コルンゴルト ヴァイオリン協奏曲 ハイフェッツ
横浜のランドマークタワーのツリー。
毎年嗜好を凝らしてます。
雪も降ります。
円柱が劇場のようで、ドラマティック。
今年は、ワンピースのコラボでした。
コルンゴルト(1897~1957)のヴァイオリン協奏曲は、わたしの最高のフェイヴァリット曲のひとつ。
これまでも何度も取り上げてます。
そして書きつくしてます。
ナチス政権の誕生で、神童そして人気オペラ作曲家として大活躍していたコルンゴルトは、ユダヤ系ゆえに退廃音楽作曲家のレッテルを貼られ、アメリカに亡命せざるを得ず、ハリウッドで映画音楽作曲家としての名声を築くことになる。
その映画音楽の数々も、クラシカル作曲家コルンゴルトの延長上にある、われわれクラシック愛好家の鑑賞に耐えうる音楽なのであります。
しかし映画音楽に手を染めたことで、クラシック音楽界からは敬遠されてしまうことにもなった気の毒なコルンゴルト。
ナチス敗退後、クラシック音楽を再び書き始めの1945年の作品がこのヴァイオリン協奏曲。アルマ・マーラーに献呈されております。
ニ長調という調性は、ベートーヴェンやチャイコフスキーの協奏曲と同じ。
明朗で、メロディアスで、気品がある先達たちの大作にも劣らないコルンゴルトの作品。
1947年、ハイフェッツによって初演されたものの、過去に軸足置いた古い存在、と芳しい評価は得られなかったという。
同様に、ヨーロッパに帰還しても過去の名声を呼び覚ますことができず、失意のままアメリカに戻り亡くなってしまう気の毒なコルンゴルト。
コルンゴルトやツェムリンスキー、シュレーカーなどのいわゆる退廃系が今現在、人気を呼び覚ましたのは、「やがて自分の時代が来る」と言ったマーラーの音楽が普遍的になったことによるといってもいいかもしれない。
われわれは、バッハやベートーヴェンと同列にマーラーを聴き、そしてコルンゴルトも聴くのであります。
甘味でありながら、ほろ苦いビターな味わいの超ロマンティックな第2楽章を聴いていると、ワタクシはいつも目の前が霞んできてしまい、陶然としてしまうのです。
ともかく好きでしょうがないコルンゴルトのヴァイオリン協奏曲。
初演者のハイフェッツが、コルンゴルト存命中の1953年に録音した由緒正しいキリリとした演奏で。
オーケストラは、ウォーレンシュタイン指揮するロサンゼルスフィル。
ハリウッドでの録音とクレジットされているので、作曲者も立ち会っていたかもしれないと思うとさらに感動の思いが深まる。
ところで、わたしのお願い・・・・この曲を神奈川フィル+石田コンマスのソロで絶対に聴きたい
このCDには、ローザとワックスマンの作品も収められていて、これらがまた素敵なのだ。
ともにコルンゴルトと同じくクラシカル系でありながら映画音楽で高名。
ローザはハンガリー系で、代表作は「ベン・ハー」。
ワックスマンはドイツ系で、その代表作は「レベッカ」。
これらは、また機会をあらためて取り上げるとします。
コルンゴルト ヴァイオリン協奏曲 過去記事
「ムター&プレヴィン」
「パールマン&プレヴィン」
「ハイフェッツ」
「シャハム&プレヴィン」
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コメント
おはようございます♪
今日もですが、実は・・・
私もブログにアップすべく同じ演奏で聴いたところでした。yokochanさんに先を越されてはちょっと気が引けるのですが明後日にアップする予定です
これ一枚あればという言い方は嫌いなのですが、この盤には使いたくなるような演奏かと思いました
投稿: パスピエ | 2011年12月16日 (金) 10時02分
パスピエさん、こんばんは。
あらら、奇遇でございました。
その気はなかったのですが、ふと手にしたら、聴かなくてはならなくなりました。
ハイフェッツ盤は、硬軟兼ね備えた強力な演奏に思います。
好きすぎる音楽ゆえに、あといくつも聴いて遍歴中です。
投稿: yokochan | 2011年12月17日 (土) 01時45分
yokochan様へ~
こんにちは~。今回はコルンゴルドのヴァイオリン協奏曲ですか~。なかなか通好みのステキな選曲をされますねぇ~。僕も、この曲大好きでこの間FMで、久しぶりに聞きましたよぉ~。
ヴァイオリンがムター、指揮がプレヴィン、そしてオケがロンドン響だったかなぁ~?貴殿の仰るように、甘美な中にも~都会的なほろ苦さとシャープな感覚があり、ムターとプレヴィンが、そこんところの壷をうまい具合に表現していて、久しぶりにこの曲を堪能しました! 因みに、お薦めのハイフェッツ盤は未だ、聞いたことがありませんが~素晴らしい予感がしますねぇ~。
投稿: Warlock Field | 2011年12月17日 (土) 12時00分
Warlock Fieldさん、こんばんは。
大好きな曲ゆえ、そう何度も聴きたくないし、逆に急激に欲することもあります。
何枚も揃えてしまいましたが、トータルでナンバー1は、G・シャハムとプレヴィンのものです。
もちろんハイフェッツ盤は特別な存在ですね。
プレヴィンは、ムターとの夫婦共演も好きですよ。
ムターはチャイコフスキーとのカップリングですが、購入いらい何年も経つのに、メインと思われるチャイコは、いまだに聴いてません(笑)
投稿: yokochan | 2011年12月17日 (土) 22時26分
この演奏は、市内の図書館で借りました。バッハのシャコンヌや、サラサーテのツィゴイネルワイゼン、パガニーニノカプリースをyoutubeで聴いていて、凄いと思っていましたが、
この曲は、とりわけハマリ役のように思えてきます。
私自身は、シャコンヌは、昔ながらの演奏スタイルならなら迷わず、ナタンミルシテインを選びます。youtubeでアップされているリハ―サルのチューニングを兼ねたボウイングが美しすぎるし、パガニーニアーナも見事すぎるので。
話を戻すと、この曲随一の快速爆演かつ乱れがなく、端正に演奏しているのが、いいですね。今年に入り、若手のアレクサンダー・ギルマンが、ハイフェッツを凌駕という触れ込みのCDが出ていますが、なぜか気になっています。
今日、小澤征爾のザルツブルク音楽祭ライブの、コルンゴルトのヴァイオリン協奏曲が届きました。フィナーレで一部ブラスが強すぎないかと思えてきますが、ヴィーン・フィルもさることながら、快速爆炎ではないですが、ソリストのベンジャミン・シュミットも、ロマンティックでは、ムターに劣らない世紀末モードの甘さと、フィナーレでは緩急ついた見事な演奏で、今聞き入っています。小澤征爾ヴィーン国立歌劇場音楽監督時代の貴重な音源としても価値があるように思えてきます。
投稿: Kasshini | 2012年12月20日 (木) 14時57分
Kasshiniさん、こんにちは。
たくさんコメント頂戴しましてありがとうございました。
連夜忙しくて、なかなかご返事ができませんでした。
最愛のコンチェルトでありますコルンゴルトのものは、わたくしも数々揃えてしまいましたが、その中でもハイフェッツのものは歴史の証人みたいに感じて愛聴してます。
ギルマンという人のものは知りませんでした。
そして、小澤さんのものもウィーンフィルなところが気になりつつ、まだ聴いたことがないんです。
情報ありがとうございました。
投稿: yokochan | 2012年12月22日 (土) 14時00分
さて、先ほどいろんな作曲家のヴァイオリン協奏曲を聴いていました。シンフォニック路線からは、ベートーヴェン、ブラームス、レーガー、超絶技巧路線からは、パガニーニ第1番。そしてシベリウスと。
コルンゴルトの協奏曲は、以外にもベートーヴェンの協奏曲のような、オーケストラとソロ・ヴァイオリンが会い競って演奏される協奏曲のように聴こえます。ただし、シベリウスよりも、ソロは超絶技巧系。ハイフェッツが演奏すると、パガニーニのように、オケが伴奏のように、聴こえてきます。
コルンゴルトのヴァイオリン協奏曲のヴィーンフィル演奏だと、ゲルギエフが指揮した演奏も、youtubeで、第1楽章が4分ほど聴けます。小澤さん指揮は、youtubeで第1楽章がフル、それ以降は、最初の90秒ほど聞けます。
投稿: Kasshini | 2012年12月23日 (日) 09時56分
Kasshiniさん、こんばんは。
コルンゴルトの協奏曲は、ソロもオケも対等に、そして聴きあいながらの従来型のコンチェルトだと、わたしも思ってます。
そのスタイルは音色の豊饒さとは裏腹に、古風な構成をまとってます。
ゲルギーのCDは、当然に持ってます。
いずれ記事にいたいと思ってます。
投稿: yokochan | 2012年12月24日 (月) 00時02分