ブラームス 交響曲第2番 B・クレー指揮
美しい揚げ物、そうコロッケでございます。
神田の立ち飲みの店で、ミニクラヲタ分科会が開催され、あにはからんや、座り飲みのフロアにて、それこそ腰を落ち着けて飲んでしまった。
ビールに、ホッピー、熱燗、ハイボール、ウーロンハイ・・・、なんで皆さんこんなに飲むの
シューマンのあとは、ブラームス。
それも幸せな交響曲第2番を聴きましょう。
4つある交響曲のうち、歳とって一番好きになってきたのが、2番と3番。
1番はどうも仰々しいし、4番は飽きちゃった。
さらに歳を重ねるとまた変わるかもしれないですな。
さて、ベルンハルト・クレーというドイツの指揮者をご存じでしょうか?
かつてN響によく客演していて、初来日はたしか1974年(?)頃だったと記憶する。
魔弾の射手、第5などの純正ドイツものをさわやかに聴かせてくれた。
なかでも素晴らしかったのが、奥さんのエディット・マティスと組んだ「最後の4つの歌」。
一部欠落してしまったものの、今でもわたしの大事なエアチェックCDRで、マティスの歌とともに絶品の演奏であった。
レコードもDGや東独系レーベルにそこそこ残している。
ベートーヴェンの管弦楽曲、モーツァルトの初期オペラ、ニコライのウィンザー、ハイドンの交響曲、シューマンのレクイエム、ツェムリンスキーの抒情交響曲などなど。
そして、ピアノの名手でもあって、マティスの伴奏でもモーツァルトがこれまた絶品。
サヴァリッシュに学んだこともあって日本にやってきたのかもしれないが、やはりドイツのカペルマイスター的な育ち方をしているので、根っからのオペラ指揮者。
日本でもその機会があればよいのに、と思っている。
今年、都響に来演して、ロマンテッィクやR・シュトラウスを指揮するので、これは絶対に聴きものなのだ
上の画像は、若い頃だけど、いまやお爺さんのような風貌になっていて、どんな円熟ぶりか大いに楽しみであります。
このクレーといい、グシュルバウアー、ロンバール、コウト、グラーフなど、地味なベテラン指揮者たちに注目したい今日このごろ。
さて、そのクレーの超素晴らしい演奏が、今日のブラームスなのであります。
フランクフルト放送交響楽団との1989年のライブ録音で、これは今は亡き、大阪の音楽バーEINSATZさんで初めて聴かせていただいて、その清々しい名演ぶりに心を洗われ、後にその音源を購入したもの。
この曲の理想の姿と言ったら、おまえ褒めすぎやろ、とお叱りを受けそうだけど、実際そう思うのだからしょうがない。
旋律の歌わせ方が、弦は弓を一杯に弾ききり、木管や金管は柔らかくのびのびと柔軟に、どこまでも気持ちがよい。
ことに、第2楽章でその息の長い旋律をじんわり聴かせて、そこに馥郁たるロマンが漂ってくるのをヒシヒシと感じ取ることができる。
どこまでも自然で、作為のまったく感じられない第1楽章。
愛らしい第3楽章は、中間部の生き生きとした躍動感も素敵なもの。
躍動といえば終楽章。決して爆発的じゃないけれど、オペラ指揮者の面目躍如たる感動的なエンディングにじんわりと感動に浸ることができる。
この音源は、一昨日の飲み会でも話題となったCDR盤ではあるが、個人的に鑑賞する分は、私は全然OKで、なによりもこんな素晴らしい演奏が埋もれているから楽しいじゃありませぬか。録音もよいです。
宣伝してるわけじゃありませんが、爆演堂さんで扱ってます。
何度もいうけど、素晴らしい演奏。
今日3回目の視聴で、最後の部分で涙が出てきた。
そんなの、シュナイト&神奈フィルの神々しい名演以来かもしれない。
ちなみに、この曲の、私のベストワンは、アバド&ベルリンフィル(70年盤)。
そちらは、春が来たら全集まとめて取り上げましょう。
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コメント
一昨日は遅くまでお付き合い頂き有難うございます。
次回のテーマは、ピリオド演奏ですかね(笑)。
ベルンハルト・クレー!懐かしい名前です。
N響を振ったテレビ放映を見た記憶があります。どんな演奏だったか迄は記憶しておりませんが。
昔、LP評だったかで、クレーの演奏を悪く書いている評論家の方がいらっしゃいました。どうもそれがトラウマになってしまい、音源入手を避けていたように思います。
マチスの名唱を聴くたび思い出す指揮者で、是非聴き直してみたいと思っていた所に記事拝見。
大好きなブラ2の名演となると余計に気になりますね。
石丸とかにもあるのかな?今度探してみたいと思います。
投稿: golf130 | 2010年2月12日 (金) 07時30分
ベルンハルト・クレーというと伴奏ものが得意な手堅い職人タイプという印象ですね。エディット・マティスとモーツァルトの「エクスルターテ・ユビラーテ」や「アヴェ・ヴェルム・コルプス」をいれたディスクは結構気入っています。
エディット・マティスといえばちょうどつい先日NHKで86年の来日リサイタルが放映されまして、懐かしく思ったところでした。
投稿: 白夜 | 2010年2月12日 (金) 10時26分
ベルンハルト・クレー、名前だけは存じておりますが、未聴です
というか、何故名前を知っているかも不明だったりします
何かのレビューを読んだのかなぁ~、思い出せなくて気持ち悪いです(笑)
投稿: ライト | 2010年2月12日 (金) 12時02分
こんにちは。
二日酔いからようやく復帰しました。
あのー、お酒をどうもありがとうございます。
しばらく禁酒した後においしくいただくことにします。(o^-^o)
クレーはシューマンのレクイエムだけ聴いたことあります。
でも私が大好きなブラ2をそこまでご推薦されるとなると、かなりそそられるものがありますね。
この間の会で初めてCDRなるものを知ったイナカモンのはるりんです。
いやー、深いわーー。
底なし沼のようです。(笑)
投稿: はるりん | 2010年2月12日 (金) 17時12分
いやあ、完璧にモウロクしております。
クレーの演奏ずっと聴いていないと思い込んでいたら、1/19にシューマンのレクイエムを記事にしておりました。はるりんさんのコメントで気付きました。
お恥ずかしいボケぶりです。
投稿: golf130 | 2010年2月12日 (金) 19時15分
golf130さん、こんばんは。
いやはや、またまた飲みましたねぇ。
まわりの人は、シューマンとかアーノンクールとか叫んでるし、やたら飲んでるしで、こいつらは一体何者だと思ったでしょうねぇ(笑)
私も、モウロクにかけては負けていません。
このブログ自体、記憶の鮮明な昔話でなりたっているところがあって、最近のことはみんな忘れてしまうんです(涙)
クレーは、来日時、確かにボロクソの評価だったと思います。N響アワーの某亡きO先生が、テレビで褒めて、新聞か音楽の友かなにかで酷評。数年後、レコ芸では激賞。
大人ってよくわかんない、と悩んでしまいました。
が、しかし、いまは酔っ払いですが、自分の耳で、確認してこれはいいと思いました。
クレーは注目です。
シューマンのレクイエム、絶対に欲しくなりました。
投稿: yokochan | 2010年2月12日 (金) 20時49分
白夜さん、こんばんは。
マティスとクレーのモーツァルトは、ピアノ伴奏とオケのものと2種ありましたね。
たしか、ドレスデンのオケだったと記憶しますが、クレーは、ドレスデンや、リンデンオーパーでも活躍してましたから東のレーベルにたくさん録音があるんですね。
マティスのテレビ放送、知ってはいましたが、FMでギーレンのブルックナーやマーラーをやっていたので、瞬間失念して見逃してしまいました(笑)
ポップと並んで、わたしたちのアイドル的なソプラノですね!
投稿: yokochan | 2010年2月12日 (金) 20時54分
ライトさん、こんばんは。
先だってはお世話になりました。
飲みすぎました、いつものことですが・・・。
クレーの名前が脳裏にあるうちに、なにか聴いてみてください。
ドイツ正統派ですが、さわやかさがウリで、もたれることなく、師匠サヴァリッシュ譲りでしょうか。
投稿: yokochan | 2010年2月12日 (金) 21時02分
はるりんさん、こんばんは。
先だっては、お世話になりました。
少し飲みすぎましたねぇ~。
私も翌日は遅くまで寝てしまいましたが、一躍、こちらのさわやかブラームスを聴いて元気になりましたよ(笑)
この曲、ほんとにいい曲です。
あんまり褒めすぎて刺激しすぎてしまいました。
演奏家からするとCDRは、イカンということになるのですが、愛好家からすると宝の山です。
宣伝しすぎちゃったけど、静かに楽しみましょう。
底なしだし(笑)
投稿: yokochan | 2010年2月12日 (金) 21時08分
ついに登場しましたね、「ブラ2」の最高の演奏が。クレーはyokochanさんや私の世代にとっては、カラヤンなど大スター指揮者の影に隠れながらも煌めきを放つ特別な存在であったと思います。ところで、クレーの隠れ名盤はPHILIPSの「モーツァルト/エジプトの王タモス」でしょう。中でも序曲代わりに使われた「交響曲第26番」は非常な名演です。しかしこれはLPのみに収録されていて例のモーツァルト大全集ではカットされています(マリナーの演奏と重なるため)ので、LPは貴重です。中古LPを見つけられたら、ご購入をお勧めします。
投稿: EINSATZ | 2010年2月13日 (土) 12時51分
クラヲタ分科会・またの名タスクフォース、とても盛り上がったようですね(^^)。
コロッケうまそ~。自分でも作ってみっか。今夜はとんかつを作りましたよw
ブラ2、ワタシもじわじわと好きになってまして。今じゃ4曲中1番好きかもしれません。ケルテス・モントウー・チェリ(SWR)と有名どころばかり聴いてますが、ザンデルリング(ベルリン響)が一番好きです。
投稿: 左党 | 2010年2月13日 (土) 22時07分
お久しぶりです。
クレーという指揮者、不覚にも名前さえ知りませんでした。
さて、私のほうですが、持病のうつが悪化して入院ということに相成りました。
実は8日から13日まで入院していたのです。
今、一時帰宅してるところです。これからまた入院です。
退院できるのは何時になるか分かりません。
ブログ主様も常連の皆様もどうかお元気で!
投稿: 越後のオックス | 2010年2月14日 (日) 10時31分
EINSATZさん、こんにちは。
そうなんですよね、クレーはわれわれの世代にとっては懐かしくも、応援したくなる存在の指揮者ですよね。
ベートーヴェン200年のときも、カラヤンがやらないような地味曲をまわされ、それらがまたいい演奏だったりします。
モーツァルトのタモスもありましたね。
CDないのですか。そんなにお薦めされると、中古レコード屋にいますぐGOですよ(笑)
投稿: yokochan | 2010年2月14日 (日) 11時55分
左党さん、こんにちは。
会長抜きですんません、コロッケしちゃいましたよ(笑)
とんかつ作成されましたか。
揚げ物は、ほんとウマいですよね。腹減りました(笑)
ザンデルリンクのベルリン盤をお持ちだとは、なかなかレアですね。
有名なドレスデンしか聴いたことがない私です。
シュタインとバンベルクも欲しいところですね。
欲しいものが多すぎて困ったもんです(笑)
投稿: yokochan | 2010年2月14日 (日) 12時04分
越後のオックスさん、こんにちは。
しばらくおいでにならないと心配しておりました。
そうですか、焦らずゆっくりと静養して下さいね。
元気に復帰されるのをお待ちしております。
投稿: yokochan | 2010年2月14日 (日) 12時07分