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2007年9月24日 (月)

ヘルツォーク エリカ 「ためいき」

Bara

今月初めの北海道、朝の散歩で、路傍に見つけた一輪のバラ
朝露にぬれた姿がとても美しく、清冽な印象。

朝はバラ色に輝き・・・」は、ワーグナーの「マイスタージンガー」のワルターが自らを勝利に導く歌だが、今朝は、こんな美しい花が似合うピアノを聴かせてくれる美女をご紹介。

Erica_herzog_2 Erika Herzogエリカ ヘルツォークさんがその人。
美人なのである。
でも聴いてみてビジュアル派だけでない、芯の通ったしっかりした音楽にとても感心してしまった。

私の知り合いから紹介されて、そのHPを拝見し、その経歴も含め気になる存在になった。
そして、そのHPからCDを注文し、こうして楽しむ運びとなった。
ちなみに、彼女本人が丁寧に送って下さいます。誠実かつ、活動的なお人柄が伺える素適な女性であります。

その経歴をCDから抜粋。
「外交官のドイツ人を父、音楽家・俳人の日本人を母として、日本に生まれピアノを学ぶ。
10歳で、父の転勤で渡欧。ルクセンブルク、ドイツ(ヴァイマール)、オーストリア(ザルツブルク)などで学び、2001年に帰国。」
ルクセンブルクの音楽院では最年少主席卒業だし、F・リスト音楽院でも主席卒業。
さらに彼女の音楽の幅を豊かにしていると思われるのは、ザルツブルクのモーツァルテウム音楽大学で、ハルトムート・ヘルと白井光子夫妻から、歌曲伴奏をみっちりと学んでいること。

こうした素晴らしい経歴を背景に、彼女のピアノは先に記したとおり、芯がしっかりと通っていて、ぶれがまったくない。
よくあるように、美しい音を作り出すことばかりに終止するというよりは、内声部に耳をよく傾けながら、そこにある豊かな歌を引きだそうとするかのような、内面的な掘下げに注力しているように感じる。

 バッハ 「主よ、人の望みの喜びよ」     ヘンデル 「調子のよい鍛冶屋」
 ベートーヴェン 「悲愴」第2楽章       シューマン 「トロイメライ」
 ブラームス 「間奏曲」と「ワルツ」       メンデルスゾーン「ヴェニスの舟歌」
 ショパン 「雨だれ」「ノクターン」        リスト   「ためいき」
 リャードフ 「舟歌」               ドビュッシー 「アラベスク」「月の光」
 ドビュッシー 「亜麻色の髪の乙女」     サティ  「ジムノペディ」

有名曲ばかりで、普段はこれらを真剣に聴く機会ってあまり持たない自分であるが、何度も繰返し聴いてしまった。真摯なピアノなのである。
オペラや声楽ものが好きな私にピタリとくる、歌心をもったピアノに感じるのである。
ヘンデルの曲を、こんなに大真面目に聴いたことはこれまでなかった。
なんだか、すごくいい曲なんだ。このCDを聴いているとそんな思いになってくる。
どれも「いい音楽だ!」と実感させてくれる。 
 とりわけ気にいったのが、リストにリャードフ、ドビュッシーかな。

彼女は、現存するドイツの作曲家「クルト・シュヴェーン」の音楽の演奏にも心を傾けているという。残念ながら、シュヴェーンはまだ未知の作曲家。
交響作品から器楽、オペラまでかなりの作品を書いているらしい。
是非にも聴いてみたいものだ。

それから、エリカさんは、ただいまレコーディング中で、来年国内メジャー・レーベルからの発売が決まっているらしい。 
きっと、ユニークな地位を確保し大成する、素適なピアニストに思う。
大いに応援したい。               

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コメント

おお、ついについに(笑)
Yさんにしては絶賛ですね。
ご本人、素敵な方ですよ~

そういえば、私も先週さっぽろに出張してました。
北海道は空気と水かきれいでいいですね。

投稿: まっちゃん | 2007年9月28日 (金) 08時55分

おお、ついにですよ!
彼女の音楽性は実にいいです。
おおいに気にいりましたよ。
素晴らしいピアニストを紹介してもらいました。

転勤地ベストワン、帰りたくない転勤地ベストワン、やはり札幌ですねぇ~。
逆のワーストワンは、H・・・・・・・らしいですな。

投稿: yokochan | 2007年9月29日 (土) 00時50分

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