エルガー 交響曲第1番 バルビローリ指揮
英国風のパブで一杯。
例によって何を飲んだか覚えておりませんが、アイリッシュ系の何かだということは間違いありません。
ブッシュミルズかジェムソンだと思います。
いつもそのあたりを飲む自分だからです。
若い頃は、バーボンにやたら凝ったけれど、年季を少し経たいまは、スコッチウィスキー、オンリー。
外飲みでは、アイリッシュ系かアイラ系。
それもヨード臭のプンプンするようなシャープで香ばしいものを。
家飲みでは、もったいないから、円高の恩恵で安く買える通常のスコッチを。
お湯割りならば、日本の安いウイスキーを。
こんな感じです。
そしてウイスキーのお伴は、英国音楽。
エルガー 交響曲第1番
1908年のこの交響曲は、英国が生んだ久々の交響曲の大作、そしてエルガーも満を持しての初交響曲で、その思い入れはとても大きく、交響曲第1番は、ほかの作曲家のそれと同じく、プレッシャーと不安、そして気負いのなかで完成され、結果、大成功を収めた。
ともかく、この交響曲が大好き。
2番も同じく好きだけれど、一音一音が身に沁みついている度合いが、1番の比ではない。
幻想は毎月聴いてるけれど、本当に好きかといわれれば、そうじゃない。
好きだけれど、そうにはならない音楽だと思う。
本当に好きな交響曲は、エルガーの1番、ラフマニノフの2番なんです。
ワーグナーやディーリアス、フィンジは、そのすべてをコンプリートに好きだけれど、エルガーは、特ににこの第1交響曲を溺愛してます。
今夜は、サー・ジョン・バルビローリのふたつの音源を聴いてみたのだ。
バルビローリのエルガーの1番の音源は、わたしの知るところ3種類。
①ハレ管弦楽団 1956年 パイ録音 52’30”
②フィルハーモニア管弦楽団 1962年 EMI録音 53’30”
③ハレ管弦楽団 1970年 BBC放送録音 52’20”
このうち、②はすでに取り上げました。 →こちら
タイムだけみると、②のスタジオ録音が1分ほど伸びているけれど、基本的な基調は変わりはなく感じる。
タイムだけでは、一番短いハレ70年盤が、一番遅く感じるのが面白い。
56年の録音に感じる、はつらつとした覇気は、指揮者もオケもエルガーを演奏する喜びと情熱に溢れていて、それが時代を思わせない生々しい録音でもって、聴き手にモロに伝わってくる。
完成度では、②のフィルハーモニア盤が上だけれど、オケとの一体感と手作りの感動は①のパイ盤。
そして、こちらが③のライブ録音。
1970年7月24日 イギリス東部ノーフォークの聖ニコラス教会における演奏会。
この年に、この日付・・・・・、サー・ジョンはこのあと5日後の29日に心臓発作を起こして亡くなってしまう。
その後に予定されていた、ニュー・フィルハーモニアとの万博の年の日本来日公演はなくなってしまった。
当時のことは、いまでも覚えている。
キラ星のごとし、クラシック演奏家が大挙して来日した1970年。
カラヤンもバーンスタインも、セルも、パリ管、レニングラード、ボリショイ、ベルリン・ドイツ・オペラも・・・・。
そんな中で、英国からの来日は、ともに初だったバルビローリとニュー・フィルハーモニア。
NHKで代役のプリチャードの指揮を見た記憶があるが、曲は思い出せない。
バルビローリがやってきたら、マーラーやシベリウスをやる予定だったのに・・・。
痛恨のバルビの死。
そしてその直前の気合の入った、こちらの演奏を聴いて、溜飲を下げる想いだ。
先に書いたとおり、演奏時間は若干とはいえ一番短い。
でも、歌うべきはじっくりと歌い、走るところはひた走りに情熱的に。
メリハリの効いた自在な演奏は、永年この交響曲を手塩にかけて演奏してたバルビローリと、そして手兵のハレ管の究極の総決算のようなものなのだ。
多少の傷は気にならない。
このライブ感と、ノーブルかつ熱い思いの伝わる演奏が最高に素晴らしい。
ネットで拾ったノーフォークKings Lynnの教会。
こちらで演奏されたのでしょうか。
エルガーのノビルメンテ(高貴に)の表記もしっかりお似合いのバルビローリの3種の演奏、いずれもわたしには大切なもの。
同様にボールトにも数種の1番の演奏が残されていて、そちらもまた取り上げてみたいと思ってます。
バルビローリ、ボールト、B・トムソン、尾高忠明。
この4人の演奏が最上と思ってますが、最近では、M・エルダーに、D・ラニクルズもいい感じです。
エルガー 交響曲第1番 過去記事
「湯浅卓雄/神奈川フィルハーモニー」
「マリナー/アカデミー管弦楽団」
「尾高忠明/NHK交響楽団」
「バルビローリ/フィルハーモニア管」
「大友直人/京都市交響楽団 演奏会」
「尾高忠明/BBCウェールズ響」
「ノリントン/シュトットガルト放送響」
「プリッチャード/BBC交響楽団」
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