R=コルサコフ 交響組曲「シェヘラザード」 ロストロポーヴィチ指揮
昨日は、福島の浜通り(太平洋側)へ、自宅の千葉から車で日帰り出張。片道約250kmは、なかなかハードだったけど、雷雨が去ったあとの空は気持ちよかった。
こちらは、昼休憩に訪れた福島原発に隣接する展望所。
すっきり晴れていれば海と空がもっときれいだっただろう。
でも風が吹き抜けて、波の音が近くに聞こえてとても気持ちがいい場所。目をあと10度くらい左に転じると、原発が見える。
今日も夕方から雷雨。どーなってんだ?
「歌入り交響曲」は、終末はお休みして、悪天候のもやもや気分を打ち払おうと、爽快な管弦楽曲を。
おなじみR=コルサコフの「シェヘラザード」をロストロポーヴィチ指揮のパリ管弦楽団の演奏で。
この名曲を聴くのは、1年ぶり以上。
エキゾテックなメロディに華麗なオーケストレーション。わかっちゃいるけど、体には毒と思いつつケンタッキーフライドチキンのように、無性に食べたくなる日がやってくる。
今日がその日だった。
しかも数あるCDの中から、さわやか演奏を避け、一番濃ぃ~ロストロポーヴィチのものを手にしてしまった。
74年のこの録音。当時高校生だった私は、メータとロスフィルのレコードを持っていたので、買えなかったが、FM放送を録音し、パリ管の管楽器の名人芸を唖然とした思いで聴いた。その後20年を経て購入したCDは10年前。
じっくり聴けば、華やかさというよりは、旋律の節々に思いの丈を込め、緩急の幅を大きく付けた自在な演奏であった。 全曲は約47分かけていて、通常44分くらいの演奏が多いので、時間的にもちょっと遅めに感じる。遅さが体感できるのは、シェヘラザードのテーマの扱いが濃密であること。当時のパリ管のコンマス、ヨルダノフのソロが実に味わい深いものだ。
それと、全曲を通じて、旋律の明渡しや、歌い終わりにリタルダンドがかかること。
このあたりを濃いと感じるか、味わい深いと感じるかで、この演奏の印象が異なるが、私は今時こんなロマンテックな演奏は聴かれないので、非常に楽しく聴いた。
昨今は、オペラにおいても無用な感情移入は避ける傾向が多いので、大胆ともとれるロストロポーヴィチの濃口の解釈は異質ながら面白い。
終楽章のものすごいテンポの煽り方はすごい。オケがそれでも平然と着いていく。
当時の管の名手たちの顔が浮かぶようだ。情念のかたまりのような音塊にタジタジとなる。
ロストロポーヴィチはパリ管から、フランス国立管に活動の場を移してしまったので、ロシア管弦楽曲集とともに、貴重な1枚がこのシェヘラザード。 こちらが、オリジナルジャケット。
シャガールの絵が、いかにもパリっぽい。
亡きロストロポーヴィチのEMI録音は廃盤が多い。
チャイコフスキーは復活したが、このCDやエウゲニオネーギン、ムツェリンスク、ドヴォルザークなど、どうしたことだろう!
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コメント
おはようございます。
この演奏は知人宅で聴かせてもらったのが最初でした。
最初の音からバァーンときてのけぞりました。
どえらくシンフォニックで濃厚でドスが効いていて・・・
一度でお腹が一杯になったような気分でした。
私も同じジャケットのCDを石丸で買いました。
やはり、10年前くらいだったかもしれません?
投稿: 天ぬき | 2008年8月31日 (日) 09時59分
天ぬきさん、こんにちは。
>一度でお腹が一杯になったような気分でした<
ほんとに、そうですね。
今ではユニークな演奏スタイルかもしれません。
実は私も石丸で購入しているはずです。
ロストロポーヴィチの75歳かなにかの記念アンソロジーだったかと思います。
久しぶりに聴いて、とても楽しかったです。
投稿: yokochan | 2008年8月31日 (日) 15時26分