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2011年12月10日 (土)

ベルリオーズ 幻想交響曲 バルビローリ指揮

Hamamatsucho_201112_a

今年最後の12月分は、背中からせまってみました。

Hamamatsucho_201112_b

浜松町の小便小僧コスプレの立派なところは、手前の花壇。
季節や小僧衣裳の色合いに応じた彩りの花々を植え替えている。

雨上がりの寒い夜だったけれど、相変わらず、周辺にお漏らししちゃってますねぇ~

Hamamatsucho_201112_c

サンタ小便小僧2011

Berlioz_sym_fantastique_barbirplli

月イチ・シリーズ、12月のベルリオーズ「幻想交響曲」は、あれこれ悩んだ末に、ユニークな、サー・ジョン・バルビローリ指揮のハルレ管弦楽団の演奏で。

ご承知のとおり、バルビローリは、生粋の英国人指揮者ではなく、イタリアとフランスの国の父と母を持つ英国人。
エルガーやディーリアス、ヴェルディやプッチーニ、ドビュッシーやベルリオーズ、それぞれに独特の色調と味わいの演奏を残してくれた。
加えてドイツ系の音楽でも、ブラームスやマーラーに思い入れの濃い演奏も!

母の国、フランスの音楽をそのイメージ通りにエレガントに演奏するかと思ったら大間違い。パリ管とのドビュッシーもそうだが、濃厚な味わいと、極端な表現の目立つユニーク系の演奏なのだ。

一方、父の国、イタリアものは、思いきり感情移入して、歌いに歌うドラマに共感した泣ける音楽を作り出します。

バルビローリの魅力は、その音楽に応じて、いろんな顔を見せてくれるところでして、それが「バルビローリのディーリアス」とか「バルビローリのブラームス」、「バルビローリのマーラー」とかいった具合に、そのカテゴリーごとに、バルビローリの刻印をきざんだ独特の表現があるというところでしょうか。

1958年録音の手兵ハルレ管との幻想は、わたしのかつて中学時代、テイチクから大量に発売されたパイ録音のひとつ。
入手しなかったけれど、EMIが瞬間的にCD化したものをかつての昔に入手しておりました。
音がイマイチだったパイ録音をレコードで聴く時代では考えられないくらいに、明晰で力強いサウンド。
そして、違和感ありありのキモサウンド(笑)。

一番、びっくらこいたのが、2楽章の舞踏会のワルツ。
ほとんど止まってしまうくらいの、急停車ぶりと、猫の鳴き声のような泣き節。
終楽章の鐘の音色にかぶるピアノ。
そうです、ピアノの打鍵で、リアルに鐘の音を倍音してるんです。
極端な例はこのふたつだけど、ほかにも全曲にわたり、あれま、あれま!の連続に、幻想好きとしては嬉しくなって嬉々としてしまいます。
全編にわたる打楽器の強打は、昨今の空しいピリオド系の乾いたティンパニに比べると、よっぽど迫真的で、そのアナクロなまでの存在感は聴いてて、とてつもないリアリティと真実味を与えてくれる。

全編を覆い尽くす歌、また歌。野の情景のたおやかさは、アナログなカラー画像のようで、色合いの強調ぶりが、かえって美しく感じる。
これぞ、バルビであります。
そして、先にふれた迫力あふれるフォルテ。
終楽章のインテンポで進む強力なエンディングのド迫力と情熱には、すっかり参ってしまいます。

愛すべきサー・ジョンの半世紀以上前ながらも、いまだ新鮮なる記録にございました。

次の小便小僧と幻想は、もう来年、1月です。
では。

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コメント

何を着ても可愛いですね。
花壇も凝っているんですね。
毎月ありがとうございます!!

投稿: edc | 2011年12月10日 (土) 20時45分

yokochan様~

こんにちは~。ほう、サー・ジョンの幻想交響曲とは~、こりゃまた珍しいですねぇ~。そうなんですよねぇ~、バルビ様の指揮だと、どの指揮者とも違う独特の音楽世界を、作曲家に応じて展開してくれるから、興味関心が尽きないんですよ。

さて、僕もバルビ様の指揮による、幻想交響曲にはとても食指がそそられますが、最近ネット動画でサー・ジョンの意外な演奏を発見~!何と!ハルレ・オケとのコンビによるブルックナーの第7交響曲&第8交響曲の演奏~。あのバルビ様に、ブルックナーの録音があったとはぁ~!演奏の質もレヴェルが高く、忽ちサー・ジョンのブルックナーの虜になってしまいました。

投稿: Warlock Field | 2011年12月11日 (日) 11時18分

こんばんは。
こうもり行って来ました。若若しいこうもり、大変楽しめました。最前列・ど真ん中。エッティンガーの金色頭の真後ろ1メートルでした。コロン強烈でした。歌手みんな上手でした。エッティンガー、オペレッタというよりもゴリゴリ、オケを煽り愉快。ルサルカも良かったですが、今回は指揮者の存在感を感じました。

投稿: Mie | 2011年12月11日 (日) 22時39分

euridiceさん、こんばんは。
毎回、楽しんでいただき恐縮です。
何かくるか、わたしも撮影の喜びを感じます。
早いもので次回は正月です。

投稿: yokochan | 2011年12月12日 (月) 00時01分

Warlock Fieldさん、こんばんは。
サー・ジョンは、ご指摘のとおり、何を振っても独自の世界。
そしてやっぱり、英国ものや北欧ものが一番に思います。

バルビのブルックナーは、8番と9番がBBCレジェンドで発売されてますが、その映像もあるのですね!
ネットの動画の世界は恐るべきものがありますね。
まさかあるわけない、と思えるものまであります。
そんな中の一品ではないでしょうか、バルビのブルックナー。

投稿: yokochan | 2011年12月12日 (月) 00時13分

Mieさん、こんばんは。
今年最後の演目は「こうもり」だったのですね。
ルサルカぐらいは行きたかったのですが・・・・。

それにしてもダン君は、なかなか本物になってきましたね。
ご覧になった他の方からも称賛の声をお聞きしました。

コロンの香りがするほどの特等席。羨ましいです!

投稿: yokochan | 2011年12月12日 (月) 00時50分

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