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2008年3月28日 (金)

ブラームス シェーンベルク編曲 ピアノ四重奏曲第1番 ツェンダー指揮

Sengaku_temple今日の午後、職場を抜け出して「岳寺」まで歩いてみた。
京急線一駅だから、歩いて20数分。こんなに近いとは思わなかった、初めての泉岳寺。
思ったより、こじんまりとしている。
むしろ気になったのは、都会ゆえしょうがないが、学校や隣家が迫っていること。
相変わらずマンション建設も盛んで、中層の建物だらけ。
 でも桜はご覧の通り美しく、四十七士のお墓も静かに佇んでいた。

Sengaku1 Sengaku2

義士の墓石は、お預け先ごとに並んでいる。
かれらの先祖や家族と別れ、義士同士。
墓の写真も撮ったけど、ここでは配置図ときれいな桜だけ公開。
赤穂浪士が好きな方、クリックしてお楽しみください。
私も結構好きなのよ。
いろんなプロダクションがあったけど、中学(高校?)時代見た三船敏男の大忠臣蔵が一番だな。
よく泣いたもんだ。

Brhams_schonberg

ブラームスピアノ四重奏曲第1番は、1861年の作品で、晦渋な雰囲気を持ち、難曲ともされ、とっつきはあまりよろしくない。
その76年後の1937年、シェーンベルクが大オーケストラ曲に編曲した。
そして曲は、ブラームスの交響曲第5番とも呼ばれるような風格溢れるユニークな作品に変貌した。

シェーンベルク(1874~1951)はブラームスやJ・シュトラウスが好きだったらしく、ブラームスを通じてモーツァルトのリリシズムや起伏あるフレーズ、切り詰められた構造、組織だった作曲技法などを学んだと言っている。

この曲は、ブラームスの曲だから、どこから聴いても立派なブラームスだけれど、その響きは、新ウィーン楽派の眼鏡を通して見たものになっているところが、実に新鮮。
打楽器がじゃかすか鳴るし、弦の透明で頼りないくらいの鳴らし方も甘味さを誘う。
金管も管も唖然とするくらいに活躍する。
だが、3楽章を黙って聴くと、3番の交響曲の緩徐楽章と兄弟のような雰囲気でホンワカとなる。でも終楽章では原曲のジプシー舞曲風のリズムが、さらに拡張されたかのように、熱いフィナーレを迎えることとなる。
実に面白い曲なのだ。

今日のCDはかなり前に購入したもので、まだ「ユンゲ・ドイツ・フィルハーモニー」が大活躍していた78年頃のもの。かつてDGから出ていたと思う。
若者オケとしては、同時期にアバドが設立した「ECユースオケ」や同じアバドの後の「マーラー・オケ」などの方が高名になってしまった。
若くてハツラツとしたサウンドは、味は薄いがいやに鮮度が高い。
作曲家でもあったハンス・ツェンダーの的確な指揮で、ブラームスというよりは、かなりシェーンベルク寄りの音を奏でている。
ツェンダーは亡くなってしまったが、バイロイトでも指揮した人だと記憶する。
もう少し長生きしていたらブーレーズのようになったかも・・・・。

カップリングのベルティーニ指揮のマーラー10番も相当いいがコケまくり。

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コメント

yokochanさま お早うございます 

このCD、面白そうですね
朝から検索しましたが、どうも廃盤みたいですね;;
残念です~;;

中古屋さんを探すとあるかもしれませんね~
シェーンベルクがどんな編曲をしているのか、知りたいものです~。

ミ(`w´)彡 

投稿: rudolf2006 | 2008年3月28日 (金) 07時36分

rudolfさん、こんばんは。
おそらくこのCDは廃盤です。オケのHPには置いてあるかもしれません。いい組み合わせの1枚です。

好きな人のあいだでは「ブラ・シェン」とか呼ばれて人気の曲のようです。
ラトルやエッシェンバッハ、準メルクルなどが出ているはずです。是非お聞きください。目からウロコですよ(笑)

投稿: yokochan | 2008年3月28日 (金) 18時35分

 yokochan様今晩は。
 私はMTTがバイエルン放送響を指揮したCDをもっています。1985年のライヴ録音です。90年ごろに買ったのですが、今は廃盤かもしれません。MTT盤はシェーンベルクが編曲したバッハのオルガン曲2曲も収録されており、それも名編曲で名演奏です。準メルクルが録音していたのは知りませんでした。

投稿: 越後のオックス | 2008年11月 8日 (土) 21時24分

越後のオックスさん、こんばんは。
毎度ありがとうございます。
MMTとバイエルン!ありましたね。MMTは、というかソニーはけしからんレーベルで廃盤だらけです。

準メルクルはN響ライブです。
ともかくおもろい編曲です。
土曜は、シェーンベルク三昧でした。

投稿: yokochan | 2008年11月 9日 (日) 01時25分

ハンス・ツェンダーは健在ですよ

投稿: null | 2009年12月 5日 (土) 10時41分

nullさま、はじめまして。
いやぁ、すいません。
故人にしてしまいました。
先日も活躍中の歌手を死んだことにしてしまい、お叱りを受けました。
歳とると思い込みが激しいもので、マデルナとごちゃごちゃになったかもしれません。

投稿: yokochan | 2009年12月 5日 (土) 12時07分

ご挨拶も欠いた突然の書き込みで失礼致しました。

ツェンダーは本国を中心に各地で指揮活動も続けているようで、自作やコンテンポラリーに古典派やロマン派を取り混ぜた不思議なコンサートプログラムを時折見かけます。また日本に呼ぼうという招聘元は無いものでしょうか。
齢70を過ぎて今も壮健なツェンダーは、ひょっとすると向こう数年くらいで最高位の現役巨匠扱いになるのでは、などということを夢想しています。

投稿: null | 2009年12月 6日 (日) 16時25分

nullさん、コメントご丁寧にありがとうございます。
ツェンダーがお好きなのですね。
亡きものにしてしまい、本当に申し訳ありませんでした。
N響に来演したおりはFMで聴きましたのと、ベルリンフィルを指揮したウェーベルンの放送(74年)もいまだに持ってます。
あとバイロイトでパルシファルを指揮してますね。
たしかに、この方は個性的ですし、巨匠の扱いを受けるにたる指揮者かもしれません。
私も注目することとします。

投稿: yokochan | 2009年12月 7日 (月) 01時14分

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