう。
このあとに続く2番、3番がかなりアヴァンギャルドな作風なだけに、プロコフィエフの真意はどこにあったのだろうか?
私は、この手の作品がどちらかというと苦手。ブリテン、ビゼーなどの同種の作品も。
でも好きなアバドの手にかかれば、まるでロッシーニを思わせる軽やかさに、はじけるリズムのよさが、極めて新鮮。微笑んで軽く指揮をするアバドの姿が思い浮かぶよう。
加えてこのCDの選曲がおもしろい。「ピーターと狼」はともかくとして、「行進曲」や「英雄の主題の序曲」など、普通の人が取上げない作品をカップリングしているのは、アバドの見識。
実際それらの曲がおもしろい。
このCDは、各国の有名人をナレーターに起用した企画で、英語圏はスティング、日本は玉三郎だった。
私の1枚は、スペイン向けらしく、ナレーターのカレーラスはバリバリのスパニッシュで、妙な違和感がある。ジャケットもそうで、「ペーター」は「ペドロ」になっちまってる。
う~む・・・・。
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コメント
今晩は。アバドの古典交響曲は未聴です。でも素晴らしい演奏のようですね。確かに珍しい曲も収録しているのがいかにも勉強家のアバドらしいです。
私が好きな古典交響曲は、プレヴィン&ロンドン響とショルティ&シカゴと小澤&ベルリンフィルです。特にプレヴィンのが好きです。小澤さんのプロコ交響曲は全集を持っています。どの曲も素晴らしい演奏です。
アバドほどの指揮者が人気の高いプロコ第五番を録音しないのは確かに不思議ですね。「どうして録音しないのですか?」とご本人に訊いてみたいほど不思議です(笑)
投稿: 越後のオックス | 2009年10月30日 (金) 00時49分
越後のオックスさん、こんばんは。
いま羽田に帰ってきました(笑)そして、酔ってます〜
アバドはロシアものが大好きで、リベラルな人らしく、民衆の苦しみ・悲しみに共感した音楽を愛してます。ムソルグスキーはその典型です。
ショスタコもシリアスな映画音楽を手がけましたが、こちらは音源はありません。
同じロシアでも、プロコフィエフはデビュー時からとりあげてますが、古典とロメジュリ、3番のコンチェルト、ブァイオリンコンチェルト、3番の交響曲ばかりです。
いずれも、リズム感あふれるモダニズム作品ですから、このあたりに秘密がありそうです。
同じイタリアンたちも、プロコフィエフを得意にしてますね。
ムーティだけが5番を録音し、シャイーはアバドと同じ。ガッティやルイージはどうなるのでしょうかね?
投稿: yokochan | 2009年10月30日 (金) 20時39分