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2009年6月27日 (土)

マーラー 交響曲第1番「巨人」 アバド指揮

Ajisai_3

これも「あじさい

実家の庭に咲いている。

墨田の花火」というそうな。
あじさいっぽくないけど、華麗な雰囲気は夏を迎えるのに悪くない。

 マイケル・ジャクソンが亡くなりましたな。
ジャクソン・ファイブの時から知っていたその少年は、80年代にダンスのパフォーマンス付きで大ブレイクした。社会人になった頃だったなぁ~。MTVでさんざん見たもんだ。

そして、もうひとり、アメリカの一時代を思わせる、ファラ・フォーセット(メジャース)も数日前亡くなっている。
そう、チャーリーズ・エンジェルの彼女。
大学時代、日曜の晩の放送がすごく楽しみだった。
アメリカの西海岸の心地よい軽やかなイメージがぴったりで、そのレイヤーズヘアは、誰もがマネした。楽しき大学時代・・・・。
アメリカのドラマも楽しいものばかりで、彼女の夫は一時、リー・メジャースで、サイボーグ人間のかっこよくも人情味あるドラマ「600万ドルの男」の主役だった。

懐かしいなぁ~。
どんどん歳とるなぁ~。
アメリカの一時代を築いたお二人、ご冥福をお祈りします。

そして、記事はうってかわって、メデタイお話に

Abbado_mahler1 この記事が書きあがるころには日付は変わってしまいますが、6月26日は、クラウディオ・アバドの76回目の誕生日。

「さまよえるクラヲタ人」をご覧になっていただいている皆様には、さんざん表明しておりますとおり、わたくしは、アバドの大ファンであります。
ワーグナー・アバド・イギリス音楽・オペラ、そして酒と食>な~んて、プロフィールに書いてありますよ。
それはずっと昔から変わらない、私の音楽の基本。
72年頃から、アバドを聴いて、もう37年。
アバド39歳の頃。わたしゃ中学生。
リングもディーリアスもしっかり聴いてましたよ。

以来、アバドは、ウィーンフィルの首席、スカラ座の音楽監督、ロンドン響の音楽監督、シカゴの首席客演、ウィーン国立歌劇場の音楽監督、ベルリンフィルの芸術監督、という具合に指揮者としてのポストの頂点に登りつめていったのはご承知のとおり。
 自分をあまり主張することなく自然体のアバドは、周りから請われるようにして頂点を極めた慎ましさがあって、逆にポストにしがみつくことなく、あっさり投げ出してしまう潔さもあって、私などはそのもったいない行動にヤキモキしてしまうことが多かった。
サラブレット的な血筋の良さからくる余裕ともとれるが、音楽をすることのみを至上とし、そこに喜びを見出すアバドならではの生き方だと思う。
逆に、アバドを物足りなく思う方からは、優等生としか映らないのだろう。

そんなアバドが好きなのだが、さらに拍車がかかったのは、生死の堺を見てしまった後の、研ぎ澄まされ神がかり的な高みに到達してしまったその凄まじさ。
これまた何度も書くが、東京での「トリスタン」上演と、ルツェルンとのマーラー。
これらは、人生で何度も巡り合うことのできない異常なまでに強烈な音楽体験だった。
ついでにいうと、スカラ座との「シモン」もすごかった!

あわせて、若い人への愛情の注ぎかた。アバドはいくつ若いオーケストラを育てたろうか。
ルツェルンの豪華メンバーもそうだが、一緒に共感しあいながら音楽を作っていく・・・、そんな共同作業の大いなる喜びに、いまだに喜々としているアバド。

今だに若々しい表情を失わない秘訣は、こうした音楽への愛情と、そののめり込み具合なのだろうな。
私も、よたよたしてないで、マエストロにあやかりたいものだ。

Abbado 今日は、超お得意のマーラーから、第1番を。
81年のシカゴとの一度目の録音は、ライブ感あって自在なベルリンフィル就任の後年の録音よりも、まとまりがあって、しなやかかつ、シャープでスリム。
ショルティの剛毅な指揮のもとにあったシカゴが、アバドが振ると強靭さはそのままに、繊細なまでの豊かな歌が溢れだしていたからおもしろい。
 シカゴの意中は、アバドだったというし、ニューヨークフィルからのお誘いにも乗る気だったから、ウィーンのオペラのポストがなかったらアバドはアメリカで長期活躍したかもしれない。
1番は、ロンドン響との来日公演が、火の玉のように熱い演奏だった。
その演奏がこれまでの最高。

そして、今年のルツェルンでは、この1番と4番をメインとしたふたつのプログラムが予定されている。
ルツェルンでのマーラー・チクルスも、今年が終われば、あと8番と9番。
8番は来年、スカラ座に復帰して演奏するので、先が見えてきたというもの。
交響曲も歌曲も、何度も何度も演奏するアバド。
ほんとは、ワーグナーとヴェルディもやって欲しいんだけれど。
それとバッハもね。

まぁ、永遠に元気そうだから、きっと演奏してくれる。

マエストロ・アバド、いつまでも元気で素晴らしい演奏を聴かせて下さい
ワタシモ、ガンバリマス

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コメント

こんにちは。
いつも拝読させていただいております。
6月26日はアバドのお誕生日ということで
私もアバド三昧の今夜です。

クラウディオ・アバド
ほんと素晴らしいマエストロだと思います。

投稿: abbadoi | 2009年6月27日 (土) 00時48分

abbadoiさん、こんにちは。
コメントありがとうございます。
私も貴ブログを拝見させていただいておりまして、アバドを愛する同朋と感じいっております。
それにしてもマーラーの所有音源スゴイですね!

毎年この頃になると、若めの頃の演奏を聴いて思い出に浸っております。

>クラウディオ・アバド
ほんと素晴らしいマエストロだと思います。<
まったくもって、そのとおりですよね。
アバドの音楽や生き方に何度救われたかわかりません。

どうそよろしくお願いいたします。


投稿: yokochan | 2009年6月27日 (土) 11時03分

こんにちは。
アバドは76ですか。CDはもちろんですが昔からFMでもお世話になっているので特に親しみのある指揮者です。
ご紹介のCDが出た頃、LSOとの東京公演やVPOとの(ザルツブルクだったか?)放送がありましたね。私はVPOとの演奏を気に入っていました。

投稿: 吉田 | 2009年6月27日 (土) 17時41分

こんばんは。巨人、マーラー、演奏家。な~んてことになりますが・・・私が手持ちであるベルリン・フィルによる「巨人」はカラヤン亡き後の芸術監督就任したばかりの録音なのか、少し、堅くなっていますね。これは同じベルリン・フィルでハイティングが再録したものと比較しましたが、そちらの方が力強い中にも温もりがあります。アバドのシカゴ響も聴いてみたい。
バーンスタイン、アムステルダム・コンセルトヘボウ管は巨人サウンドといった感じ。恥ずかしながらニューヨーク・フィルハーモニックが初録と知ったが、何度か、同一曲の場合、ドイツ・グラモフォン再録で聴き入ってしまったのか、初録は聴く勇気が入りそうです。アメリカサウンドだけど・・・。
アバドは私が愛聴している演奏家の1人です。
さまよえる「巨人」さまよえるアバド。

投稿: eyes_1975 | 2009年6月27日 (土) 22時42分

吉田さん、こんにちは。
コメントありがとうございます。
ご指摘のFM放送が私が書いたもので、昭和音楽大学のホールの演奏会でした。わたしもウィーンのものと同様、エアチェックしてまして、CDRにしました。レコードが高値でしたのでFMは貴重な存在でしたね。
最近の放送は驚くほど音がよく、CDRにしると本物みたいです。

投稿: yokochan | 2009年6月28日 (日) 15時44分

eyes-1975さん、こんにちは。コメントありがとうございます。

大昔は「巨人・大鵬・卵焼き」いまは、巨人、マーラー、シカゴ?ベルリン、でしょうか?

1番がかつてはマーラー入門編だったけど、最近は、5番や9番だったりでびっくりですよ!

バーンスタインのニューヨーク盤は竹を割ったような勢いある演奏で面白いです。
ベルリンだったら、ハイティンクでしょうか。
アバドのシカゴ盤はキリリとした若々しい演奏で大好きです。
是非聞いてみてください。

投稿: yokochan | 2009年6月28日 (日) 15時59分

いつもありがとうございます。
アバド 、ロンドン交響楽団のマーラー巨人。
これですか?YouTubeにありました。
https://youtu.be/D1_Wwjlaqp0
確かに素晴らしい演奏ですね。
アバドの指揮は、いつもしなやかで爽やかです。
柔らかな指揮とフレージングが魅力ですね。

投稿: よしお | 2018年12月24日 (月) 19時38分

よしおさん、こんにちは、いつもコメントありがとうございます。
ロンドン響との唯一の来日、日本で音楽監督就任も発表されました。
この巨人の前プロは、火の鳥で、昭和女子大の講堂での演奏会でした。NHKテレビでも放送され、女子大生に囲まれた、ワタクシの姿も映ってました(笑)
後年の高みに達した神々しさと違い、当時の若々しい音楽づくりは、ライブで聴くと、その爽快な指揮姿とともに、魅力的なものがありました。

投稿: yokochan | 2018年12月26日 (水) 07時54分

こんにちは。
テレビに映られたのですか?しかも女子大生に囲まれて!
羨ましいです。笑
そのNHKの映像、観てみたいですね。

投稿: よしお | 2018年12月26日 (水) 10時19分

よしおさん、こんにちは。
そうなんです、いまはほぼないですが、当時は、ベーム・ウィーンフィルなども、昭和女子大人見記念講堂で演奏してました。
本ブログでもどこかに書いてますが、「火の鳥」の子守歌で、安らかに眠っていた女子大生たちが、カスチェイの狂暴な踊りの一撃で、みんな飛び起きていたのを鮮明に覚えてます(笑)

投稿: yokochan | 2018年12月27日 (木) 08時32分

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