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2011年7月30日 (土)

コルンゴルト 「真夏の夜の夢」 アルブレヒト指揮

Tokyotower210110719_2

今さらながら、なでしこジャパンの優勝記念の東京タワー。
7月18日のものです。
いい感じ。

その一か月前、松山に出張したとき、ワールドカップ遠征前の親善試合対韓国戦が行われる前日でした。
同じホテルで、わたしは気がつかなかったけど、ロビーには佐々木監督、そして何げにエレベーターで選手たちと一緒だったり、街かどの交差点で、小柄で可愛い選手も見かけました。
ブレイク前の彼女たち、ほんの1か月まえの、6月17日でございました。

Tokyotower210110719a

こんなブレブレの失敗作。
少し手を加えてみました。
でも、見るに堪えないですね・・・・。

新潟・福島の豪雨。
被害にあわれた方々にお見舞い申し上げます。
どうなってしまった地球。

Korngold_midsummer_night

「真夏の夜の夢」・・・、といえば、シェイクスピアであり、音楽はメンデルスゾーンが一番高名で、あと、パーセルとブリテンも名作です。

今宵取り上げたのは、エーリヒ・ウォルフガンク・コルンゴルト(1897~1957)。

とはいっても、ひとひねりあります。

舞台芸術家マックス・ラインハルト(1873~1943)の映画「真夏の夜の夢」のスクリーンミュージックなのです。
ラインハルトは、ユダヤ系オーストリア人。
ドイツ・オーストリアでは、演出家として大活躍。
いまあるザルツブルク音楽祭の創始者ということで、当時のラインハルトの立ち位置がおわかりと思います。
そのラインハルトが、アメリカで仕事中、ナチスが政権を握り、ラインハルトはヨーロッパに帰ることができなくなった。
そして、亡くなるまでアメリカで活躍した。

その経歴をみるにつれ、われらがコルンゴルトと同じことにお気づきかと思う。
概ね、ドイツ・オーストリアにいたユダヤ人たちは、こうしてアメリカに活路を開き、そして名前を失ってゆく人たちも多かったわけだ。

1936年の初映画作品。
そしてラインハルトが、背景音楽の作曲に要請したのがコルンゴルトだった。
コルンゴルトは、同名のメンデルスゾーンの音楽を基本として、2時間あまりのメンデルスゾーンへのオマージュともいうべき素敵な作品をつくりあげた。

Botom

映画の内容は、原作にほぼ忠実みたい。
いたずらオベロンと妖精の夫婦、人間界の男女4人、素人街の演劇団たちの繰り広げるコメディ。
その映画に、メンデルスゾーンのたおやかな音楽はぴったり。

一聴して、ほぼメンデルスゾーンの「真夏の夜の夢」そのものなので困惑してしまった。
でも、解説も読み、何度か聴くうちに、これはやはりコルンゴルトだと思うようになった。

コルンゴルトが、この作品に用いたメンデルスゾーン作品は、「真夏の夜の夢」~序曲、スケルツォ、夜想曲、結婚行進曲、「スコットランド交響曲」「宗教改革」「歌の翼に」「新しい恋」「無言歌~子守唄」「遠く離れた人に」「無言歌~月、ヴェネチアの舟歌、眠れぬままに」・・・。
これら多彩なメンデルスゾーン作品を、大オーケストラと一部、合唱とソロを伴うファンタジックなコルンゴルト作品に仕立て上げたのであります。
最後は歌曲「leise zieht durch mein gemut」という名曲が流れます。
これは、なんとなく、映画「ホーム・アローン」の音楽に似てますな。

Midsummer

 旋律はメンデルスゾーンでも、そのサウンドはキラキラかつ優美なコルンゴルト。
サキソフォーンなどの楽器まで投入して、面白い響きもかもし出してます。
各作品は、お互いにブレンドされ、独特の作品になっているのです。
そして、とても幸せな気分になれるのは、これはまたメンデルスゾーンならでは。
何度も聴いて、無類に面白くなってきました。

G・アルブレヒト指揮するベルリン・ドイツ交響楽団
アルブレヒトさん、こういうのほんと好きですね。

多彩でナイスな、コルンゴルト・ワールドでした。

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