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2011年8月 9日 (火)

「English Landscapes」 マーク・エルダー指揮

Narita

稲、真っ盛り。

畦道は、稲の香りでむせかえるようです。

所用で行った成田の某所。
暑くて、タオルハンカチが何枚もないとだめ。
館山では、早場米が刈り入れられたけれど、東・南関東の米はいったいどうなるんでしょう。

こうした日本の田園風景も危機なのか。
へたすりゃ、ここに太陽光パネルや風車が立ち並ぶ、ぶち壊しの風景になってしまうのか。

そんなの許せないし、見たくない。
でも、場所によってはそうなってしまうのでしょう。
新たな自然破壊と生態系への影響負荷となるのでしょう。
人間中心に考えるとそうなるのだし、飽和してしまって、行き詰ったいまの人間社会の行き着く果てでありましょうか。

同じ島国、英国の風景も緑に溢れて劇的で美しいものです。

Eng03

そのロンドンで暴動がおこり、周辺都市に広がっている。
ニュースで知り、英都でまさかそんなことが、と思った。
事の発端は、黒人男性を警察官が射殺したことで、その追悼集会から暴発したらしい。
ヨーロッパの老舗大国は、マイノリティや格差民族が厳然といるので、あのあたりからの不満の噴出によるもの。
それらが連鎖して、経済格差や政策への不満として広がっていった。
特定の場所を襲撃してゆくという組織的な活動にもなりつつあるようだ・・・・。

これらはいったい・・・。

先進も後進も社会主義国もまったくありまえん。
世界同時苦境(不況)の大連鎖に陥ったのでしょうか。

これって、マジやばいことだと思います。
アメリカの大沈没に中国の相変わらずの隠蔽体質とメッキ主義。
政治不信と震災・人災から立ち上がれない日本。
不安な中東にアフリカ・中南米。
消去法で、残る安全地帯はどこにもありません。

少し酩酊状態で書き散らす記事。

とんでもない8月になるような気がします。

役人や大企業の方々も、安閑としてはいられなくなります。
中小企業はこれ以上ないくらいに厳しいです。
わたしのまわりでも破綻する人や、少し前には命を絶つ人も出てきてます。

身を軽くして、持つ人生から持たない人生に、ダウンサイズしながら捨て去り人生も必要なのかもしれないと思いつつあります。
もうなにもかも充分に満ちたりでるのですから、これ以上の便利や、かっこいい人生はいらないかもです・・・・。

なんか、爺さんの心境になってきました。

English_landscapes_elder

本題の音楽にやっとたどりつきました。

英国の風景、と題する1枚。

英国音楽好きにとって、心から愛する作曲家と、その詩的で素敵過ぎる作品が1枚に収められたもの。
しかも、オーケストラは英国の良心ともいうべきハレ管弦楽団に、マーク・エルダーの指揮。

 バックス    「ティンタジェル」

 ヴォーン・ウィリアムズ 「揚げひばり」

 フィンジ    「散りゆく葉」~オーケストラのためのエレジー

 ヴォーン・ウィリアムズ 「ノフォーク・ラプソディ」

 ディーリアス  「川の上の夏の夜」

          「春はじめてのかっこうを聴いて」

 エルガー    「夏の激流のように」

 アイアランド  「丘」」

   マーク・エルダー 指揮 ハレ管弦楽団/合唱団
        ヴァイオリン:リン・フレッチャー
                       (2005.11@マンチェスター)


ハレ管の自主制作CD。
マーク・エルダーは、2000年来、歴史あるハレ管の常任指揮者をつとめており、ハレ管も、久方ぶりの英国指揮者のもと、かつてのバルビローリ時代の復興を思わせる、自国音楽の再生に取り組んでいる。
バルビローリのあと、ロッホラン、スクロヴァチェスキ、K・ナガノと続いたのちのエルダー。

エルダーは当初、オペラ指揮者の印象が強く、イングリッシュ・ナショナル・オペラの指揮者として少しばかり先鋭なイメージを抱いていた。
バイロイトにいきなり登場して、ウォルフガンク・ワーグナーの新演出の「マイスタージンガー」を81年に34歳にて指揮をしたが、劇場の特性を読み込めず1年で、ベテラン、シュタインと交代。
そんな経験も経て、オペラでジワジワ実力をつけ、いまや英国楽壇の雄のひとりです。

どちらの曲もしみじみと、味わい深く、自国ものを慈しみながら丁寧に演奏していることが聴いてとれます。

シャープで絶海の古城を思わせるような名品ティンタジェル。
バルビローリやB・トムソンの超名演と並び立つ素晴らしい演奏。

有名すぎる「揚げひばり」は淡々としたつつましい仕上げ。
フィンジの「落ち葉」は、真夏に聴くと、先取りの秋の悲しさが満載。
早く秋がこないかな・・・・。
どうように、メロディアスなRVWのラプソディには嘆息してしまい、ディーリアスの高名な小品では、ここにこそ、日本の季節の風物とオーヴァーラップする親しみと忘れられた日常を脳裏に思い描くのだ。
エルガーとアイアランドのふたつの無伴奏合唱作品。
実に爽やかで気品に溢れてます。英語の美しい語感も本場のものに感じちゃいます。

以上、素敵すぎる英オムニバスCDでございました。

大好きな英国。

頼むから暴動なんかやめてちょーだい。
 

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