ヘンデル 「水上の音楽」 マリナー指揮
「サー・ネヴィル・マリナー」が今年、久々にやってくる。
札響でメンデルスゾーン、N響でブラームス4番、四季などを演奏する予定。
プレヴィンとならんで、チケット争奪が厳しそうだな。
1924年生まれだから、もう83歳!
巨匠の一角に名を占める年齢だが、マリナーはそういうタイプではないかもしれない。
いつも変わらず、音楽を普通にわかりやすく聴かせてくれる身近な指揮者だから。
こちらの画像は、30年くらい前の雑誌の切り抜きから拝借したもの。テムズ川を背景に、絵になる「サー・ネヴィル」。
もうかれこれ35年ほど前だろうか、「マリナーとアカデミー室内管」が鮮烈なレコードを次々に送り出していたのは。
「四季」「管弦楽組曲」「水上の音楽」、モーツァルト、バルトーク、弦楽セレナーデ・・・・。
それらすべてが、新たな学究に基づいた新鮮で大胆な解釈による演奏で、ロンドンレーベルの巧みな宣伝にも乗って一家に1枚状態だったもんだ。
懐かしいよう。
そんな中から、時節柄、「ヘンデルの水上の音楽」を聴こう。
この曲は作者の自筆譜が残ってないため、数々の版があるらしいが、わたしには不案内な世界。
ただひとつ、英国作曲家「ハミルトン・ハーティ」の編曲したフルオーケストラ版は、今でも面白いと思う。
マリナーのこの71年録音では、解説によるとケンブリッジの図書館の協力を得て独自の考察を経た解釈を行なっている。3つの組曲からなることに変わりはないが、曲の配列や入れ替えがなされているようである。
当然に通常の奏法ではあるが、打楽器が使われずシンプルで小気味よいサウンドになっていて、文字通りさわやかさの極地である。 現在は、古楽器やピリオド奏法が主流となってしまったため、35年前に極めて新鮮だった響きが、逆に今でも妙に鮮度が高く感じられる。
こちらも以前の切り抜きだが、アカデミー初期の頃は、曲によっては、自らコンサートマスターをつとめ、オケを率いていた。
隣りがアイオナ・ブラウン。
英国の上質な気品と、エスプリを感じさせる「マリナーとアカデミー」である。
こんな曲を聴きながら、舟の上で酒が飲めたら無常の幸せだな。
でも日本の屋形船は、ワタクシちょっとイメージが・・・・・。
あの天ぷらは最初はいいけれど、途中から誰も食べれくなって、山盛りの天ぷらにうんざり、船酔いと酒酔いにもうんざり、逃げ場のない接待などではまさに「水上の地獄」状態となる。
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