ブリテン バレエ「パゴダの王子」 ブリテン指揮
このところ寒い関東。
おまけに今日は台風ときたもんだ。
中国は大地震だし。
どーなっとるんだ?
どーなっとる、といえば、わが、へっぽこ「ベイスターズ」。
着実に負けを重ねていて、なんの期待もしなくなった矢先、金満虚珍に本日サヨナラ勝ちしてしまったヨ。
裏切り野郎のク○ーンを打ったし、虚珍に反抗せんとする仁志君の一振りで決めた。
あたしゃ、久しぶりにうれしいよ。
G党の方、すいませんね、たまにはお許しください。
まぁ、今日だけですから・・・・トホホ。
こちらは、恵比寿ガーデンプレイス。
今日は、ベンジャミン・ブリテン(1913~1976)のバレエ音楽「パゴダの王子」を。
未発表の作品も含めて多作家だったブリテン。
オペラ系統の作品は17も作ったのに、同じ舞台作品でもバレエは、この一作だけかもしれない。
やはり、ブリテンは声に対するこだわりが強かったし、ピアーズの存在が何といっても大きかったのだろう。
全3幕、100分の大作である。
こうした未知の曲の場合、国内盤の解説は実にありがたい。バレエの筋を知ったうえで、細分化されたトラックで確認しながら聴くと、ブリテンの音楽の素晴らしさがよく理解できる。地方のHMVで見つけて購入したが、もう廃盤かもしれない。
第1幕
古代王国の宮殿、イバラ姫とバラ姫が住み、王位継承者の姉イバラ姫のもとに、世界中から求婚者が現れる。東西南北の4人の王である。
尊大で性格の悪~いイバラ姫は、彼らに好意を示さない。
そこに心優しく美しいバラ姫が現れ、王たちも見とれる。これを見た、皇帝とイバラ姫は、怒りバラ姫をいびる。
そして、あらたな客人の訪問。なんと、4匹の蛙たち。蛙は箱を届に来て、これを空けることのできたバラ姫に、箱の中からバラの花が現れ、姫は受け取り、送り主の王子に会いにいくため黄金の網の中に入る。
第2幕
網が舞い上がり、空気・水・火の世界を旅するバラ姫。
やがてパゴダの王国に到着するが、その国の人々は身動きひとつしない。
姫が人々に触れると、回り出す。愛想よい人々の歓待を受けるが、目隠しをされる。
やがて、火トカゲが登場するが、そのトカゲの醜い皮を脱ぐと美男の王子で、ふたりは恋に落ち優美に踊る。
しかし、目隠しを取ると再び火トカゲに戻り、姫を追いまわす。
第3幕
かつての王国では、イバラ姫が王冠を手にして父王を追放し幽閉している。
裏切られた父は悔やんでいる。
そこへ、バラ姫とそれを追う火トカゲがやってくる。
イバラ姫は、そのふたりを命じて捕らえるが、バラ姫は火トカゲを助けてくれるように懇願し、抱きしめる。ここで、火トカゲは再び王子となり、王国は滅び去る。
王子とバラ姫、皇帝とバラ姫をかつて助けた気のやさしい道化は、パゴダの国に赴き、民衆たちも自由を得る。ここで愛と自由をたたえて、数曲ディヴェルティスマンが登場人物たちにより踊られ、王子と姫は愛を誓い、明るいフィナーレを迎える。
ベンジャミン・ブリテン指揮 コヴェントガーデン王立歌劇場管弦楽団
(1957年録音)
以上、CDの解説を参考にさせていただき、超概略。
1956年の作曲で、ブリテン43歳。相変わらずの早熟ぶり。
チャイコフスキーのバレエ音楽を徹底的に研究したこともあり、堂々たるグランドバレエ様式になっていて、音楽はプロコフィエフのようでもあり、ストラヴィンスキーのようでもある。
だが、やはりそこはブリテン。新鮮な響きが満載である。
日本も含むアジア旅行を経て、各地の民族音楽や芸術に感銘を受けたブリテン。
ここでは、第2幕のパゴダの国の民衆の場面に、バリやインドネシアを思わせるガムランの音楽を見事に取り入れている。鐘やドラムがどんガラ鳴り、チェレスタがエキゾチックに響く。この場面は、誰が聴いても気に入ってしまうはず。思わず体が動く。
こうした特長的な場面はほんの一例ながら、ライトモティーフを採用した音楽は、ある意味わかりやすく、ドラマの理解の助けにもなっている。
一部のオペラ作品は難解で、ちょっと着いていけない雰囲気もあるが、この「パゴダ」は、わかりやすく、ドラマテックで斬新かつ楽しい音楽なのだ。
最後の洒落たエンディングも心憎い。
このひと月、この曲を何度聴いたかわからない。
お気に入りのブリテンの曲になりそう。
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コメント
こんばんは。
ブリテンのこの曲は全く聴いたことがありません。
>音楽はプロコフィエフのようでもあり、ストラヴィンスキーのようでもある
>バリやインドネシアを思わせるガムランの音楽を見事に取り入れている
ものすごく聴きたくなりました!!
廃盤ですか?
投稿: しま | 2008年5月14日 (水) 23時39分
しまさん、こんばんは。
私も今回はじめて聴きました。そして大いに気に入ってしまい、何回も聴いてます。
忘れられない旋律やリズムが、寝ながらでも、頭の中でなりつづけてます。
そんなナイスなブリテンの音楽ですが、当盤はやはり廃盤のようですが、根気よく探すと店頭にあるかもしれません。
あと、外盤で、スラトキンとBBCのシャンドス盤があるようで、そちらはマクフィーとかいう作曲家の「バリ島の儀式の音楽」がカップリングされていて、とても良さそうです。
「パゴダ」は、ブリテン好きなら気にいること請け合いですよ!
投稿: yokochan | 2008年5月15日 (木) 00時22分
ヴァージン=EMIでは、オリヴァー・ナッセンが指揮したディスクがありました。
しかし、この方面では、あちきがフランス音楽に執心する以上にyokochanさんのイギリス音楽への執念が伺えまする。
でも、聴きたくなってきたなぁ・・・。
投稿: IANIS | 2008年5月15日 (木) 00時47分
IANISさん、まいどです。
一時は、英仏ともに極めようかとも思ったときもありました。
でも仏は、食とワインもなんて、食い気&色気をだしたら大怪我しそうになったので、英国一本に絞りました。そんな訳で、仏はIANISさんに、全面的にお任せです(笑)
「パゴダ」はナッセン盤もあるのですか!
興味大です。
この曲、ホントにナイスですよ。ブリテンらしいけど、らしくないところがまたいいのであります。
投稿: yokochan | 2008年5月15日 (木) 11時37分
ご無沙汰しております。
この曲全く知りませんでした。
内容はとても面白いので是非購入してみたいと思います。
投稿: おぺきち | 2008年5月16日 (金) 05時22分
おぺきちさま、こんばんは。こちらこそご無沙汰です。
自分でも、かなり絶讃しちゃってますが、実際、なかなかの桂曲だと思います。
あら筋も面白いでしょう?
エキゾシズム満点で、最近は寝ながらも、頭の中で、この音楽が鳴ってます(笑)
投稿: yokochan | 2008年5月16日 (金) 22時55分