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2011年10月11日 (火)

エルガー 序曲「コケイン」 ヒース指揮

London_1

英都ロンドン。
もうだいぶ前、唯一のロンドン訪問のおり買った絵葉書から。
ビックベンが完成した19世紀中頃の様子でしょうか。

今日のニュースで、この時計台が傾斜しつつあることが報じられた。
以前から報告されてたそうだけど、私は初耳。
傾きは、0・26度というから差ほどとは思えないけれども、でも傾斜進行中ということで、ちょっと怖い話。

ピサの斜塔は、5・5度で、それと同じ、すなわちピサ並みにベッグベンが傾斜するのは、計算上あと4000年のことといいます。はぁ。


Lso_heath_previn

エルガー(1857~1934)の描いたロンドン讃歌。
それが、演奏会序曲「コケイン」。
生粋のロンドンっ子のこと「コックニー」の故郷という意味。

交響曲の作曲は、もう少しあとだけど、「エニグマ」や「デロンティアス」を残し、英国の大作曲家としてヨーロッパにもその名をとどろかせていたエルガー。
快活かつおおらかで、明るい希望にも満ちた「コケイン」は、活気あるロンドンの都そのもの。
同じロンドンの街を題材にした、ヴォーン・ウィリアムズのロンドン交響曲は、もっと陰りと大都会の矛盾をも照らしだしているけれど、エルガーの序曲に聴くロンドンは明るい前向きな側面の大都会。
しかし後年の交響曲で、ロンドンはおろか、夕映えの大英帝国の憂愁のようなものを描きだすことになるのです。

楽しい街の光景から、まいどお馴染みのノビルメンテと記された動機によるロンドンの人々の描写。そして恋人達や、軍楽隊、教会の様子などなど。
とても気持ちのいい、伸びやかな音楽であります。

今日は、エドワード・ヒース氏(1916~2005)の指揮するロンドン交響楽団の演奏で。
そう、大工の生まれから身を起こし、英国第68代首相(70~74)となった方であります。
子供の頃から音楽の勉強もしていたヒース氏は、ロンドン響との関係も深く、1971年に楽団が基金活動のために行ったガラコンサートにて、事前に名前を明かされることなく予定されたコンサートながら、実はバレバレであったとか。
当時の首席、プレヴィンと振り分けあったコンサートのライブです。

オケがうまいから・・・、という以上の余芸ぶり。
気品ある主題の歌わせ方など実に素敵なものだし、最後のクライマックスも堂々たるものでございました。
しっかし、このジャケットに見る生真面目な指揮ぶりも印象的だけれど、お馴染みだったロンドン響の面々。
かつて男性だけのオーケストラ。実演や写真で始終お世話になってましたから懐かしい時代のものです。

政治家と音楽。身近なところでは、我が国の某元首相は、オペラ好きでバイロイト詣でまでしちゃった。
そして、立派に音楽家しちゃってたのは、西ドイツのヘルムート・シュミット首相(74~82)。ピアニストとして、モーツァルトやバッハの複数台の協奏曲のソロをつとめた録音もあるし、某オケのソリストとしても登場していたくらい。

イギリスとドイツの音楽好きの首相たちでした。

そうそう、気になって英独の首相歴任数を調べてみました。
70年代から、いま現在まで。

 英国・・・・8人(ヒース、ウィルソン、キャラハン、サッチャー、メージャー、ブレア
          ブラウン、キャメロン)
 
 ドイツ・・・5人(ブラント、シュミット、コール、シュレーダー、メルケル)

 日本・・・24人(佐藤栄作  etc   野田佳彦)

何もいうこたぁ~ないですな。
最短2か月の人もいましたし。
傾き具合激しいっす。
余談、おしまい。

エルガーの「コケイン」でした。

    

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