« 砂浜が消えた | トップページ | ブルックナー 交響曲第4番「ロマンテック」 バレンボイム指揮 »

2007年10月 1日 (月)

大友直人 京都市交響楽団 エルガー

Img_2  京都でエルガー! 
なんと心地よい雰囲気なのであろうか!

チェロ協奏曲と交響曲第1番、この素晴らしいエルガー・プロを見過ごす手はなかった。
エルガーをはじめとする英国音楽を得意とする大友さんは今期限りで京都市交響楽団を勇退することになっているため、京のエルガーもあまり聴けなくなるとの思いもあった。

まずは、初めて訪れた京都コンサートホールの立地環境とそのレスポンスのよさに感心。
雰囲気ゆたかで、エントランスからロビーまでのアプローチがスロープの回廊となっていて実によろしい。

協奏曲のソリストは、若い横坂君。
まだ紅顔の21歳は、しっかり曲に没頭しながらも、フレッシュで感性豊かなチェロを聴かせてくれた。
早いパッセージの連続する2楽章では、技巧の冴えが素晴らしかった。
これから才能をさらに開花させることであろう。
大友氏は、息子をいたわるようなバックを優しくつとめていた。

休憩後の交響曲第1番は以前披露した、私のベスト音楽の交響曲部門のトップを飾った曲だけに思い入れは深い。
ティンパニに導かれて始まる循環主題が序々に盛り上がって全奏に至るとき、私はいつも感動でわなわなとなってしまう。そして曲の最後に情熱を込めて、この主題が現れると涙がちょちょ切れてしまう。
 大友/京響は、こうした名場面でも、それは見事なもので、前列で鑑賞しただけに、指揮者もオケも渾身の力演が実感できた。
大友氏はいつもジェントルな印象が優先するが、この日は作品への思いが爆発したかのような熱さで、2楽章のリズム刻みの確かさ・力強さ、3楽章のノスタルジーに浸るかのような美しさも見事。3楽章の最後で、ホルンが2度、こだまのように合いの手を入れるが、この場面はこれまで聴いた中で一番素敵な演奏に思った。
 最終場面で涙したのはいうまでもない。

Kyoto 京のエルガーを堪能した稀有の昼下がり。
晩には、先斗町でまったりと一杯。

カフェでおいしい食事と、初京響・初ホールをエスコートしていただいた関西ブログ仲間に感謝。
ちなみに、この記事Cafe ELGARさんで仕上げてます。
おいしい紅茶とご主人の楽しいお話とともに。

|

« 砂浜が消えた | トップページ | ブルックナー 交響曲第4番「ロマンテック」 バレンボイム指揮 »

コメント

イヤイヤ。
今回は思わぬ偶然、ありがとうございました。
大友氏の演奏には今までツキが無かったのですが、ようやく納得の行く演奏に遭遇できまして、日本GPを犠牲にしてまで行った大決断が報われました。
11月、行かれますか?
もし参戦ならお供しようかな・・・?

投稿: リベラ33 | 2007年10月 1日 (月) 21時36分

リベラさん、ほんまに奇遇で驚き!
おかげで楽しい京響デビューが飾れました。
大友さん会心の演奏ではなかったでしょうか。
11月、超前向きでおります。行ってしまうでしょうな!

投稿: yokochan | 2007年10月 1日 (月) 22時21分

 ご光来賜りありがとうございました。例のコンサート、詳細は下記の通りです。

 http://www14.plala.or.jp/cocoro-ne/sub1.html

投稿: Cafe ELGAR 店主 | 2007年10月 2日 (火) 08時06分

大変ご無沙汰しています。なんとなんと、コンサートホールにおられましたか。名古屋からお越しで・・・。
前列だと熱演の様子・迫力もすごく伝わるのでしょうね。
大変感動された由、京響のここまでの成長を認めていただいて、京響発足当時から知っている京都人にとって、大変
嬉しい想いがいたします。私は2階の左で聴いていました。
第一交響曲は数年前にも聴きましたが、あの時はもっと
おおまかな演奏に思えました。その点、今回は本当に
すばらしく良かったですね。

投稿: | 2007年10月 2日 (火) 09時21分

Cafe ELGAR店主さま、先般は楽しいひと時をありがとうございました。遠来の愛好家が集う、いい雰囲気でした。
時間が迫りバタバタと失礼しました。

コンサートのサイト拝見しました。
是非とも伺います。無理ムリ仕事を仕立てます。
しっかりお名前が登場してますね!
11月も頑張って参上しようかと企ててます。

投稿: yokochan | 2007年10月 2日 (火) 18時07分

丘さん、こんにちは。
おそらく丘さんの下あたりでウルウルしていたのが私です。
横浜あたりもそうですが、あのように素晴らしいホールとオケがあって、京の方がうらやましいです。
また行ってしまうかもしれません。
是非ご挨拶させてくださいませ。

投稿: yokochan | 2007年10月 2日 (火) 18時12分

わざわざ京都まで、大変お疲れ様でした。
楽しんでらした様子で、市民として嬉しい限りですが、私としてはイマイチ解りにくいもので、少々頭を抱えてしまいました(汗)
チェロコン一楽章と、シンフォニーのティンパニーの出だしはとても印象深かかったです。
11月定期でお待ちしております!

投稿: 佐都 | 2007年10月 3日 (水) 22時34分

佐都さん、どうもお世話になりました。
確かにエルガーの長大な交響曲は、なだらかでとらえどころがないかもしれません。そこがまた好きな、おかめ八目のワタクシです。ですから、11月もいきますよ!

投稿: yokochan | 2007年10月 3日 (水) 23時46分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 大友直人 京都市交響楽団 エルガー:

» 京都市交響楽団第504回定期演奏会 [守口フィラデルフィア管弦楽団研究会]
うう〜ん。 遂に念願叶って京響の定期に行ってみたぜ。 苦節22年。志してからの年月は阪神の優勝やブラ壱の作曲よりも長くかかってしまった。 エルガー  チェロ協奏曲 エルガー  交響曲第1番 横坂 源(Vc) 大友直人/京都市交響楽団 今日の京響...... [続きを読む]

受信: 2007年10月 1日 (月) 21時38分

» 京響のエルガーを聴く [音に巡る想い]
昨日は京響の定期演奏会を聴きました。 エルガーのプログラムで、チェロ協奏曲と第一交響曲。 LP盤では全く知らなかったエルガーを最初に聴いたのは FM放送での第一交響曲で、かなり感銘を受けたのであった。 もう20年も前のことになり、且つ、このことについては、ブ... [続きを読む]

受信: 2007年10月 3日 (水) 13時29分

« 砂浜が消えた | トップページ | ブルックナー 交響曲第4番「ロマンテック」 バレンボイム指揮 »