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2009年8月 4日 (火)

グリーグ 「ペール・ギュント」 ポップ&マリナー

Hamanako浜名湖です。
少し前、車で名古屋出張を敢行したときの帰り。
浜名湖SAからの眺め。
夕焼けスポットだそうな。
何度も書いてますが、日の沈む夕焼けが大好き。
海に、山に、平野に。

Grieg_peer_gynt_marriner

グリーグ「ペール・ギュント」全曲を聴く。
イプセンの劇作品に付けられた劇音楽は全23曲。
そこから8曲が選ばれ、第1と第2の組曲が編まれたというわけ。

この組曲版、中学校の音楽の授業で初聴き。
それもこれも「朝」が一番印象的だった。
いかにも朝のすがすがしい始まりを告げるような音楽は、大人も子供も大好きかもしれない。

長じて大人になって聴くと、ソプラノのついた「ソルヴェイグの歌」が心に染み入るようになり、歌を聴くには、組曲よりは全曲盤を好むようになった。

        ソプラノ:ルチア・ポップ
   
 サー・ネヴィル・マリナー指揮アカデミー・セント・マーティン・イン・ザ・フィールス
                     アンブロジアン・シンガーズ

放浪家、いや北欧の海の男たちは冒険家というのだろうか、そのペール・ギュントを待ちわびるソルヴェイグの心情を歌った名品は、まさに名曲の名曲たる由縁の音楽。
私にとって「ペール・ギュント」の中で燦然と輝く名品。
それが、このCDでは、ルチア・ポップの歌で聴けるわけだ。
ポップの純粋無垢の歌声が、この曲ほど切なく聴こえるものはない。
いつも誉めてばかりのルチア・ポップ。このグリーグも素敵にすぎる。

全部で12曲が選ばれたこちらのマリナー盤。
完全全曲では語りが必要だったり、曲の精度が少し落ちたりなので、まずは順当な選曲。
オケの清涼感とさりげないクールさは、マリナー&アカデミーの真骨頂。
ソルヴェイグの歌は全戯曲で3曲あるが、そのうち終曲にあてられたものは、ペール・ギュントの最後の旅、そう、ソルヴェイグの膝にだかれて死んでゆく。
まさに子守唄。
深淵ではないけれど、優しく、さりげなくも愛おしい音楽であります。

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コメント

こんばんは。実は恥ずかしながら「ペールギュント」の劇版はブロムシュテット、サンフランシスコ響が手持ちです。全部で20曲収められています。「朝」「ソルヴェイグの歌」しか知らなかったが、劇版で聴くことにより、管弦楽編曲された組曲版も歌入りで聴くことができます。ブロムシュテット盤は歌唱陣に北欧の血が入っている。
とくにシベリウスやニールセンに定評があり、北欧音楽のスペシャリストとまで言われています。
梅雨が明けたとはいえ、冷夏の日々が続いています。それでも大作よりもスッキリした劇音楽が最適です。ソルヴェイグの主題はこのまま、夏が終わってしまうのかしら。寂しげな旋律にも聴こえます。(笑)

投稿: eyes_1975 | 2009年8月 4日 (火) 22時39分

eyes_1975さま、こんばんは。
私の「ペール」全曲も、ご指摘のブロムシュテットSFO盤です。絵本付きのCDで、録音が目が覚めるほどよいですね。歌手たちのなかには北欧の方々が入ってますね。
スカンジナヴィア半島の言語はわかりにくいですし、独特の雰囲気が出てます。
伝統的に北欧の歌手はワーグナーが得意ですが、クリアーボイスが多いからでしょうか。

この作品は名曲ゆえ、名演・名録音が多いです。
ホント、寂しい夏で終わらなくてはよいのですが。
特に東北が心配です。
何年もまえ、冷夏のお米パニックがありましたし・・・。


投稿: yokochan | 2009年8月 4日 (火) 23時56分

 今晩は。
 私もブロムシュテット盤を愛聴しています。ニールセンの交響曲と並ぶブロムシュテットのサンフランシスコ時代の傑作だと思っています。セル&クリーヴランドみたいになって欲しかったですね。そのセルが指揮した組曲版も大好きです。グリーグという作曲家、深遠でも重厚長大でもなく、強い自己主張がある訳でもないかもしれませんけれど、心に染み入るいい曲を作る人ですよね。
 「ペール・ギュント」は小学校時代に音楽の時間に初めて第一組曲を聴きました。新世界よりとペール・ギュントのおかげでクラヲタになったのだといっても過言ではありません。思い出深い名曲です。
 エド・デ・ワールトもサンフランシスコ響を指揮してペール・ギュントを録音していたと思うのですが未聴です。父ヤルヴィの完全全曲盤も高校時代から聴きたいと思っているのですがこちらも未聴です。本当にクラヲタにとってお金と時間とCDの置き場を確保するのは大変なことですよね(笑)
 ポップさんといえばクライバー&バイエルンのDVD「薔薇の騎士」に出てくるゾフィーが好きですね。可憐で可愛らしい上に歌唱も抜群です。レニーのDVD「フィデリオ」に出てくるポップさんも何時見ても素敵です。

投稿: 越後のオックス | 2009年8月 6日 (木) 00時21分

越後のオックスさま、こんばんは。
わたしも同じように新世界がこも道への導入曲でございました。
いまや、あれもこれも欲しがる欲深なオタ爺になりました。
サンフランシスコは、おっしゃるように、デ・ワールトとも録音してました。アメリンクが歌手だったかと思います。
きっとさわやかペールだと思ってます。(欲しい!)

ポップは亡くなってしまいましたが、私にとって永遠のアイドルみたいな存在です。
定期的にポップの残した音源を取り上げますのでお楽しみにどうぞ。

投稿: yokochan | 2009年8月 7日 (金) 00時39分

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