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2011年4月 1日 (金)

和歌山「紅しだれ」&「ウィーン、わが夢の街」

Wakayama7

今週の火曜日(29日)の紅しだれ桜。
和歌山城の御門の脇で満開でした。

今年は、不幸にも桜が足踏みする寒さが続きますね。
でも、4月をむかえた今日あたりから、開花の便りが東西で聞かれるようになりました。

Wakayama1


「紅しだれ」というと、紅葉の赤い豊満な紅葉も言いますから、桜を紅しだれの前につけなくっちゃ。
どちらも、日本のもっとも美しい、「春」と「秋」の鮮やかな色どりを司るもの。

Wakayama3

アップにすると、こんな風に、白と濃いピンクがあい混じる美しさ。

一昔、カップのアイスクリームで、ピンクとイエローとホワイトのマーブルのアイスがあった。
イエローは、蜂蜜だったんだ。
これは、子供心に、ホント、おいしくって、毎日でも食べ飽きないアイスだったなぁ~

Wakayama5

門から昇ると、そこは和歌山城天守閣。
紀州御三家の堂々たるお城。
まだほころんだばかりの桜の背景です。
「暴れん坊将軍」は、紀州の吉宗だけど、テレビでは、壮麗な姫路城がつかわれている。
少しばかり質素に感じる紀州和歌山城です。

Wakayama4

桜前線、北上中。

東北にはまだ間があります。
そして、木々も無情な地域の皆さんに、こんな桜の画像が届けばいいと思ってます。
何もできない私ですからして。

近場の春を、これからもお届けしたいと思います。

写真をマイフォトにいくつかアップしました。
左のバナーをご覧ください。

Schwarzkopf_operetta

わたしどもの世代にとって、エリーザベト・シュヴァルツコップは、憧れのような存在。
母にも似た安心感と包容力を持つ歌唱。
同じドイツでは、ヴァルナイやニルソン。
イタリアでは、カラス、テヴァルディ、モッフォたち。
その次の世代のわたしにとってのお姉さん歌手たちも独伊仏と続いてます。

シュヴァルツコップの、少し揺れぎみの歌唱は、FDと同じく、言葉と音楽を強く結びつけた考え抜かれた芸術作品。
その丁寧すぎる歌は、時に、わたしの心にどこまでも付きまとうようで、時代的にも少し前のものとして感じてしまうことも正直あった。

でも今日、久かたぶりにとりだしたオペレッタからのアリア集を聴いて、むしろ爽やかで上品な歌が、不思議と疲れた心身をそっと包み込むような心地よさを味わわせてくれたのでありました。

そして、最後に添えられた、ジーツェンスキー「ウィーン、わが夢の街」でもって、大いに心が解放され、いまあるこの地、このひと時が愛おしく思えるのでありました。
思いれたっぷりに普通は歌われる曲。
でも、シュヴァルツコップは、快速でいともすっきり鮮やかに歌ってくれちゃうのでした。
だから、よけいに愛らしく、さりげなく古里=愛なのです。

ウィーン讃歌のこの曲は、単独の作品で110年くらいまえの素敵な歌。

ウィーンに生まれ、その街が好き好きでならない。
そんなウィーンっ子の歌。

 わたしの心と魂は ウィーンに雨が降っても太陽が照ってもウィーンだけに夢中
 わたしは、ウィーンの隅々まで知っていて 
 昼間の、そして夜のウィーンはなおさら我が家もどうぜん。

 本当のウィーンを知っている人々は 老いも若きも冷淡な人は一人もいない
 どうしても美しいウィーンを 離れることがあったなら
 悲しさがとめどもなくこみあげてくる

 すると遠くから私の心をかきたてる歌が耳の奥に聴こえてくる

 ウィーンよ おまえだけがいつまでも
 わたしの夢でいてほしい
 そこには昔ながらの家並みがあり
 かわいい娘たちが行き交ってる

 ウィーンよ おまえだけがいつまでも
 わたしの夢でいてほしい
 わたしが幸せでいられるのは
 ウィーンよ わたしのウィーンだけ

 好むと好まざるとにかかわらず でもなるべくなら遠く
 わたしもこの世を去るのが定め
 恋とも ワインとも お別れしなければならない
 生あるものは滅びるのが世の習いだから

 あぁ、そうなったらそれでもいい
 足で歩かなくても わたしは天へと飛んでゆき
 そこに腰を落ち着けて ウィーンの街を見下ろすと
 シュテファン寺院が下からわたしに挨拶する

 すると遠くから私の心をかきたてる歌が耳の奥に聴こえてくる

 ウィーンよ おまえだけがいつまでも
 わたしの夢でいてほしい・・・・・・・・・

     
(訳:小林一夫)

たぶんに世紀末的で刹那的な意味あいもあります。
でもですよ、だれもがもつ、ふるさと、わが街。
どんなことがあっても、そこを離れたくないし、ずっと近くでながめていたい。
街も人も、分かち難いのです。
心が痛く、そして新しい街を一時にせよ心から提供する人々に、心底から感動し、人間の崇高さに感じいる毎日です。

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