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2008年9月17日 (水)

アルヴェーン 交響曲第4番「海辺の岩礁から」 N・ヤルヴィ指揮

Acda0d2 IKEAレストランにて。
スウェーデンの世界的な家具屋さん「IKEA」。
日本再上陸後、船橋、横浜、神戸、大阪そして今秋、新三郷に出店。
世界統一モデルの家具が、家具は一生もの、という思いが根強い日本各地に根付くかどうか。

IKEAによると、東京西部、名古屋、福岡が次の出店候補エリアと。
カラフルな色使いや、自分で組み立てるコンセプトからして、年代的に限られてくるかもしれないが、これからおしゃれを意識する余裕ある世代が増えることで、年代の問題はなくなるかもしれない。
家具ばかりでなく、ファニシングや食器などが狙いだし、直系のレストラン会社の運営するIKEAレストランだけでも、行く価値アリです。
ブッフェスタイルなので、油断してると結構高くなります。要注意。
ワタクシは、遅い昼食でスウェーデンビールを飲んでしまいます。
夜間もアフター6に、ビール100円ですぞ。

それと長くなるのは承知で、もうひとつスウェーデンからやってきたのが「H&M」。
ユニクロにデザイン色を強く持てせたようなローコストカジュアル衣料の強力な業態。
世界第3位の衣料専門店。銀座にまず登場。

Alfven_sym4

歌入り交響曲シリーズ。

アルヴェーン(1872~1960)はスウェーデンの世紀末民族主義的作曲家。
民族音楽の収集に熱心で、故国の風物を歌いこんだ音楽もたくさんあるが、5つある交響曲と合唱作品の数々にその抒情とロマンティシズム溢れる作風を盛り込んだ桂作を残した。
交響曲第4番「海辺の岩礁から」。

まだ見ぬ北欧の風物。
シベリウスの音楽の背景にあるフィンランドの森と泉の弧高の自然とはまた違った印象を持つスウェーデンの自然。
短い夏を惜しみ解放的になり、冬は寒さに閉ざされた明暗の二面性を持つのではないかと思っている。
「夏の海辺の岩礁」を思うだけで、その光景が目に浮かぶ。
短い夏を寿ぐ男女の愛と海の情景を、テノールとソプラノのヴォカリーズを伴なって歌い上げた幻想的な交響曲は、「シンフォニア・エロティカ」ともかつては呼ばれたくらいに、悩ましくも充たされない思いがたくさん詰まった切ない音楽なんだ!
曲の概要は、以前の記事をご照覧くだされ。

Alfven_sym4 私は、この交響曲が大好きで、ちょうどシェーンベルクやウェーベルンから始まり、ベルク、マーラーに行き着いた頃に聴いた。
ウェステルヴェリイとストックホルムフィルに、セーデルシュトレムに売り出し中の亡きウィンベルイが歌ったレコードである。
夜に一人、グラスを傾けながら何度聴いたかわからない1枚で、今はCD化されているのだろうか?

それと、前回記事のナクソスから出たウィレンとアイスランド響の演奏も良かった。
そして今回、ジャケットが素敵なBIS盤を1枚1枚と揃えて楽しんだ親父ヤルヴィストックホルムフィルによる演奏を、歌入り交響曲シリーズの一環として取上げてみた。

1919年完成で、マーラー没後間もなく、欧州は世界大戦後のゴタゴタにあって、ますます世紀末的な退廃ムード蔓延のころ。
その音楽は、まるで、シュトラウスかツェムリンスキーの様相で、それらに北欧的な澄んだ響きと荒涼感を与えたようなムード。望郷のラフマニノフにも近い。
男女のアァ~ァア・・・・、という歌声が悩ましくも切ない。
これまた大人の聴き手に、是非にも聴いていただきたい夜の音楽である。

以前の記事からアルヴェーンの言葉を引用。
「この交響曲は二人の人間の愛の物語と関係があり、象徴的なその背景は外海へ転々と広がる岩礁で、海と島は闇と嵐の中で、互いに戦いあっている。また月明かりの中や陽光の元でも。その自然の姿は人間の心への啓示である。」

北欧系音楽の父(?)ヤルヴィにこの手の音楽を振らせたら文句なし。
でも、レコードで聴いたウェステルヴェリイの指揮によるものは、さらに茫洋としたロマンが立ち込めていたように思う。
クリスティーナ・ヘークマンのソプラノ、ハーカン・アーンショーのテノールは、雰囲気ばっちりの歌いぶりで、陶酔郷へと誘ってくれる。

あぁ、かの国に一度いってみたいものだ(純粋な気持ちでヨ)
スウェーデンという国は、世界的な量販業態をシステマテックに、しかもお洒落に創出することに長けているのかしらん。

過去記事

「ウィレン指揮アイスランド響」

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コメント

先日、会社でIKEAのことを話していたらおばちゃんに「どういう字ですか?」と聞かれました。あの人たぶん漢字だと思っています。

投稿: リベラ33 | 2008年9月18日 (木) 06時15分

リベラさん、まいどどうも。
ははっ、たぶん漢字でしょうね。
「池屋」ですぜ。
私の知り合いも、ある一定年齢以上の方々は、まさに「いけや」とか「いたや」とまで言ってます。

今日、ある田舎のトイレにある張り紙に、「セキュリテーの関係で・・・云々」と几帳面な手書きのものを発見し、微笑みを禁じえませんでした。

投稿: yokochan | 2008年9月18日 (木) 23時46分

なんとも秋の夜に相応しい曲ですねぇ…。私も巨匠ヴェルテルベリの録音をLPとCDで持っています(持っていました)。LPは売ってしまいましたが、CDは大切に手元に置いています。
私も何度聞いたかわかりません。シングルモルトに合う音楽というのでしょうか…。私の大好きなポートエレンのカスクをリーデルのモルト・グラスに少しだけ注ぎ、暖かい部屋でゆつくりとこれを聞く楽しみは、10年以上前の、私のマイブームでした…(笑)。
この父ヤルヴィの指揮もまずまずですし、ナクソスのヴィレン盤も結構いけます。ネーメ・ヤルヴィ盤なら、もう少し落ち着いたラガヴーリンあたりで聞くのが…。ああ、飲んべえなコメントをしてしまいました。
この記事を読んで、またまたとっておきのポートエレンを一杯頂いてしまいました。やりかけていたアレンジはまた明日ということで、今日は休みにしました…罪なアルヴェーンです(笑)。

投稿: Schweizer_Musik | 2008年9月19日 (金) 10時51分

Schweizer Music先生、こんばんは。
何とも、酒の香りあふれる魅力的な示唆に富んだコメントをありがとうございます!
そうそう、そうなんです。アルヴェーンは酒が進みますね。
北欧系の方々は、どうも酒のアテにうってつけのような気がします。
ポートエレンですか、アイラの中でもなかなか手に入らないですよね。私は数日前名古屋でタリスカーを飲んでへろへろになってしまいました。
ウィスキーは実にいいでよね。
今度は日本酒でなく、そちらでご一緒できたら幸いです。
酒の話ばかりでした(笑)

投稿: yokochan | 2008年9月19日 (金) 23時47分

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» アルヴェーン作曲、交響曲第4番「海辺の岩礁より」 [yurikamomeの妄想的音楽鑑賞とお天気写真]
 後輩の同僚が会社を去ると言うことで送別会でありました。  何とはなしに、漠然と荒涼とした岩場を吹きすさぶ冷たい風のような気分でありまして、そんな今日はアルヴェーン作曲、交響曲第4番「海辺の岩礁より」。ゼーダーシュトレームのソプラノとイェスタ・ヴィンベリのテノール, スティグ・ ヴェステルベリ指揮,ストックホルムフィルの演奏で。  この音楽も不健康なのであります。そう思うのです。  アンダー・グラウンドの暗い部屋の中での屈折して押さえられた甘美な時間が氷の上をヘビが滑るような体感温度の低さとサ... [続きを読む]

受信: 2008年10月19日 (日) 10時07分

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