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2011年1月19日 (水)

コルンゴルト ピアノ五重奏曲 K・ブレイク

Harada

いまやおなじみ、ガトー・フェスタ・ハラダのショー・ウィンドウ、冬バージョン。
群馬の高崎郊外が本拠地のハラダ。
そこへ行くと、工場併設で、やたらときれいなショップがあって、いつも賑わってます。
どこでも買えるようになったけれど、本場へ行くと、ケーキやゼリー、フランスパンまで売ってる。

Harada_2

冬限定のチョコレートコーティングラスク。
白と黒。下のゴージャスな方は、チョコが分厚くて、すごく食べ応えありです。
これで、ウィスキー飲むと最高なんだけど、いまはお酒を控えてます。

Korngold_piano_quintet

シュレーカーに続いて、戦争や民族の血によって翻弄された作曲家をもうひとり。
こちらも、わたしのブログの中ではシリーズ化しております、エーリヒ・ウォルフガンク・コルンゴルト(1897~1957)のピアノ五重奏曲を。
少年時代より神童ぶりを発揮したコルンゴルトには、モーツァルトと同じように、親父の願望と引立てがあった。
親父ユリウスは音楽評論家として、ウィーンでは辛辣でかつ実力者だった。
シュレーカーさえも、こき下ろされていたんだ。
でも息子のためには、一生懸命で、息子の才能もさることながら、いまわれわれコルンゴルト・ファンは、親父さんにも感謝しなくちゃなんない。

後半生は、映画音楽に活路を見出しつつも、不遇の人生だったけれど、9歳から本格曲を書いていたから、いま聴くことができる作品の多くが、ともかく若い時の作品ばかり。

今宵の素敵な「ピアノ五重奏曲」は、1920年、コルンゴルト23歳のときの作品。
そう、あの名作オペラ「死の都」を残した年であります。
そして、この曲もあの幽玄なオペラと雰囲気的には、一部相通じるものがあるのでありました。
夢想的で、ロマンテック、苦い雰囲気に、甘い雰囲気の混在。
3つの楽章からなっていて、わたくしは、30分間、うっとりと聴き惚れるのみでした。

ことに、第2楽章のアダージョが素晴らしい!
自作の「4つの別れの歌」の3曲目「Mond so gehst du wieder auf」~月よ、ふたたび・・・・の旋律に基づいたもので、これはもう夢見るように、とろけるまでに素敵な音楽なのです。
かつて、フォン・オッターの歌とフォシュベリのピアノによって両方がおさめられたDG盤を聴いてやたらと感動したものであります。

明るいなかにも、陰りを帯びた抒情味あふれる第1楽章は歌心満載で、ウィーンの世紀末ムードをしっかりと継承していて、飽くことなく聴くことができます。
中間部は、ことさらに美しく、ここは、第2楽章と双璧。
3楽章はロンド。ヴィルトーソ感もあふれ、常動的なところは、ほかのコルンゴルト作品の終結に多くみられるところ。

Kathy
ワシントンで活躍する奏者たちによるこの演奏。
若々しく、生き生きと演奏している様子がよくわかる。
陰りは少なめだけど、こんな健康的なコルンゴルトもよいかも。
ピアノはキャスリン・ブレイクという、見るからにアメリカンな雰囲気の女の子。


コルンゴルトの室内楽作品記事

歌曲と室内楽の作品集 フォン・オッター&フォシュベリ

弦楽六重奏曲

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コメント

コルンゴルトは、僕も好きな作曲家の一人です。

この頃の作品は、もっと聴かれてもいいですよね。
死の都なんて、20世紀に作曲されたオペラの中でも、指折りの名曲だと思いますが、劇場にかかる機会がほとんどないのが残念です。

投稿: Mario | 2011年1月23日 (日) 01時13分

Marioさん、こんばんは。
コルンゴルト好きは多いのですが、実際に演奏会にかかることは少ないですね。

「死の都」は、実演での体験を熱望してますが、いまのような音楽不況下にあってはもっとも舞台に載りにくい作品です。
シュレーカーやツェムリンスキーとともに、舞台でともかく味わいたい作曲家たちです!

投稿: yokochan | 2011年1月23日 (日) 20時58分

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