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2007年9月 9日 (日)

プレヴィン指揮 NHK交響楽団 モーツァルト

空には入道雲、朝からなんでこんなに蒸し暑いんだ
早起きして、息子と運動公園まで車を走らせ、キャッチボールにバトミントン。
異常に出る汗。シャワーを浴びて、さあビール・・・なんていってらんない!

急いで支度をして、今日も渋谷へ。
渋谷では、25年ぶりくらいに、道玄坂の中華「喜楽」で中華麺を。
汗だくになりつつ、NHKホールへ到着。いやはや暑い。

   モーツァルト  歌劇「フィガロの結婚」序曲
            ピアノ協奏曲第24番 ハ短調
           交響曲第36番 「リンツ」


Previn こんな思いをしての渋谷。大好きな指揮者のひとり、アンドレ・プレヴィンが久しぶりにN響にやってきたのだ。前回はドクターストップで中止。
回を重ねるたびにN響もいい音を出すようになり、相性もばっちり。 
1929年生まれだから78歳。もともと首が悪かったから、全体に猫背で小さくなった感じ。椅子に腰かけて指揮をするものだからやたらに歳を感じさせる。(この画像は、30年前、ロンドン響とやってきた頃のプレヴィンは颯爽とカッコよかったもんだ。)

ところが、ひとたび音楽が鳴りだすと、いきいきとした響きに、優美な歌に、まぎれもないプレヴィン節を見いだすことができて、ほんわかと、幸せな気分に浸ることができる。

そしてそれは、ピアノの弾き語りの時に全開となった。
特に第2楽章、美しくも優美なピアノ、独白のような語りに、N響の管の面々がこれまた美しい、合いの手を入れる。至福のモーツァルトがここにある。
Andreprevin リンツ交響曲も柔和で微笑みを絶やさない、ビューティフルな演奏。
N響がこんなに爽快で、やわらかな音を出すなんて!
拍手に応える、プレヴィンの満足そうな笑顔。こんな素晴らしいモーツァルトをいつまでも聞かせて欲しい。
この人に、往年のワルターの姿を見てはいけないであろうか・・・・。

巨大なNHKホールの隅々にまで、このモーツァルトの響きが届いた。
満員の聴衆は、この素晴らしいモーツァルトを胸に秘め、暑くて喧騒の渋谷の街へ去っていった。ふだん鬱陶しい喧騒も、足取りも軽く、この日ばかりは全然気にならなかった。

今回のプレヴィン3プログラムに苦言。ラフマニノフをNHKホールにして、モーツァルトをサントリーにした方が、音響的によかったのではないですか?
モーツァルトを土日にやれば、プレヴィンだし、満席になるだろうけど。
全部を聞きたかった、特にラフマニノフを聞きたかった私のやっかみもあるけど。

それはそうと、昨日のシュトラウスの響きが耳にも心にも、強く残っていて、どうなることかと不安だったが、全然OK。モーツァルトの響きを強く意識したシュトラウスの音楽を逆にまた好きになってしまった。
いま、わたしの頭の中は、この二人の作曲家の音で一杯だ。
そこにまた、ワーグナーやディーリアス、エルガーが割り込もうとしている。

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コメント

渋谷の街に連日の「出動」、お疲れ様でした。
大昔、ウィーン国立歌劇場の来日公演(「サロメ」)でNHKホールに行ったきりあのホールにはいっておりませんし、オーチャードもチョン=東フィルのマラ3を聴きにいったきり、です。
ホールとしての割の合わない「大きさ」は大いに気に障りますし、建物としての美しさがないように思え、好みに合わないのかもしれません(どっちも同じ頃できたしなぁ。僕、数学と物理ができたら建築家になりたかったんです)。3000人規模のホールでモーツァルト・・・。シンジラレナァイ。

投稿: IANIS | 2007年9月10日 (月) 00時30分

なんというか、プレビンは本当にモーツァルトを演奏すりことを許された数少ない音楽家のひとりなんでしょうね。
最近、ササクレだったモーツァルトを聴かされる機会が多いなか、本当に癒され、励まされ、モーツァルトの愛を感じたひとときでした。
ラフマニノフ、タケミツをチケットとりそこなったのが本当に後悔します。
来週、ラベルにも期待です。

投稿: yurikamome122 | 2007年9月10日 (月) 11時23分

JANISさん、ご無沙汰しています。プレヴィンのモーツァルトの感動を多くの人と共有していることを確かめたくてブログを検索していたのですが、意外とネガティヴな物言いをする方も多い中、やっぱりJANISさんはあの素晴らしさを感じ取っていらっしゃったと知り嬉しくなりました。よろしければ私の感想もご覧下さい。私は今月は全プログラム聴きますよ。これはやっぱり聞き逃せません :)

投稿: pockn | 2007年9月10日 (月) 11時27分

IANISさん、こんにちは。
私もここに書いたとおり、NHKは完全に集客狙いですよ。
ラフマニノフの2番、そりゃサントリーでやれば最高ですが、普通はサントリーでモーツァルト、NHKホールでやむなくラフマニノフですよ。
NHKは、クラシック専門ホールをもうひとつ造るべきですな。
もちろん、一般視聴者の了解は得にくいでしょうけど。

でもね、プレヴィンのモーツァルト、最高に素晴らしかったですよ。
2階の音響のいい席でしたし、昨日に限ってはホールの巨大さが気になりませんでした。

投稿: yokochan | 2007年9月10日 (月) 22時49分

yurikamomeさん、こんにちは。
若い頃のプレヴィンは、モーツァルトをこんな風に演奏するなんて思わせもしなかったですが、やはりウィーンと関係を持った頃からがきっかけだったのでしょうか?
あの背中から、素晴らしい音楽がにじみ出てくるようでした・・・。
私も、ラフマニノフは痛恨ですが、ラヴェルに期待大です。
日が合えばご一緒しましょう。連絡いたしますね。

投稿: yokochan | 2007年9月10日 (月) 22時54分

pocknさん、こんにちは。ホントご無沙汰です。
あの夢のようなルツェルンから1年ですね!
pocknさんも聞かれましたか。
稀にみる素適なモーツァルトでした。
先鋭的なモーツァルトがもてはやされる昨今、こんなに美しいモーツァルトはありませんね!!
コメントありがとうございます。早速お伺いします。

投稿: yokochan | 2007年9月10日 (月) 22時59分

yokochanさま、先ほどの私のコメント、何を勘違いしたか「JANISさん」なんて呼びかけてしまって大間違い。しかもJANISさんはIANISさんではないですか!! まことにもってお恥ずかしい次第。。。 この場をお借りしてお二人にお詫びします。。。 ゴメンナサイ

投稿: pockn | 2007年9月11日 (火) 00時25分

pocknさん、全然気にしないで下さいよ。
IANISさんもたぶん全然OKです。(ご本人には聞いてませんが~笑)
アバドが取り持つご縁ですから!
これを機にまたよろしくお願いしま~す。

投稿: yokochan | 2007年9月11日 (火) 00時35分

こんばんは。

BSと教育テレビで、このコンサート見ました。
良いです。ほんと良いですねぇ。
N響って、こんなに柔らかい音だったのかと驚きました。
K.491の優しい響き、リンツの弾力性に富んだリズムと決め所のティンパニの強打に、すっかり参ってしまいました。
素晴らしいマエストロだと実感しました。

投稿: romani | 2007年10月 7日 (日) 22時21分

romaniさん、こんばんは。
ご覧になりましたか、プレヴィンのモーツァルトにN響が完璧に反応してましたよね。
見た目は何もしてんさそうでも、目で語る素晴らしい指揮だと思います。ほかの2演目も是非ご覧下さい。

投稿: yokochan | 2007年10月 7日 (日) 23時20分

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NHK交響楽団 第1598回定期公演 2007年09月 9日(土) 18:00 開演 NHKホール 指揮・ピアノ:アンドレ・プレヴィン コンサートマスター:篠崎史紀 モーツァルト /歌劇「フィガロの結婚」序曲 モーツァルト /ピアノ協奏曲第24番 ~休憩 15分~ モーツァルト /交響曲第36番「リンツ」  待ちに待ったプレヴィンの来日。  しかもオール・モーツァルトプロ。何度この機会を待ち望んだことか。  舞台袖からゆっくりした足どりで出てきた小柄... [続きを読む]

受信: 2007年9月10日 (月) 18時26分

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