R・シュトラウス 家庭交響曲 プレヴィン指揮
以前、寄り道した伊勢、二見浦の夫婦岩。
この間からのご来光は、いかにも神々しい雰囲気を想像させるが、こうした世界は、わたしには何とも・・・・。
周辺になぜか、蛙の置物がそこここに、あって妙な雰囲気。
三重も松阪以南になると、なかなかゆったりとしていて、雰囲気もよろしい。
男岩の方が異常に大きく、夫婦仲良くとは行くのかしら・・・・。
今日のプレヴィンは、ヨハンでなく、リヒャルトの方のシュトラウス。
お得意の分野で、テラークとのシリーズを引継いだ、DGによる録音の「家庭交響曲」。
まず、95年のムジークフェライン録音がまったく素晴らしい。
ホールの豊かな響きをリアルに捉えつつ、各楽器が目の前に展開するリアリティに耳を奪われる。
こんないい音で聴くシュトラウスは、ほんとに快感を呼ぶ。
家庭交響曲は、シュトラウス円熟の作品に思われがちだが、作者39歳の作品。
オーケストラ作品は、ほとんど書き尽くし、以降はオペラの世界に没頭していく。
15作あるオペラの、サロメの前作にあたるから、ちょっとびっくり。
サロメもエレクトラも、まだ書かれていない。
私はあざといシュトラウスの交響作品の中にあって、この家庭交響曲がかなり好きだ。
後年のオペラの先駆け的な響きに満ちているから。
描写的な音楽を描く、技巧的な作曲能力はもう完璧といってもいい。
子供の騒ぐ様子や、子供が伯父・伯母をみて両親にそっくりという場面まで、音楽として表現されてしまう。夫婦の愛の語らいや、いさかい・・・・、最後には、家族楽しく、にぎやかな結末を迎える。
そう、これは「影のない女」を思い起こさずにはいられない。
音楽の近似性もあるし、共通の旋律も見出すことができる。
プレヴィンとウィーンフィルは、やわらかな響きと、切れ味の良さとともに、抜群の語り口でもって、シュトラウス一家の家庭の様子を垣間見させてくれる。
何も人の家庭を覗く趣味はないが、この素晴らしい音楽による覗き見だけは、やめられない。(ああ、こんなこと書くと悪質なTBが・・・・)
この作品は一番人気がないかもしれないが、プレヴィンはメータ旧盤、マゼール旧盤、ケンペとともに、私の大好きな1枚。サヴァリッシュ、カラヤンもいずれ、じっくり聴いてみたい。
シュトラウスのオペラ好きの方に、この「シンフォニア・ドメスティカ」、是非お薦め。
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