ディーリアス パートソング エリジアン・シンガース
六本木ヒルズで見つけたオブジェ。
この怪しいバラは、とてもデカイのでありました。
8mもあるんだそうな。
バルコニーと奥に見える東京タワーとの不思議な幻想的バランスが面白いですな。
今日も英国。
最愛の作曲家のひとり、フレデリック・ディーリアス(1862~1934)を聴きましょう。
ディーリアスによって導かれた英国音楽愛好の道。
中学生の時からの永い付き合いで、いつどの曲を聴いてもディーリスというだけで、その音楽は、私をノスタルジーのかたまりへと誘ってしまう。
当ブログ初期に、「望郷のディーリアス」というタイトルの記事を起こしてます。
ちょっと恥ずかしいけれど、昔から、そして今もこれからも変わらないディーリアスへの思いは、育った地と肉親への想いへとつながっているのである・・・・。
日本のディーリアス・ファンにとって、東芝EMIが出したディーリアスの一大アンソロジーシリーズのLPは、極めて重大なターニングポイントだったろう。
それは、英国を愛した三浦淳史さんあってのシリーズだった。
そのシリーズになかったのが、合唱曲集の1枚である。
コニファー・レーベルから出たエリジアン・シンガーズの1枚は、おそらく唯一のコンプリート集であろう。
オルガンやピアノを伴う曲も一部あるが、基本は無伴奏による合唱作品がオペラや劇音楽からのものもふくめて全部で13曲。
ドイツ語による25歳の若い頃の作品から、62歳の円熟期までのものと各期にわたっての合唱作品が万遍なく収められている。
1.初期のパートソング(独語)
「森を透かして」
「黄金の太陽」
「アヴェ・マリア」
「日の光の歌」
「春の訪れ」
2.「さぁ祝宴をあげよう」(独語)
3.歌劇「イルメリン」~第1幕の合唱
4.「イルメリン」
5.歌劇「村のロメオとジュリエット」~婚礼の合唱
6.「アパラチア」~合唱曲
7.「クレイグ・ドゥの頂で」
8.「さすらい人の歌」
9.「真夏の歌」
10.「子供のためのふたつの歌」
「小鳥」
「まどろみの子守唄」
11.「夏の夜 水のうえにて歌える」
12.劇音楽「ハッサン」からふたつの合唱曲
13.「夕日の輝きが城壁に落ち」
マシュー・グリーノール指揮 エリジアン・シンガーズ・オブ・ロンドン
シモンズやテニソンの詩的な歌に、さりげなく添えられた音楽は本当にステキなものだ。
押しつけがましさが一切なく、少しシャイな音楽は、繊細なアカペラでもっていっそうに美しく、触ったらこわれてしまいそうなくらにデリケートに響く。
三浦先生の名訳でもって一躍、夏のさわやか音楽として脚光をあびた⑪「夏の夜 水のうえにて歌える」は、厳冬のいま聴いてもしんしんと心に染みいる名品。
⑧「さすらい人の歌」は、愛も女性も充分に経験してきた男が心破れてグラスを片手に、荒涼とした自然に向かう歌である。
パリで放蕩のすえ、体を病んでしまったディーリアスの姿が、このシモンズの詩と悟りきったような澄んだ音楽に見てとれる・・・・・。
⑬「夕日の輝き・・・・」は、テニスンの詩。悲しい恋人たちの歌が、いにしえの城壁に傾く夕日の中から聞こえてくるようだ。
ハミングの伴奏のうえに、重ねて歌われる合唱。とても洒落ていて、美しくも物悲しい・・・。
何度聴いても、心にしみいるディーリアスのパートソングの数々でした。
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コメント
こんばんは。
ディーリアスのパートソングとはまた良いところをついてきますね。
というかまさか来るとは思っていなかったから少々驚きました(^^;
久しぶりにCDを引っ張り出して聴いてみました。
…1、9、11しか入っていませんけど![](https://emojies.cocolog-nifty.com/emoticon/sweat02.gif)
寝る前に聴くのに結構いいかも、とか思ってしまいました(笑)
投稿: ライト | 2010年2月20日 (土) 01時48分
ライトさん、おはようございます。
季節的に夏に取り上げるべきかと思ってましたが、咋夏、機会を失ってしまい、いまになってしまいました。晩冬に聴企画のも、またよしでありました。
英国系では、ホルストも洒落てますよ。
ディーリアスはナイトキャップ的に聴くのもよいですね!
投稿: yokochan | 2010年2月20日 (土) 09時16分