ウェーベルン 「夏風の中で」 ヤンソンス指揮
このところのわたくしのトレンドは、早起き。
朝7時くらいの、とある小山の山中にて。
というか、夜中に目が覚めて眠れなくなるのが多いので早く寝て、朝早くに、いつもの山に出かけたんです。
緑が眩しいですよ。
先週の土曜日の神奈川の実家近くにて。
この先の山の頂きで、海と富士山を望み、かなり癒されましたぞ。
その画像は、またいずれ。
鳥居にかかる「もみじ」の緑も清々しい。
一週間後の土曜日も、早く目が覚めてしまった。
台風の影響モロでして、雨の一日になりそう。
先週のおてんとうさまが懐かしく、爽やかな暑さも恋しい。
梅雨に入ってしまいました。
このところ、世紀末ウィーンやその後の音楽を続けております。
神奈川フィルのマーラー・チクルス、その最後にして最大の演目、第9が視野にあるものだから、その前後の音楽シーンを確認してます。
そして、台風来ちゃってますが、夏の音楽を。
ウェーベルン(1883~1945)の「夏風の中で」。
夏風とかいうと、日本のうだるような夏の熱風を思うけれど、ここでいう夏風は、ドイツ・オーストリアのアルプスにほど近いあたりの、夏に吹く一陣の爽やかな風、といったイメージ。
「Im Sommerwind」~大オーケストラのための牧歌。
Bruno Willeの詩を読んで・・・とも副題されております。
ブルーノ・ヴィレ(ワイル??)の「Juniper Tree」という作品だそうで、その内容は調べきれませんでした。
お金持ちの家に生まれたウェーベルンは、別荘にてその詩を読み、そして同世代のオランダの画家Mondorianの抽象画に移行する前のナチュラルな風景画にインスパイアされたともいいます。
どんな絵だろうと調べた。
ウェーベルンのこの「夏風」(1904)以前のモンドリアンの作品がなかなか見つからなかったけれど、推察するのこんな感じでしょうかね。
ウェーベルンの作品番号1は、「パッサカリア」だけれど、それ以前の番号なしの作品も多くあって、その中のひとつがこちら。
1902年にウィーンに旅行し、そこでマーラーの「復活」に心動かされ、ついにはかの地で学ぶことになり、1904年にシェーンベルクに師事するころに書かれたのが「夏風の中で」。
作品番号なしは、生前、出版されなかったから、この曲の初演も1960年代に入ってから。
ブーレーズの1回目のCBSへの全集には収録されておりません。
のちの表現主義的な作風を経て、無調・十二音と進んでゆく緻密でシャープなウェーベルンからすると、この音楽は、ずっとロマンティックで、後期ロマン派の流れに位置した聴きやすいもの。
マーラーの抒情的で牧歌風な様相と、R・シュトラウスばり爛熟大オーケストラサウンドの両方が味わえる。
初夏に聴くに相応しい、爽快で心と頭に気持ちいい風が吹き抜けるような桂品にございます。
いろいろ出てますが、今日は、ヤンソンスとバイエルン放送響の南アルプスの草原のような演奏で。
気温も上がらず、雨が続きます。
全国のみなさま、くれぐれも、夏風邪などをおひきになりませぬよう。
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コメント
こんばんは。「夏風の中で」はシャイー、コンセルトヘボウが唯一の手持ち。ブラームスの「交響曲全集」に併録されたものですが、影響力がでているのが伺えられるような気がします。
梅雨のジメジメした時にスカッと駆け抜ける旋律の曲でしょうね。
投稿: eyes_1975 | 2011年5月28日 (土) 20時35分
ご無沙汰しております。
この曲、モンドリアンの風景画にインスパイアされた作品とは、知りませんでした。
C.ドホナーニ/クリーヴランド管のヴェーベルン管弦楽曲全集(とは言っても、CD1枚ですが…)の、爽やかな抒情がが気に入っていますが、拝読してヤンソンス盤も聴いてみたくなりました!
投稿: さすらい人 | 2011年5月29日 (日) 09時23分
eyes_1975さん、こんにちは。
シャイーのブラームスは、新ウィーン楽派の作品との組み合わせでしたね。
かつて、インバルもそうでした。
ワーグナー後のブラームスとマーラーは、先端を走る作曲家たちに影響を与え続けたのですね。
天気は、悪いですが、音楽は爽やかに行きたいものですね!
投稿: yokochan | 2011年5月29日 (日) 14時02分
さすらい人さん、こんにちは。
わたしも、モンドリアンの件は、知らなかったのですが、海外の解説で知りました。
いい雰囲気の絵画ですね。
そして、ドホナーニ盤は、いまや貴重なものです。羨ましいです。
そして、自然の中で聴きたい音楽のひとつですね!
投稿: yokochan | 2011年5月29日 (日) 14時07分
過去記事に失礼致します
抽象に移行する前のモンドリアンに感化されて作られた、初期の豊潤な作品。
ウェーベルンのその後の作風の変遷を思えば、何だか非常に興味深い影響ですね?
簡素化の前には、一旦、あらゆる贅を尽くしてぶちまけてスッキリしてみたい(?)ものなのかもしれません(笑)
投稿: Booty☆KETSU oh! ダンス | 2013年10月28日 (月) 19時24分
Booty☆KETSU oh! ダンスさん、こんばんは。
お返し遅くなってしまいました。
絵画の世界でも、あの時代は、同じ作者でも劇的な変化がいくつもありましたね。
クリムトでさえそうですからね。
人間、一度は、贅沢濃厚を味わわないとアカンのでしょうか(笑)
投稿: yokochan | 2013年10月31日 (木) 23時31分
新緑真っ盛りの中、パルジファルに混ざって、この曲を聴いています。パルジファルは当ブログにて長文を書く準備中です。完成したら、お知らせしますので楽しみにしてください。
さてマリス・ヤンソンスだと、ヴィーンフィル ザルツブルク音楽祭の音源が素晴らしいですね。
https://www.youtube.com/watch?v=fGwaQcVgjvA
音源入手できそうにないのですが、どこかでないかな。この曲の色彩、構造、メロディを生かしぬいた演奏だと思います。
鄙びた音色のヴィーンフィルで、官能的なクレメンス・クラウス、対位法とメロディと音色を立たせながら、優雅に演奏しそうなクリップスの指揮で聴いてみたいとも思いますが、記録から考えて、ありえないですね。
所有ではシノーポリ指揮シュターツカペレ・ドレスデンが好印象です。
グレの歌を凝縮してメロディアスにしたような作風は、コルンゴルトのシンフォニエッタにも通じるような。そして編成の割に非常に響きが簡素で、特殊奏法があり、音色が甘美かつ繊細でメロディの跳躍の多さはヴェーベルンらしい。カンタータ第2番の冒頭和音が出てきたり、後につながるところも聴こえ、後年の声楽曲を聴くと、誰よりも実は調性を愛し、秘めた抒情性と知性を兼ね備えた作曲家に思えてきます。
投稿: Kasshini | 2015年4月23日 (木) 13時05分
Kasshiniさん、こんにちは。
新緑、きれいなグリーンに包まれる季節になりましたね。
私の方は、まさに、夏風邪のなかにおりまして、鼻水ずこずこしてます。
この、曲は、ウィーンフィル向きですね、そして、ドレスデンや、コンセルトヘボウのような、味わいあるオケでも、ぴたりときます。
あたしは、あと、ハイティンクとシカゴの演奏も、大好きです。
透き通るようなアンサンブルと、ふっくらしたハイティンクの指揮ぶりが見事です。
投稿: yokochan | 2015年4月25日 (土) 17時43分
今晩は。ローマ三部作の音楽会、私も行きたかったです。それにしてもブログ主様は大変な量の音源を持っておいでですね!ローマ三部作だけであれだけの音源をお持ちでしかも丹念に聴いておられるとは。常連の皆様の音楽体験の質&量にも驚くばかりです。私の「夏風の中に」の音源は、ドホナーニ&クリーブランドのみです。印象派風の淡くて素敵な曲ですよね。初夏に聴きたい曲第一位です。シャイーもインバルもマリスもそしてハイティンク卿もこの曲向きの指揮者だと思います。むろんシノーポリも。ドホナーニのはマーラーの悲劇的の二枚組CDにシェーンベルクの五つの小品と一緒におまけで入っていました。悲劇的はテンシュテットやレニーの絶叫型演奏から高校時代に入りましたので、「こんな知的でクールなアプローチがあったのか!」と驚いたものです。このドホナーニ&クリーブランドのアルバム、レコード・アカデミー賞までとったのに大して話題にならなかったのが不思議です(笑)。
フーリヘル編曲のワーグナーのトリスタンとパルシファルの組曲、デ・ワールトのもののほかに父ヤルヴィのも聴いております。クナやベームが好きな方からは「こんなのワーグナーじゃない!」と怒られそうな解釈かもしれませんが、こういう軽快なアッサリ系ワーグナーも私は好きです。
投稿: 越後のオックス | 2015年4月28日 (火) 18時10分