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2010年1月 4日 (月)

モーツァルト 交響曲第39番 スウィトナー指揮

Ekiden お正月は実家で過ごしました。
いつも、あんまりのんびりできないのは、行く所・やることが満載だから。

今年も箱根駅伝の復路を見物に。
新春を駆け抜ける若者たち。
私の街をだいたい9時半頃に通過。
そしていつも二日酔い状態だから、かなり辛いけれど、元気に走る諸君を見ると、こちらも気持がさわやかになる。
Mozart39_suitner
そして、今週はさわやかな交響曲を聴いてみよう。
新春さわやか交響曲ウィークであります。

モーツァルト晩年の作品、交響曲第39番変ホ長調K543
後期の3大交響曲は、1788年に一気に書きあげられているが、どれもが性格が違う。
短調の40番、荘重なハ長の41番、そして晴朗な気分の横溢した39番。
どれも素晴らしいし、大好き。

一晩のコンサートでも、よくプログラミングされるのも、曲の長さが最適なこともあるが、異なる気分をそれぞれに味わえるからでもあろう。

前奏が長く据えられているのも、3つの中では、この39番が唯一。
その前奏のあと始まる主部の快活な主題を聴くと、もうすっきりさわやかな気分になる。
そして私が一番好きなのが、第2楽章のアンダンテ。
優美さの中にも、どこか陰りを帯びていて、思わぬ激情をも垣間見せる。
かつてはよく「モーツァルトの白鳥の歌」とも言われた由縁はこのあたりの美しさだろうか。
第3楽章のメヌエットは、なんといってもクラリネットのトリオの楽しさ。
終楽章の飛翔する軽やかさも素敵。

スウィトナーが、シュターツカペレ・ドレスデンと一連のモーツァルトの録音を残してくれたことは、とても幸せなことだった。
中でも、この39番は、この美しいオーケストラがあってこそ映える名演に思う。
何もしてないようでいて、その何気なさが極めて味わい深い。
ライブやワーグナーなどでは、かなり熱烈な演奏をするスウィトナーだけど、レコーディングに聴くモーツァルトは、羽毛のような軽やかさとしなやかさが、聴く者を幸せの境地へと誘ってくれちゃう。
演奏する側も、指揮者に心を解放されちゃって、ほのぼのとした気分になっていることが推察される。
N響に始終来ていた頃は、いつでも聴けるという油断から、意外なまでに生で聴いていなかったスゥイトナー。
サヴァリッシュもシュタインもそう。
もったいないことしたもんだ。

Ekiden_4

すごいメカニカルな中継車が走ってましたぞ。

最後のランナーが、大声援とともに駆け抜けると、「応援ありがとうございました・・・」と放送しながら走る車でもってオシマイ。

また来年・・・。

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コメント

 お早うございます。
スウィトナーのモーツァルトは魔笛しか持っていませんが素晴らしい演奏ですよね。淡白ですが説得力のある演奏です。歌手陣も豪華です。ドレスデンのモーツァルトといえばハンス・フォンクが指揮した序曲集もいいですね。信じがたいほどの廉価で入手できますよ。39番の交響曲は確かに偉大な作品ですね。第一楽章の序奏もメヌエットのクラリネットのソロも大好きです。私が初めて聴いた39番は、クーベリックとバイエルン放送響の演奏です。中学生の時のことです。当時はまだCDが高かったです。三枚組みで7500円しました。マリナー指揮アカデミーやブリリアントのモーツァルト全集に入っているヤープ・テル・リンデンの演奏も好きです。

投稿: 越後のオックス | 2010年1月 5日 (火) 04時32分

あけましておめでとうございます。

私も箱根駅伝みました。
早稲田ファンですが・・・

遅くなりましたが
今年もよろしくお願いいたします。

投稿: おぺきち | 2010年1月 5日 (火) 14時13分

今年もよろしくお願いします。

新年は、にゃんにゃんシリーズを挟まずに来ましたか。オペラではスウィトナー・ベルリンで、最高に感動しましたけれど、録音ではおとなしいので…、愛聴しているのは「魔笛」ぐらいです。

それよりも、年末を、ポップの「4つの最後の歌」で締めくくられたのには感服しております。

投稿: にけ | 2010年1月 5日 (火) 16時23分

あけましておめでとうございます。そういえばスウィトナー先生、最近話題に上りません。私が若かった頃、N響きの一番エライ指揮者は、このスウィトナー先生でして、やる気があるんだかないんだかわかんないけど手堅いスタンダードな演奏をいつもありがたく拝聴するというイメージが強い指揮者でした。39番も生で聴いたことがあります。うまい!とは思いましたが、よし!CDを買おうとか、この人のCD全部集めようとか、そういう気持ちにはならなかったような。。。。正月はダレまくって、妻にいつもおこられてる毎日です。あはは^^;

投稿: モナコ命 | 2010年1月 5日 (火) 17時04分

スウィトナーが病を患って引退されたことはメディアでも取り上げられましたね。
話から反れますが、ブロムシュテットがシュターツカペレ・ドレスデンで録ったモーツァルトの「交響曲集」(第38~41番)は古典派にマッチしています。また、サヴァリッシュ、チェコ・フィルによるものも飾られたサウンドでなく、再認識しました。サヴァリッシュのは2枚組1500円ですが、いずれも「DENON CERST1000」シリーズによるもの。
サヴァリッシュもスウィトナーと同じように闘病中で、結果的、現在もN響指揮者の中で元気で活躍されているのはブロムシュテットのようでしょうね。

投稿: eyes_1975 | 2010年1月 5日 (火) 19時44分

越後のオックスさん、こんばんは。
スウィトナーの魔笛は名盤ですな。
それ以上にコシも素晴らしいのですが、こちらはベルリン。
独語版フィガロ、後宮はドレスデン。いずれも気持いい演奏でした。
ベームと一脈通じる名モーツァルト指揮者のスウィトナーは、ワーグナーとシュトラウス指揮者でもありました。

投稿: yokochan | 2010年1月 5日 (火) 23時30分

おぺきちさん、あけましておめでとうございます。
こちらこそ、よろしくお願いいたします。
首都圏は天候に恵まれ、絶好の駅伝日和でしたね。
スターがまた生まれました。
箱根駅伝は、関東だけの風物詩で、関西などではあまり見られてないらしいですね・・・。

私の方は、ここで一緒に走ってる方です(笑)

投稿: yokochan | 2010年1月 5日 (火) 23時35分

にけさん、こちらこそ今年もよろしくお願いいたします。

スウィトナーは、やはりライブの人かもしれません。
ベームに非常に似ていたタイプだと思います。
バイロイトのリングで、ベームと振り分けをしておりましたし。
「魔笛」は人気が高いですね。
歌手もそろってますし。
私は、コシも好きです。

「4つの最後の歌」は今年で3回目の締め音楽でした。
早いですが、今年の年末も聴くことを予告しておきます(笑)

投稿: yokochan | 2010年1月 5日 (火) 23時40分

モナコ命さん、あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いいたします。
私も、N響は、マタチッチ、サヴァリッシュ、ワルベルク、シュタイン、そしてスウィトナーの世代です。
FMやテレビが主体でしたが、時おり爆発する何かをやらかす指揮者との認識を持っておりました。
やはりライブの人なのでしょうか、音源に収まりにくい指揮者なのかもしれませんね。

私のほうは、呆れられて誰もかまってくれません日々です(笑)

投稿: yokochan | 2010年1月 5日 (火) 23時46分

eyes_1975さん、こんばんは。
スウィトナーの引退は、東西の統一とほぼ時期を同じくするものでしたので、いろいろ憶測してしまいましたが、パーキンソン病にかかってしまったのですね。
まだまだ元気に活躍できる歳でしたので残念でなりません。

サヴァリッシュも同じく残念ですね。
二人とも名門オケと素晴らしいモーツァルトを残してくれましたし、ブロムシュテットもドレスデン時代に録音してくれたことに感謝しなくてはなりませんね。
草食主義者のブロムシュテットはほんとうに元気です。
今年もN響で、ブルックナーとマーラーですから!

投稿: yokochan | 2010年1月 5日 (火) 23時52分

スウィトナーがドレスデンと、そしてクリップスがコンセルトヘボウと、モーツァルトの中期以降の交響曲をまとめて録音してくれたのは本当にありがたいことでした。その後実に様々な録音が発売されましたが、わたしにとっては今もってこの二組が規範になっています。
古楽器オケの刺激的なサウンドも聴いているときは興味深く楽しいのですが、「ああ、今日はモーツァルトが聴きたいな」と思ったときに手が伸びるのは何故かいつもこの二組なのです。
指揮者、オーケストラ、そしてモーツァルト。まさに黄金の組み合わせというべきでしょうか。

投稿: 白夜 | 2010年1月 6日 (水) 01時29分

白夜さん、こんばんは。
コメントありがとうございます。
そうですね、クリップスもありますね。
すべて聴いたわけではありませんが、ほのぼのと気持ちの和む演奏ですね。
コンセルトヘボウ&フィリップスの録音も素晴らしいです。
アーノンクールと大違いなところが面白いですね。
わたしは、あとはワルターでしょうか。

投稿: yokochan | 2010年1月 6日 (水) 20時50分

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