ベートーヴェン 交響曲全集 カラヤン&クリップス
このふたつとも激安全集であります。
カラヤンのDGへの1回目の全集が@1500円也。
クリップスの全集が@1000円。
いずれもHMVにてお買い上げ。
円高の恩恵か、輸入盤が、ガンガン安くなる。
こんな飽食CDの時代、いくら安くされても、買わないように努めていたが、過去に軸足のあるワタクシのような人間もさすがに触手を伸ばさざるをえないふたつのベートーヴェン全集だったのだ。
ついでに、アバドのDVDによるベートーヴェン全集も@3694円で、手にいれましたぞよ。
なんという時代。あんなに高値の華だったレコードが、昼ごはんをちょっと節約するだけで買えてしまうなんて・・・・。
60年代のカラヤンのベートーヴェンにはお世話になった。
カラヤンしか知らない子供。初レコードは、「ケルテスの新世界」と「カラヤンの田園」の2枚をクリスマスに買ってもらった。
その後、何枚かそろえた日本グラモフォンのカラヤンのベートーヴェン。
ついで、1970年、万博の年+ベートーヴェンの生誕200年。
日本コロンビアから出た日本初の1000円レコード。
当時は、通常1800~2000円だったが、その半値のレコードは衝撃だった。
その名も「ダイアモンド1000シリーズ」で、そのシリーズの一環に、ベートーヴェン200年記念のシリーズがあって、「クリップスとロンドン交響楽団」のベートーヴェン交響曲全集が6枚組@6000円だった。
これには、小学生のおいらも驚き。しっかりとしたカートンボックスに入った、真白い装丁のジャケットは廉価盤とはいえ6000円の重みがあり、おいそれとは買えないひと組だった。
このシリーズには、ブレンデルとメータの皇帝を含む協奏曲や、ファイン・アーツSQの弦楽四重奏全集などがあって、なかなかのラインナップを誇っていたし、評論家・大木正興氏も絶賛していたりしたもんだ。
こんな酒飲みの昔話に共感いただけますでしょうかねぇ・・・。
ともかく、当時は、1000円とはいえ貴重だったし、むさぼるように聴きまくったのであります。
いまは、邪念に満ちた大人のワタクシが、6分の1の価格になり、お菓子の箱のような缶ケースに収まったクリップスのベートーヴェンを聴くとき、演奏のどうのこうのでなく、そんな今昔を思ってしまうのであり、それだけで、酒のアテになったりもしてしまうのであります。
いずれ、カラヤンとともに、そのイケナイ大人が聴いた懐かしい全集をレヴューしたいと存じます。
ついでに申さば、この缶入りベートーヴェン全集をば、子供たちにみせて、「ほーら、ウィーンのチョコレートだよぅ」と言ったら、まんまと引っ掛かったものでございます。
本日は手抜きの思い出話でした。
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コメント
新潮社から出た川口マーン恵美「証言・フルトヴェングラーか、カラヤンか」を読み、主席チェリストだったエーベルハルト・フィンケが、
「フルトヴェングラーもカラヤンも響きと音楽作りでは同じだった。フルトヴェングラーは機械嫌いだったのに対して、カラヤンは機械マニアだったという面では違った。」
と語ったことから、フルトヴェングラーとカラヤンの聴き比べをしてみると、テンポ設定では時代そのものだったとはいえ、音楽作りと響きでは同じだったことがわかりました。
そろそろ、日本人のフルトヴェングラー崇拝もいい加減にしてはどうかと感じています。「クラシック アホラシー」でも、「フルヴェン・オタクのアホ、アンチ・カラヤンのアホ」という形でも日本人のフルトヴェングラー崇拝を批判していたこともわかります。
フルトヴェングラーとカラヤンも全体像を見直して、再評価すべき時期に来ましたね。
投稿: 畑山千恵子 | 2009年1月20日 (火) 22時56分
畑山千恵子さま、こんばんは。
ご案内の本、私は以前ダイジェストで読みましたが、ベルリンフィルのOBたちの証言は、驚きとともに、新鮮でした。
私はご多分にもれず、聴きはじめはカラヤンファン、その後はアンチでしたが、それはジャンルによりけりでした。
もっとも嫌ったベートーヴェンやブラームスを長じた今聴きかえしてみると、畑山さんのご指摘とおりに、自分での見直しの時期かなと思いました。
フルトヴェングラーもカラヤンも、どちらもきわめて音楽的で無駄や無理がないですね。
じっくり聴き進めてみたいと思います。
ありがとうございました。
投稿: yokochan | 2009年1月20日 (火) 23時32分
こんばんは みー太です。
大変ご無沙汰しております。昨年は大変お世話になりました。私事ですが、この度ブログを引越しする事にしました。
実は先にブログを削除した所、同じアドレスで私の名前(みー太の音楽日記)で、第三者から別のブログを立ち上げられたました。
現在のリンク先で表示されるブログは、私とは一切関係ありません。
誠に恐縮ですが、今後ともリンクをお願いできるようであれば、以下のアドレスに変更していただけませんでしょうか。
お手数ですが、どうぞ宜しくお願い申し上げます。
また暫らくの間、、HNを「みー太」から「DIGITALCAT」に変更したいと思います。
今後とも、どうぞ宜しくお願いします。
引越し先 FC2ブログ http://digitalcat777.blog123.fc2.com/
投稿: みー太 | 2009年1月21日 (水) 01時05分
こんにちは。
カラヤンのベートーヴェン全集1500円のセットですが、今迷っています。この金額だから食指が動く不届き者です(苦笑)
クリップスの全集が1000円とは驚きです。クリップスが指揮したものは聞いたことがないので、これも思案中です。
投稿: よんちゃん | 2009年1月21日 (水) 09時22分
こんばんは。
カラヤンにクリップスのベートーヴェン、エエですねえ。僕も買いましたよ。もう、安いとなったらすぐに買ってしまうんです。
カラヤンの1960年代の輸入盤全集は昔から廉価盤のような扱いでしたが、今は激安ですね。古いBPOの音が聴ける貴重な全集と思っています。「運命」に「田園」はとても懐かしいです。
クリップスのは買い直しました.恐らく「板起こし」なのでしょうが、以前の「板起こし盤」に比べると、音質は少し向上していました。穏健派のベートーヴェンだと思うんですが、そのダンディさがたまりませんです。
投稿: mozart1889 | 2009年1月21日 (水) 18時41分
こんにちは。若い頃から、カラヤンにもフルトヴェングラーにも縁がなく、もっぱらダイヤモンド1000シリーズやエラート1000シリーズ等のお世話になってきました。最近は、地元の山響の演奏や、客演の若い演奏家のCDを、応援の意味で、レギュラープライスで購入するようにしています。
巷では、演奏家のサインを集めているらしいとの噂もちらほら(^o^)/
投稿: narkejp | 2009年1月21日 (水) 20時19分
みー太さま、こんばんは。
出張していまして、確認が遅くなりまして申し訳ありませんでした。
たしかに、同じ名前のブログですね。
こんなことが行われるとは、困ったものです!
さっそく、リンク表示の変更をいたします。
どうぞ、今後ともよろしくお願いいたします。
投稿: yokochan | 2009年1月23日 (金) 21時43分
よんちゃんさま、こんばんは。
ご返事が遅れまして申し訳ありません。
この激安ベートーヴェン全集、ホント思わず買ってしまいました。聴く暇を作りだすのが至難のワザですが、ボチボチと聴きはじめました。
クリップスの爽快さと、カラヤンの重厚さが意外なくらいに印象的です。
お勧めですよ!
投稿: yokochan | 2009年1月23日 (金) 21時49分
mozart1889さん、こんばんは。
ご返事が遅くなってしまい申し訳ありません。
私も、まったくもってお値段に負けてしまいました。
安かろう悪かろうではないところが、最近の激安盤のすごいところです。
カラヤンの数度にわたる全集は、あまり聴いたことがありませんが、60年代だけは、私も思い入れがあります。
それと、クリップスは、予想外に音がいいです。
板おこしとは思えませんです。
夜ひっそりと、ヘッドホンで楽しむと、本当に心安らぎます!
じっくり聴いていきたい二組でありました。
投稿: yokochan | 2009年1月23日 (金) 22時05分
narkejpさま、こんばんは。コメントありがとうございます。ご返事遅くなってしまい申し訳ありません。
実は私も、最初こそ、レギュラー盤でしたが、ダイアモンドシリーズの発売により、そちらや「コンサートホール」にシフトしたのです。
実に懐かしい思い出です。
山響のCDは、とても魅力的ですね。
シーズン定期のプログラムを拝見しましたが、カリンニコフやエルガーなども組まれていて、触手が動いてしまいます。
タイミングさえ合えば、是非聴いてみたい山響です!
投稿: yokochan | 2009年1月23日 (金) 22時16分
クリップス&LSOの『ベートーヴェン交響曲全集』、確かアメリカEverest原盤でしたでしょうか。輸入盤のバジェットボックス物主体に、約15組を数える愚生のベト全には、実は未だ含まれておりません。何とか一聴してみたいものですね。
投稿: 覆面吾郎 | 2020年7月13日 (月) 10時52分
高音質エヴェレスト盤とされましたが、このお菓子箱盤は、そうでもないです。
現在、バラ売りでSACD化されてますが、お高いです!
レビューを見ると、相当に音がよろしいようで。
投稿: yokochan | 2020年7月15日 (水) 08時05分