シマノフスキ 交響曲第3番「夜の歌」 ドラティ指揮
ご存知、伊勢名物、「赤福」。
お互いいろいろあったけれど、なんだかんだで、北の「白い恋人」とともに、最強のお土産銘菓ではなかろうか!
赤福の原点は「赤心慶福」と株式会社赤福のHPに書いてありました。
商売をやる人間にとっては、心に刻むべき言葉かもしれませぬ。
亡父が、長らく名古屋に単身赴任をしていた。
週末に帰ってくるときは、名古屋のお菓子を鞄に詰めてやってきた。名古屋のお菓子は重たいものばかりなので、父の鞄はズシリと重かった。「赤福」「きよめ餅」「両口屋是清」「なごやん」「大須ういろう」・・・・、次から次に楽しんだもんだ。
父が退職後、私が今度は名古屋行きの辞令が出てしまい、週末のお菓子運搬を引継いだ。今は、義弟が名古屋に赴任し、現地婚をして名古屋人となってしまった。
たまの帰還のお菓子も赤福である。変わらぬ味。
でも「海老ふりゃぁ・シュークリーム」や「ばかうけ手羽先味」「きしめんパイ」・・・、なんだか最近の面白お菓子に人気は移りつつあるのか。軽いし・・・・。
名古屋にいた頃の、お客さんへの土産は、重くてがさばるものが重宝された。
間違っても、軽~いミルフィーユのような洒落た洋菓子はいかんかった。
名古屋でも、今はもう昔・・・・。
歌入り交響曲。
ポーランドのシマノフスキ(1882~1937)の交響曲第3番「夜の歌」は1916年の作品。
シマノフスキは、遅れてきたような作曲家で、実はすごいカッコいい作品を書いたのに、全然見向きもされなかった。
ひとつには、ポーランドという国に地味さ加減もあるし、北欧のような熱烈な独立運動と音楽が結びつくことも近世においてなかったからかもしれない。
そして、シマノフスキの多面的な捉えどころのない変転する作風によるところが大きい。
あまり多くを聴いてはいないが、ショパン風あり、シュトラウス風あり、スクリャービン、ドビュッシー、ストラヴィンスキーあり、という具合に色んな味わいが横溢する。
ただひとつの括りで言えば、まぎれなく後期ロマン派で、ワーグナーとマーラーの流れをしっかり引き継いでいる。
交響曲は4曲残したが、3番は、13世紀ペルシアの詩人「シャルラディン・ルミ」の神秘的な詩をテキストにした、テノールに合唱を擁するカンタータ風の作品である。
ポーランドを出て各国で見聞を広め、古代ギリシアや東方・アラヴについても没頭した。
そしてドビュッシーを始めとする印象派音楽にも大いに触発され、この曲には、それこそ、いろんな要素がしっかり刻み込まれている。
まず感じるのは。スクリャービンの神秘主義的な響き。これが一番強烈。
誰しも、これをスクリャービンと思うこと必至。
そして、ドビュッシーの精妙かつ印象主義的な模糊とした雰囲気もある。
意外に感じられないのが、シュトラウス風の甘いロマンティシズムで、その作風はこれよりも前の1番や2番の交響曲に聴いてとれる。
大まかに3つの部分に分かれる単一楽章形式。
25分ほどの音楽だが、その緊張感とまがまがしい雰囲気、そしてミステリアスな夜を歌う独唱や合唱に魅力を感じる。
ドビュッシーの夜想曲とスクリャービンのプロメテウスを足して割ったような音楽。
名匠ドラティが何故に、この1枚を録音したのかわからないが、さすがに明確で音楽の運びがしっかりと聴こえる。デトロイト響のうまさも充分感じとることができる優れもの。
あと他の演奏では、シマノフスキのスペシャリスト、ラトルの演奏はドラティが譜面を精確になぞった以上に、音楽への共感と思い入れが強い。
由緒あらたかな「赤福」
お伊勢さんへの、お抜け詣り、父が名古屋にいた頃に行ったことがある。
高校卒業の頃だったか、五十鈴川の清冽さを覚えている。
きっともう行かないだろうな。
出雲とともに、独特の雰囲気に満ちている。
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コメント
こんばんは。おはようございます・・・かな?
時間的に微妙(サッカー観戦中)なんですが。シマノフスキの「夜の歌」、いいですよね~~。ドラティ盤??
で、何故に赤福。どっちも好きですけど。
投稿: naoping | 2008年9月 7日 (日) 05時13分
naopingさん、おはようございます。
同じ球技でもサッカーには疎いもので、すやすやと眠っておりました。
シマノフスキといえば、naopingさんですな。
あらためて、貴blogを拝見しましたが、すごいです。
実はワタクシ、これまでエアチェックや借り物ばかりで、初シマノCDがこれなのです。
ドラティ盤はレコード出の時から気になっていた存在でしたし、国内盤(1200円)で対訳も付いてますからね。
それにしても、ビシビシと私の感性にはまる曲たちです。
赤福とシマノフスキは関係ありません。
お菓子と歌入り交響曲をセットでシリーズ化してしまったゆえにであります。ネタ切れゴメンです・・・。
投稿: yokochan | 2008年9月 7日 (日) 09時10分
こんにちは。
「赤福」は土産ものでまれにいただく程度ですが、おいしいですね、大好きです。
「歌入り交響曲シリーズ」は毎回楽しみにしています。作曲者名は知っていても曲の存在を知らないものがほとんどです。すごく勉強になります。
今後どんな曲が出てくるか知りませんが、楽しみにしています。
投稿: よんちゃん | 2008年9月 7日 (日) 09時16分
よんちゃんさま、こんにちは。
赤福はいくつも食べられませんが、熱いお茶とともにいただくと、本当に美味しいですね。
このシリーズ、自分でもとても楽しんで更新してます。
実は私も、こんな作品があったの?の思いで発見した作品もありましたし、音源も存在しない作品もたくさんありました。
でもつくづく思うことは、ベートーヴェンの偉大さとマーラーの普遍性でありました。
後続ご期待ください(笑)
投稿: yokochan | 2008年9月 7日 (日) 13時41分
山下埠頭にできたミュージアム
https://global.toyota/info/themoveum/immersive-vienna/
でみたクリムトが凄く良くて。クリムトの音楽版について調べたら。よく挙げられるのがシュレーカーの遥かなる響き(抜粋の夜曲も)とこのシマノフスキ交響曲第3番夜の歌とのこと。カラフルな音のモザイクはたしかにクリムト的かもと聴きいるこの頃です。シマノフスキはこれから交響曲第4番、スターバト・マーテル、バレエ ハルナシェまで広げそう。
投稿: Kasshini | 2026年3月10日 (火) 01時15分
横浜でそのような催事が行われているのですね。
まったく知りませんでした。
クリムトといえば、マーラーとそれ以降の新ウィーン楽派、ツェムリンスキーやシュレーカー、門下の人々とつながり連想して鑑賞することが多いですっが、シマノフスキの一時期もまさにそうですね。
あとはスークなんかもそうです。
シマノフスキは好きで、なにげに集めてまして、今年はロジェ王を取り上げる予定でした。
よき情報ありがとうございました。
投稿: yokochan | 2026年3月13日 (金) 21時54分
続きを。ロジェ王、ネットで聴いてこれはBD含めて手に入れなければと思ってます。唐突な春の祭典風。それが耽美な官能に変容してて唖然(20世紀最高のオペラにも挙がるみたいで)。ポーランドのクラフクにも分離派(ウィーン分離派ののれん分け)があり、シマノフスキはそこにいた。つまりは、世紀末ウィーンの中にシマノフスキはいたようなんです。第2期も第3期も好きなのでこの辺にどっぷりと聴き入りそうです。ロシアはタネーエフ、ヒンデミットのオペラも聴きいりながらの。
投稿: Kasshini | 2026年3月17日 (火) 22時36分
ロジェ王はラトルの音盤と、本場ワルシャワのオケのもの、そしてコヴェントガーデンでの映像で視聴中で、年内のブログ化を悠長に目指してます。
ヒンデミットのオペラも、プフィッツナーも、ともかく気になるものばかりで、気が多すぎで困る自分であります。
投稿: yokochan | 2026年4月 5日 (日) 09時58分