ラヴェル 「ボレロ」 アバド指揮
変わり種のたい焼きを。
チョコとかカスタードはよくあるけど、こちらは、「お好みたい焼き」。
あんこの代わりに、お好み焼きの具?が入ってる。
結構お腹いっぱいになります。
@160円。
ほのぼのお好みたい焼き本舗
爆演シリーズ?
燃えなかったゲルギエフの演奏会の反動か、気持ちが「爆」を求めております(笑)
いつも物静かな印象のアバド。
でも音楽への情熱ははかり知れぬほどに熱い。
オーケストラとの共同作業をこころがけ、そこに乗っかっているようでいて、オケのやる気をまんまと引き出してしまう。
だから気のあったメンバーたちと、それこそ興が乗ったときのライブは本当にすごいアバドなのだ。
進化するアバドはいま、ルツェルンを軸に、その重要な構成メンバーである、マーラー・チェンバーと古典専門のモーツァルト・オケの若いふたつの団体と仕事をすることが、楽しくてならないようだ。
オケの若さとアバドの成熟、この相対する要素が、いまだかつてない音楽の領域を切り開きつつある。
この常変わらぬ進行形の姿がアバドなのである。
先月体調を壊して(心臓疾患!)コンサートをキャンセルしているが、大事には至らなかったようで何よりである。
さて、そのアバドがポストを得たオーケストラの中で、一番相性が良かったと思うのが、ロンドン交響楽団である。
もちろん、スカラ座もいいし、ベルリンフィルの後期などはオケの献身も加わって神がかっていたけれど、ロンドン響とはお互い肩肘はらず、若かったアバドがやりたいことをやり、オケが素直に応じているという自然さがよいのである。
83年にこのコンビで来日し、来日中に首席指揮者から音楽監督への就任が発表され、アバドはとても嬉しそうな顔をしていた。
私は、このときの3つのプログラムをすべて聴いた。
①火の鳥、巨人、②不思議な役人、幻想、③ラ・ヴァルス、マーラー5番
どれもこれも燃えたぎる名演だったが、当時マーラーにはまっていたので、マゼール&ウィーンと時をおかずに聴いた5番が、もうむちゃくちゃに素晴らしい演奏だった。
ロンドン響の圧倒的なうまさにも驚きの連続!
そのロンドン響とラヴェルの全集を残したアバドだが、「ボレロ」をメインにしたこちらのCDがその1枚目であった。
アバドのラヴェルは、展覧会とラ・ヴァルスが先行して出ていたが、そちらはムソルグスキー寄りの渋い演奏で、それにラ・ヴァルスは霞んでしまった印象がある。
そして、このボレロを聴いたときの驚き。
ごく普通に、インテンポで始まり、敏感な弱音がいかにもアバドらしいわい、フムフムと思っているうちに、ジワジワと熱くなってくる。
そしてテンポも音圧も徐々にあがってくる。
一瞬アンサンブルが怪しくなるところもご愛敬。
オーケストラの各奏者たちは、もうノリノリである。
ことに金管の明るい輝きは炸裂寸前。
そしてついにやってくる最後の全オーケストラによる咆哮はすさまじく、そこにはこともあろうに興奮した楽員の叫び声が混じっているのだ。その後の急転直下のエンディングはそれこそ大爆発である。
ジャケットの解説に、この時の逸話が挿入されている。
「録音の際、間断なく演奏された主要録音の最後の数小節で、弦セクションの楽団員から自然に叫び声が湧き起こった。これはもちろん楽譜にないことであるが、その効果はめざましく、アバドの要望によりこの録音が採用されている」
「スペイン狂詩曲」の終曲、祭りもまたすさまじいアッチェランドがかかり唖然としてしまう。
歌に満ちた「マ・メール・ロア」は美演。
音楽の楽しみをいつも味あわせてくれるアバドでありました。
爆シリーズ終わり。
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コメント
いやぁ、この「ボレロ」は凄いですよね。そうですかぁ、アバド&ロンドン響の来日公演、聴かれたのですね?この来日の後に、アバディアン化(?)した私なので、うらやましい限りです。「中国の不思議な役人」なんて、あの!CDでぶっ飛んだ口なので、生で聴いたら大変なことになったことでしょう・・・ああうらやましや。
うちの職場の近くに「根津のたいやき」と呼ばれるお店がありまして、ぱりっと少し固めの外側に甘さ控えめのアンがとてもマッチしております。ただ、不定休が多いのと、2時には売り切れてしまうので、私のようなサラリーマンには非常に難易度高いお店です。一度おためしください!
投稿: minamina | 2009年12月 4日 (金) 23時46分
minaminaさん、こんにちは。
そうです、こいつはマジすごいですよね。
不思議役人は組曲バージョンでしたので、エンディングは凄まじいものでした。
それ以上に幻想も圧巻。アンコールのハンガリー舞曲1番なんて乗りまくりでしたよ!
根津のたい焼きですか。
いかにもうまそうです。
夕焼けだんだんの取材もかねて突撃しましょう!
投稿: yokochan | 2009年12月 5日 (土) 12時02分
こんばんは。「ボレロ」はアバド、ロンドン響のシンフォニックなフィーリングはオペラ経験から生まれたサウンドでしょう。実は「展覧会の絵」のラヴェル編曲はアバドがベルリン・フィル録音。ウゴルスキのピアノ原曲とカップリングされてます。この曲はカラヤン、ベルリン・フィルの初録がベルマンのピアノ原曲とカップリングされていて、共に再発売されました。(何か、因縁を感じさせます)カラヤン、ベルリン・フィルの「ボレロ」は初録がベスト。こうして、非フランス系も意地を魅せてます。カラヤンのエレガントで澄んだ音色に対し、同じベルリン・フィルでもブーレーズになると刻みの良いリズムに仕上がっているような気がします。廃盤からになりますが、メータ、ロサンゼルス・フィルも彼が絶頂期の時のものなのか、パワフルなラヴェルです。
フランス系ではデュトワが定番。マルティノンもいいですし、クリュイタンスはアバド、デュトワ、マルティノンと同じく、ラヴェル作品を「全集」で残してますね。
先のクリュイタンス、ミュンシュ、モントゥーといわゆるオールド・フレンチ三羽烏はラヴェルといったフランス物は勿論。ベートーヴェン、ブラームス、ワーグナーといったドイツ物のスペシャリストでもありますね。(アバドと逆パターン)
投稿: eyes_1975 | 2009年12月 5日 (土) 22時48分
eyes_1975さん、おはようございます。
たしかに、オペラの人アバドならではの感興あふれるボレロですね。
メータのボレロは、録音時に撮られた映像がありまして、大昔にテレビで見ました。
キレのよい指揮をするメータはともかくカッコよかったですよ。
カラヤンやブーレーズは聴いたことがないのですが、ベルロンフィルは強力そうですね。
話はかわりますが、シカゴがやったらスゴイでしょうね。
ショルティ盤を聴いてみたいものです。
ご指摘のラヴェル全集、いずも素晴らしい演奏ですね。
あとは、インバル、ハイティンク、小沢などもありますね。
それとフランス系の方のドイツもの、私も大好きでして、コメント拝見したらクリュイタンスのベートーヴェンが聴きたくなってきました(笑)
投稿: yokochan | 2009年12月 6日 (日) 11時22分