チャイコフスキー 幻想序曲「フランチェスカ・ダ・リミニ」 ハイティンク指揮
今日の首都圏は雨模様。
千葉の自宅の駅に着くと、ものすごい雨。
傘はあってもずぶ濡れ状態に、こちらも歩いていて、ヤケクソになってしまう。帰宅早々、発泡酒をぐびぐびっとあおり、軽い食事をしても、まだヤケクソがおさまらない。
よっしゃ、景気のいい曲を聴くべぇ!!
と取り出した、ハイテンクのチャイコフスキー全集。
付録のように収録された、管弦楽曲から「1812年」を、と思ったが、「待てよ、今週は小品とはいえ、憂愁かました音楽を自分は求めているんだっけか?」と思い直し、より劇音楽的でメランコリックな「フランチェスカ・ダ・リミニ」を選択した。
同じ幻想序曲の「ロメオとジュリエット」と兄弟のような、文学作品に題材をとった曲。
交響詩といってもいい。
ロメオが29歳の1869年、フランチェスカが36歳の1876年の作品。
ともにロマンと情熱が隅ずみまでみなぎった熱い音楽だ。ロメオは愛の場面が、かなりの時間を占める甘い作品であるが、フランチェスカは原作が陰惨なだけに、荒れ狂うような奔放な響きが横溢するドラマテックな作品になっている。
原作はかの「ダンテ」。
リミニの国の領主の娘フランチェカは好きでもない政略結婚をさせられ、その男の弟パオロと恋に落ちてしまう・・・・・。結末は、暴君である亭主の刃に二人ともかかって死んでしまう。
「ハイティンクとコンセルトヘボウ」の作り出す音楽は、あまりにも立派である。
整然と、チャイコフスキーが書いた情念の音楽をありのままに示してくれる。
ともかくオーケストラのびっしりと目の詰まった響きが素晴らしすぎる。
そこになんの気負いもないハイティンクが、きっちりとした枠組みを作り出している。
そこから匂いたつような、ヨーロッパ調のチャイコフスキーが生まれるわけだ。
このコンビの最良のコラボレーションではなかろうか!
ハイティンクのチャイコフスキー全集は、すべてがこんな具合に素適な演奏。
画像は単独発売のレコード。やたらに音がよかった。1812年も、私のボロ装置が実に良く鳴ってくれたもんだ。
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