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2011年3月26日 (土)

ベルリオーズ 幻想交響曲 チョン・ミュンフン指揮

Imeve2

こちらは、三菱の電気自動車「i-MiEV」(アイミーブ)です。
日産のリーフが、初の一般車として登場させたのに対し、先行したi-MiEVは、軽自動車クラスの車両。
ごらんのような、かわいいラッピングデザイン。
企業の宣伝を施した営業車としても、最近よく見かけるようになった。
歩いてると、都内では一日一台は見かける。

i-MiEVとリーフでは、搭載バッテリーが違うので、走行可能距離も違います。
i-MiEVで、120kmぐらい、リーフは160Km。
そして、冷暖房やオーディオをフルに使用して悪天候のもとに走った場合、i-MiEVで70km、リーフで100kmは大丈夫といいます。
 坂道などでは車輪の回転で、逆に発電的な効果もでるので、逆にその間、走行距離が伸びたりもするスグレ物。

そして、燃費という言葉で、ガソリン車に比べると、ガソリンが今の高値安定1リットル150円とすると、電気自動車はその10分の1くらいの電気代。
もちろん、外充電はお金を取られることになるかもしれないし、一般財源化してしまったガソリン税にかわる新たな税制が付加されるかもしれないけれど、それでも燃費コストは大幅に違ってくるはず。

Imeve1

車は、300万超えで高いけれど、すぐに元はとれると思います。
ちなみに、電池の寿命は10年。その後も、リチウム電池は回収され、ほかの用途に供されます。リサイクルです。

エンジン音がないから、無音で車内も静かで音楽好きにはたまらない。
そして、加速の良さは驚きといいます。
わたしも、欲しいぞ、電気自動車。
iPhoneのアプリには、日産リーフのもがあって、そこで遠隔から空調や充電も操作したりできちゃうみたいです。

電気さえあれば、被災地でも活躍できる電気自動車。
くれぐれも申しますが、わたしは自動車屋さんじゃありません。
いま、もうこんな世の中になっているということを申し上げたいのです。
震災が不幸にして起きてしまったけれど、この流れは止めようがありません。

Berioz_sym_fantastique_chung

こちらは、現実じゃなくて、幻想のはなし。
思えば、3月11日が、幻の話だったらよかった。
でも避けられない事実で現実なのだから、受け入れるしかないです。

月一シリーズ、ベルリオーズ「幻想交響曲」。

今回は、朋友、隣国のチョン・ミュンフンの指揮する、パリ・バスティーユ管弦楽団の演奏で。
ヴァイオリンのチョン・キョンファの弟、ミュンフンは、当初は、ピアニストとしても活動していて、チャイコフスキーの協奏曲の録音もあったくらいの名手(指揮はたしか、デュトワ)。
もうひとり姉がいるけれど、いずれも情念系の濃い演奏で鳴らした姉弟。

でも、みんな、歳とともに緩くなっちゃった感があるけれど、いまは少し丸くなって、深みもましてます(はず)。
というのは、指揮者デビュー当時は、やたらと新鮮で、たくさん聴いたけれど、東フィルやN響に繁茂に登場するようになって、ちょっと飽きちゃった。
継続してお聴きのファンの方々には、いまのミュンフンさんを知らず、申し訳ありません。

DGに録音をし始めた頃の、チョン・ミュンフンは、掛け値なしに素晴らしい。
この幻想は、そのもっともたるものでして、どこもかしこも、イキがよくて、音は飛沫を上げるがごとく跳ねまわり、激烈で、かつ繊細で美しい局面も処々あります。
そして、音色の艶っぽさは極めて魅力で、これはパリのオーケストラということもあるでしょうか。
ライブ感あふれる自在さもあって本能的なものを強く感じるが、思いつきでない勢いの良さが、完璧さを漂わせてるところもいい。
 浮沈が激しい1楽章、優美さとリズムのキレのよさの2楽章、歌にあふれながらも内声部まで血の通った3楽章、断末魔の叫びとならず妙にエレガントな4楽章、緩急が豊かで血沸き肉躍る興奮の終楽章。

バスティーユ・オペラのオーケストラは、かつてのオペラ座管弦楽団と思う(と思う)。
こんなに上手いオケだとは、オペラ座時代のかつての録音からは想像もできなかった。
1989年新設時のバスティーユは、バレンボイムがその指揮者となる予定だったがゴタゴタで解雇。そして、ミュンフンが急遽選ばれ、DGを中心に、オーケストラやオペラ録音に名作を残すようになったのは、まだそんなに昔の話じゃない。
 でも、このバスティーユは鬼門で、任期5年で解雇されてしまったミュンフン。
その後は、コンロンで、いまはフィリップ・ジョルダンがその任にあるみたい。
名前も、バスティーユの名前が取れて、パリ国立オペラ(Opera national de Paris)というようになった。
数年前の来日で、トリスタンを観劇したが、音色の美しいワーグナーに感銘を受けたものだ。
パリやフランスのオーケストラには、わたしはどうも憧れみたいなものを抱くのかもしれない。

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コメント

18日にミュンフンさん+チェコフィル仙台公演を聴く予定でした。何しろ直後だったので中止もやむを得ないところです。
生ミュンフンさんは確か3年前、N響客演でブルックナー7番を聴きました。NHKホール2階は音が遠いのか?すっきりとしてるけどインパクトがもうひとつという感じで、あまり印象に残りませんでした。
しかし近々ソウル・フィルとの録音をDGからリリースしていくプランもあるそうで、これからご活動が活発化されるようにも思われ。
90年代のミュンフンさんの足跡には興味あるところ。それが幻想なら尚更♪新幹線復旧して上京したら、ぜひ探そうと思います(^^)。

投稿: 左党 | 2011年3月27日 (日) 15時57分

こんにちは
幻想交響曲、チョン・ミュンフン指揮のはまだですけど、いろいろ聴いたものです。おもしろい曲ですね。

>三菱の電気自動車「i-MiEV」(アイミーブ)
可愛いですね。今の車(もう20年ぐらい)がだめになったらこういうのもいいと思いました。

車が動くバッテリーが実用化されているのなら、いろんな電化製品もバッテリー搭載にしたらいいように思います。電力需要の平均化ができるのではないでしょうか。素人の幻想でしょうか?

投稿: edc | 2011年3月27日 (日) 20時56分

左党さん、こんばんは。
あらためまして、お見舞い申し上げます。
さすがに、仙台のコンサートは厳しいようですね。
仙台フィルも、半年は見送りのようですし。
こんな時こそ、音楽が欲しいときですから、規模を小さくしても、うまいこと音楽が皆さんに届くといいですね。
そうそう、東京の春も大方中止になってしまいました。

ミュンフン氏は、まだまだ活躍中ですね。
本国のオケなどは、きっと熱い演奏になるのでしょうね。
楽しみです。そして、このCD是非お聞きください。

投稿: yokochan | 2011年3月27日 (日) 23時09分

euridiceさん、こんばんは。

幻想は、どうもいろいろ聴かずにはおかない、魅力がありまして、たくさん集めてしまいました。
ミュンフンのものは、若き小澤さんにも近いものがありました。

このかわいい電気自動車は、家電製品のように、家で充電できるみたいです。
距離を走る生活でなければ、絶対にエコでお得な自動車に思います。
家電に、蓄電機能は、まったくおっしゃる通りなのですね。いまほど、電気の大切さを思い知ることはありません。
コスト削減と競争で、安くなるだけなってしまった家電ですが、蓄電機能をつけるという+αは、技術難とコスト増とはいえ、日本のもしかしたらお家芸になるかもしれません。

投稿: yokochan | 2011年3月27日 (日) 23時36分

今晩は、クラヲタさま。貴殿は本当にこの曲がお好きなのですね。今日のN響アワーはミョンフン指揮の幻想でした。
何度聞いても、斬新な気分が高揚する曲ですね。観客だけでなく、ミョンフン氏自身も高揚していたのではと思われる力のこもった演奏でした。16年前くらいに今ほど有名ではなかった(失礼)佐渡裕指揮、京都市交響楽団で聞いたのが私には初の幻想の生演奏でした。佐渡裕さんも若手と言われたの頃で、演奏も若々しい弾ける様な演奏だった気がします。今日のミョンフン氏は成熟した大人の演奏なのでしょうね。ミョンフン氏のどっかにいそうなおじさま風貌が好きだな。

投稿: ONE ON ONE | 2011年11月27日 (日) 22時28分

ONE ON ONEさん、こんばんは。
お江が長くて、見逃しました・・・。
ミュンフンお得意の幻想ですね。
たくさん集めた幻想でしたので、月イチで聴いて行こうという企画をたて、継続中です。
佐渡さんも、いまやベテランですが、若い頃は弾けてましたね。
ミュンフンさんも、このバスティーユ盤では弾けまくりでした。
顔は昔からオジサンでしたが、最近はますます落ち着いてきましたねぇ!

投稿: yokochan | 2011年11月27日 (日) 23時30分

yokochan様、おはようございます。

今日は、仕事が早出のため~、出勤前にこちらのブログを拝見~。ん~、N響アワーのミョンフンさん指揮の幻想交響曲、僕も聞きました。とにかく、情熱的で歯切れが良く、オケと聴衆と共に曲が進むにつれて、テンションアップで~燃え上がっているのが、画面からも伝わって来て、僕も視聴しながら思わず興奮してしまいましたよぉ~!

ミョンフン/バスティーユ管の幻想交響曲のCDは、まだ聞いたことがありませんが、俄然聞いてみたくなりました。余談ですが、最近ネット動画で視聴した、ミョンフン/ラジオフランス・オケのブルックナーの交響曲第9番~、予想以上に素晴らしい演奏で、深い感銘を受けました。どうやら、ミョンフンさんとフランスのオケって、相性がいいみたいですね。

それから、ミョンフン/ソウル・フィルの演奏も、ネット動画で視聴しましたが、バルトークのピアノ協奏曲なんか~(第2か、第3か忘れましたが~)、とても緊迫感溢れる密度の濃い、素晴らしい演奏でしたよ。(不覚にも、女流ピアニストの名前も忘れました。)なので、これがもし、CD化されれば~かなりセンセイションを巻き起こすこと、必定だと僕は思います。

投稿: Warlock Field | 2011年11月30日 (水) 04時15分

Warlock Fieldさん、こんにちは。
お~、早朝ですね!
早くからありがとうございます。

全部見なかったのですが、そんな感じの熱演だったのですね。
正直言って、若い頃、バスティーユ時代のハツラツさが、昨今は薄いのかな、と思ったりしてましたが、ちゃんと最近のものも聞かなくてはならないです。

あちらの国は、情熱的ですから、フランスやイタリアのラテン系のオケとの相性は、まさに相思相愛に鳴るのでしょう。
フランス国立管のオファーを断り、放送フィルを選択したミュンフンさんの男気も頼もしい限りです。
ソウルフィル~SPOは聴いたことがありませんので、ネット巡回して確認してみます。

投稿: yokochan | 2011年11月30日 (水) 20時17分

バレンボイムパリ管の幻想交響曲を聴く機会があり、なかなかいい演奏だったのでそれについて調べていたらこちらのブログを発見し拝見しました。チョンミュンフンについてですがはDG録音初期はすばらしい演奏が多く注目していまして、指揮者としての初来日であるフィルハーモニア管との95年9月のコンサートに行きました。本来はバスティーユ管との来日になる予定だったのがトラブルのため解任になりオケが変更になってしまい残念に思いながら会場にでかけました。東京で聞いた幻想交響曲がかなりの熱演で圧倒されたのは今でも記憶に生々しいです。興奮した私は終演後楽屋に行きミュンフン氏と会い握手していただいたのはうれしい思い出です。ミュンフン氏の手の指がとても太く、両手でギュッと力強く握りしめ握手してくれました。オケの違いもあるでしょうがCDでの幻想は音が薄く軽い感じで関心しませんでした、現場で聴いたホール全体が振動し地響きするかのような凄まじさはさすがにCDでは味わえませんね。そんな当時のことをいろいろ思い出しました、長文失礼しました。

投稿: サカタマサル | 2019年12月27日 (金) 03時59分

サカタマサル さん、コメントありがとうございます。
最近は「幻想シリーズ」、ネタも尽きた感がありやってませんが、久びりに聴くと、ほんとよく書けてるし、面白い曲であります。
 フィルハーモニアとのミュンフンさんの来日は記憶にあります。パリとのものなら危機に行くことも検討していました。
彼のDGへのベルリオーズシリーズも、途中でフィルハーモニアになり、DGとの関係も中断してしまいましたね。
指が太く力強い、とのこと、さすがにピアニストとしても名を馳せた方ですね。
CDは最近はあまり出なくなりましたが、欧州に東京にとコンサートとオペラで大活躍されてますので、まだまだ楽しみな存在だと思います。
 しかし、幻想は、ライブが一番で、音盤にはなかなか収まりにくいのでしょうか。
そしてミュンフンさんは、同時にライブが一番なのかもしれませんね!
ありがとうございました。

投稿: yokochan | 2019年12月30日 (月) 09時25分

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前線の通過でしょうか、雨の前後に強風。春の嵐でありました。 開花し始めた桜が散らなければエエんですが。 今日は、ベルリオーズの幻想交響曲。 チョン・ミュンフン指揮パリ・バスティーユ管弦楽団の演奏。 1993年10月、パリでの録音。 チョン・ミュンフン/バスティ...... [続きを読む]

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