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2010年1月26日 (火)

ラフマニノフ 交響的舞曲 ヤンソンス指揮

IcecreamPalitte

あの美しい北川景子さまが宣伝してるグリコのアイス。
出張先で、飲んだ勢いのコンビニ訪問で買ってしまったようだ。
朝起きたらお腹がいっぱい。

翌日、こんな写真を撮っているのを見て自己嫌悪にさいなまれる。
左の方には、ハイボールが写ってるし・・・・。

このところ、酒を飲むと後で記憶喪失になるようだ。
飲んだあとの、こんなオレには近づくな、ケガするぜ。

Rachmaninoff_stravinsky_jansons_5 今日もラフマニノフを聴きます。
交響的舞曲作品45
番号は付いてないが、3つの楽章を持ち、さながら第4交響曲のよう。
作品45aが、このオーケストラ曲に先立って書かれた2台のピアノ版。
ついで、1940年にオーケストレーションされたのが、この作品で、ラフマニノフの文字通り最後の作品となっていて、初演はこの作品を献呈されたオーマンディとフィラデルフィア管弦楽団によって行われている。
ラフマニノフはロシアを去ってのち、晩年はスイスとアメリカを行き来していたらしいが、その終焉の地は、ビヴァリーヒルズだそうな。
1943年に69歳で亡くなっているから、その作風は思えば保守的なものである。
近くにはシェーンベルクもいたはずだから、ふたりがどこかで出会っていたかと思うと楽しいものであります。

バレエ音楽としても想定していたからから、その舞曲の名が示すとおり、全編弾むようなリズムが漲っていて、そのダイナミズムもふんだんに味わえる。
そして、当然にラフマニノフを聴く喜び、そう、甘味な旋律とうねり、むせぶような情念とメランコリー。
あぁ、ラフマニノフはこうあるべし、ともいえる作品であります。
当時埋もれていた第1交響曲の引用や、毎度、ほんとに毎度おなじみの、ディエス・イレの引用もしっかりある。
 でも、交響曲群に比べると、曲の印象はシャープでメタリックに感じるところは、舞曲風のリズムが勝るところゆえか。
これもまたよし。
私は3つの交響曲に、この交響的舞曲を加えて、始終楽しんでおります。

ピアノが活躍し、弾むようなリズムが印象的な冒頭から、中間部のサキソフォーンの泣き節が極めて印象的な第1楽章。
 ワルツ形式の第2楽章。最初は手探りで旋律を模索しつつ、徐々にワルツのリズムが姿をあらわし、ついに哀愁に満ちた旋律が全貌をあらわす。
これは一度聴いたら忘れられない。シベリウスの悲しいワルツにも似てるが、このラフマニノフの音楽は、憂愁に満ち満ちていて、もっと根っこが暗く感じる。
悲しい気分の時に、さらに落ちたいときにどうぞ。
 目まぐるしくも激しい音のぶつかり合いが聴かれる終楽章は、ちょっと掴みどころがないかもしれない。スピーディな展開の中に、終結のディエスイレの場面に音楽が収斂してゆき、ダイナミックに音楽を閉じる。
実に、かっこいいのである!

この曲は、第3番と同じく、マゼールとベルリンフィルのCDによって目覚めた。
容赦ないくらいにクールで、べらぼうにうまいオーケストラに快感を覚えたものだ。
その後も、交響曲を揃えると付いてくるからかなり持ってます。
未聴の山から、開封してなかったヤンソンスコンセルトヘボウ管弦楽団のライブ盤を聴いてみた。
ヤンソンスは、サンクトペテルブルク・フィルと協奏曲も含め、ラフマニノフを根こそぎ録音しているが、そちらはどうも燃焼不足で、EMIの醒めたような録音も好きになれないセットなのだ。(今回のシリーズで、協奏曲以外全部聴いてみたけど、印象は大きくは変わらないが、若々しさとオケのはみ出し具合がちょっと面白くて、見直した)

ヤンソンスのラフマニノフといえば、シャンドスに入れたフィルハーモニアとの2番の交響曲が、この曲最高の演奏のひとつと思う。そちらは、尋常でない熱さと輝きなのだ。
若い頃のヤンソンスの凄さがもろに出た演奏。

一方、ヘボウとバイエルンという2大名器を手中にした円熟の道をゆく、こちらのCDは、オーケストラの温もり感が、独特の落ち着きを与えていて、充実したラフマニノフ・サウンドが聴かれる。
弾むリズムのうまさと、聴き手を乗せるうまさは、相変わらず。
ロシア系の指揮者たちが聴かせる、胸かきむしる濃厚な演奏とは、反対にある、ヨーロピアン的な演奏であることもかつてのヤンソンスと異なるところ。
そのあたりの優等生ぶりが、面白くないという向きもありましょうが、音楽造りが旨いものはしょうがない。乗せられちゃうのだ。最後の激しいエンディングもド迫力。
 残念なのは、最後に鳴り渡るドラの余韻を楽しめないままに、拍手が始ってしまう。
ライブとは難しいもの。
コンセルトヘボウのお客さんも興奮しすぎ。

交響詩は残りますが、ピアノ作品、歌曲、オペラと、ラフマニノフ・シリーズはまたの機会に。

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コメント

 今晩は。交響曲をラフマニノフは事実上五曲書いていると思います。合唱付交響組曲「鐘」があるからです。あれは事実上4楽章形式の声楽つき交響曲ですよね。米文豪エドガー・ポーの詩をテキストに選んでいる所が米文学ファンとしては嬉しい所です。交響的舞曲は情けないことにマゼール&ベルリンフィルしか持っていません。ヤンソンスは良さそうですね。ヤンソンスやアシュケナージで交響曲全曲を揃えたいと思う今日この頃です。一番と三番はまだマゼールしか持っておりませんから。2番はフェチなので色々なえんそうを聴きましたが。でもアシュケのショパン全集も欲しいと思っておりますので財布と相談しなければなりませんね・・・

投稿: 越後のオックス | 2010年1月26日 (火) 23時37分

越後のオックスさん、こんばんは。
そうそう、「鐘」が残ってましたね。
1枚しか持っていなし鐘ですが、いずれ取り上げることといたします。
最近CDが大量に出てくるので、いろいろと目移りしますね。
金のかかるクラヲタ道でございますね、まったく・・・。

投稿: yokochan | 2010年1月26日 (火) 23時52分

交響的舞曲、大好きな曲です。これまた高校の吹奏楽部で後輩たちが吹いておりました。私も吹きたかったぁ~!
しかし今考えると凄い部活でした、「ティル」もやったし「七つのヴェールの踊り」もやったし、先輩方はドビュッシーの「海」や「春」をやっていたし・・・ピアノうまいやつをソリストにして「皇帝」やチャイコフスキーのコンチェルトもやったし・・・

無謀というか身の程知らずというか・・・いい経験させてもらいました。

ガーディナー、プレトニョフ、そしてもちろんヤンソンスの新旧両盤も好きでありますが、最近一押しはユロフスキ&ロンドン・フィル盤であります。こちら、銅鑼の音がしっかり鳴り終わってからの拍手でございますよ(笑)。

そうそう、あのシャンドス盤を超えるラフマニノフの2番にはなかなか出会えませんねぇ。スヴェトラーノフもいいけど、こってり過ぎましてね、私には。あの若き日のヤンソンスの、引き締まった燃え方とでもいいますか、ダレない演奏は本当に素晴らしい快演であります。

投稿: minamina | 2010年1月27日 (水) 23時58分

minaminaさん、こんばんは。
すげぇ吹奏楽部ですなぁ。
春祭もやってしまいそうな勢いですねぇ。

そうそう、ユロフスキーはロンドンフィルの指揮者になってるんですねぇ。そしてそのCDも気になってる1枚なんです。チャイコやショスタコもよさそうだし、前任者よりはるかにいいコンビとなりそうな予感です!(笑)

マリス君のシャンドス盤は、ほんとにすばらしいです。
記念すべきヤンソンスの若き日の名演ですね。
いまでは、あんな凄演できないでしょうが、充実した現在のヤンソンスに二つのオケで再録してもらいたいものです。

投稿: yokochan | 2010年1月28日 (木) 01時05分

こんばんは。「交響曲」の延長線というべき「交響的舞曲」この曲は残念ながらアシュケナージ、コンセルトヘボウの「死の島」とカップリングされてるものしかもってませんが、いずれもラフマニノフの「管弦楽曲」では人気曲となってますね。
既にアシュケナージはピアノの方でプレヴィンとデュエットしていて、「2台のピアノ曲」そして、「管弦楽曲」と2通り録音したことになります。ちなみにピアノの方はアルゲリッチが得意にしています。エコノムとデュエットしたのを持ってて、この共演はチャイコの「くるみ割り人形」の2台のピアノ編曲版もやっていていかにも舞曲つながりです。

投稿: eyes_1975 | 2010年1月28日 (木) 22時08分

eyes_1975さん、こんばんは。
毎度ながら、アシュケナージの当曲は未聴なのですが、ヘボウとのコンビネーションも含めまして、このリズミカルな曲にぴったりと、想像します!

プレヴィンとのデュエット盤は、私も持ってますが、実はその所有すら忘れてました。
探して聴いてみますね。
エコノム君とのアルゲリッチ女史の演奏もありましたね。
アルゲリッチさまは、毎度ユニークな選曲と相方選びですよね。
ありがとうございました。

投稿: yokochan | 2010年1月29日 (金) 01時15分

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