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2012年2月18日 (土)

神奈川フィルハーモニー 第278回定期演奏会 金聖響指揮

Minatomirai201202

小雨まじり、風の冷たかった横浜みなとみらい。

神奈川フィルハーモニーの定期演奏会。

前回お休みしちゃったから久しぶりです。

そして、マーラー・チクルス。

Kanaphill201202

    ベートーヴェン  ピアノ協奏曲第1番

               ピアノソナタ第17番「テンペスト」第3楽章~アンコール

            ピアノ:横山 幸雄

    マーラー     交響曲第1番「巨人」~「花の章」付き

         金 聖響 指揮 神奈川フィルハーモニー管弦楽団
                        (2012.2.17@みなとみらいホール)

「花の章」を第2楽章に据えて演奏された1番でもって、聖響&神奈川フィルのマーラーは、8番を除いて全部聴いたことになります。
(来シーズンに、大地の歌、10番、そして8番はこのまま欠番になってしまうのか・・・・)

マーラーの前にベートーヴェンの1番の協奏曲。
この早春賦のような若やいだ協奏曲がワタクシは好きです。
「皇帝」なんかよりずっと好きで、何よりもベートーヴェンの協奏曲で一番先に聴いたのもこの1番で、ダイヤモンド1000シリーズ廉価盤のブレンデルの若き日の演奏が忘れられない。
そんな想いで、聴き始めたけれど、まず聖響指揮するオーケストラの薄い響きにがっかり。まぁ、いつものことでさほどの驚きはありませぬが、それでも以前よりはノンヴィブラートへのこだわりは薄れた感じで、楽員も思いきり指を揺らせてましたよ。
しかしそれでも、歌心少なめ、響きが貧弱に感じるのはもう指揮者の個性(?)だからしょうがないですな。
アフターコンサートでのお話では、前回指揮台に立ったゲッツェル氏は、神奈フィルからもっと豊かな響きを引き出していたといいますから。

初横山幸雄だったのですが、安全運転で破綻もなく際立つ個性もなく、といった感じ。
でも安心して聴いていられるタイプのピアノで、私は普通に楽しめました。
本当は、この曲は、もっと若々しい雰囲気が欲しいところ、第2楽章にはもっと瑞々しい抒情といったようなものを感じたかった。
そしてアンコールもベートーヴェン。すらすらスイスイと弾かれました。

後半のメインデッシュのマーラー。
「花の章」を生で聴くのは初めて。
結果を先に書いちゃうと、終わりよければすべてよし、にはならなかった。
最後の大フィナーレが最高に素晴らしかった。
だがしかし、そこだけの帳尻合わせにはならなかった。
聴いてるワタクシにも問題ありで、このところの疲労がたまっていて、聴いていても心ここにあらず的な瞬間が何度もあったのだから。
でも、そんな風な聴き方にさせてしまう演奏であったのも確かで、これまで聖響マーラーは好感とともに、絶賛もしてきただけに、今回は隙間風が吹く「巨人」に戸惑いを隠せません。
それと「花の章」なしの方がよかったのでは。
2楽章で緊張感が途切れてしまった。

多少の傷はあったがそんなの関係ない。
神奈フィルはやはりマーラーに最適の音色を持ってます
ともかくキレイ。
花の章があるから、繰り下がっての3楽章のレントラーの優美さ、終楽章中間部の第2週第の美しい旋律を滔々と歌う弦楽セクション。もう涙が滲んでしまいましたよ。
石田コンマスのリードは冴えまくり、前半少しもたついたオケは、3楽章あたりからピシッと締まりました。
みんなアイコンタクトしながら、お互い聴き合いながら音楽に打ち込んでる姿は、いつもの神奈川フィルであります。

慣れてしまった聖響さんのクネクネとした指揮姿だけれど、今日は楽員さんばっかり拝見してましたよ。
聖響マーラー1番、「花の章」なしで、もう一度リベンジして欲しいな。
ワタクシも万全の体調で挑みますので。

ちなみに3年前のゲッツェル指揮の巨人はこちら→過去演奏会

とかいいながら、酒を飲んじゃうと元気になる。

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ドッグヤードにあったいつもの店が閉店してしまい、幹事長様のご配慮で訪問した桜木町駅近くの台湾家庭料理のお店にて、いつもの応援メンバーと乾杯

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おいしいお酒に料理に、そして酌めども尽きない音楽話。

みんな神奈川フィルが大好きなんです

終電に飛び乗りました。

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マーラー・チクルス皆勤賞のご褒美にコレ貰いました。
3月28日発売予定の、聖響&神奈川フィルのマーラー第9。
いい演奏でした。

そして、お願い

あの3月12日の、壮絶な6番をCD化して下さい 

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コメント

こんばんは。
王子、ファウスト木・金行ってきました。土・沈黙と三泊四日の予定でしたが、土曜仕事で急遽中止、かみさんと交代してもらいました。王子、二日間、最前列完全ど真ん中でした。バッハの時と違い書き込みのない普通の楽譜でした。初日のクロイツェルが素敵でした。メルニコフは予想外に優しいタッチと音程への厳しさでびっくりしました。二日目は夜なのに、二日酔いが残りでウトウト残念。久しぶりです。

投稿: | 2012年2月18日 (土) 20時15分

Mieさん、こんばんは。
沈黙がご覧になれなかったのは残念でした。
わたしは、その気になった時はチケットなし。
無念の涙でした。
ベートーヴェンのチクルスを、王子ホールのような親密なホールで聴くのは無常の喜びですね。
イザベル・ファウスト嬢とメルニコフはいいコンビのようですね。
わたしも、久しぶりのコンサートに、ウトウトに落ちそうでした。
寒さとの戦いも疲れるものです。

投稿: yokochan | 2012年2月19日 (日) 21時29分

マーラーの9番、いい演奏でしたか。神奈川フィルのCDでちゃんとしたのが出て良かったです。
それにしても、この巨人はちょっとは期待したのですが残念でしたね。
そして「花の章」、あそこで入れるのが良かったのかどうか。
いい曲なんですけどね。
彼らならもっといけたはずなんだけど。
ともあれ今回もありがとうございました。

投稿: yurikamome122 | 2012年2月20日 (月) 07時56分

いつも読ませてもらっております。
終電、そうですね、終演後に飲むとそうなっちゃいますね。景気が良くなったら、タクシーの争奪戦になるかも知れませんが。
花の章、とても良すぎて、流れが途切れるんですね。マーラーがこれを外した意味が、今回でよくわかった気がします。
6番、私もこれが一番聴きたいですね。あの状況だから弾けたし、聴けたのかも知れませんが。完璧でした!

投稿: hamu | 2012年2月20日 (月) 16時22分

yurikamomeさん、先般はどうもありがとうございました。
いいCDが出来上がりました。
でも実演の雰囲気が伝わりにくいのは、薄味だからでしょうか。
そして、花の章は、今回ほんとにいい音楽だなと、しみじみしました。でも交響曲の一節じゃないですね。
そのあたりから齟齬が始まり、最後だけの威勢のよさで終わっちゃいました。
もう一回聴いてみたいところですね。

投稿: yokochan | 2012年2月20日 (月) 21時52分

hamuさん、こんばんは、コメントどうもありざいました。
6番の時もコメント頂戴しました。
下り電車で実家帰りをすれば、まだ少し時間がいけたのですが、上り終電が早かったです。
これまで、スマートな流れの良さで好調だった聖響マーラーが、花の章を入れたことでちょっと狂っちゃったように感じました。
あくまで私見ですが。
それでも、フィナーレの爽快感は大満足でした。

そして、そうです、あの6番ですよね!

投稿: yokochan | 2012年2月20日 (月) 21時57分

こんばんは。
沈黙、かみさんによると、高橋薫子のオハルが大変良かったそうです。また、若杉先生のCDよりも感銘を受けたと。当方、行けなくて残念。三日目のファウストはアンコールのケージが良かったと聞いて、かみさんも現代音楽に拒否感をいだかなくなっているのにびっくりしました。

投稿: | 2012年2月24日 (金) 20時17分

Mieさん、こんばんは。
高橋薫子さんは、大好きな日本人歌手のひとりです。
彼女のオハルは聴きたかったです。
沈黙のヒロインはオハルですからして。

そしてケージをしっかり受け止められた奥さんは立派です。
音楽を聴かない愚妻のわが方にとっては夢のようなお話にございます。
次回の東京は、是非ともお二人で楽しまれますように!

投稿: yokochan | 2012年2月25日 (土) 22時55分

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神奈川フィルハーモニー管弦楽団 第278回定期演奏会 公演日:2012年02月17日(金) 開演:19:00 開場:16:20 会場:横浜みなとみらいホール    指揮:金聖響  ピアノ:横山幸雄 ベートーヴェン/   ピアノ協奏曲第1番ハ長調作品15 ピアノ・アンコール  ベートーヴェン/   ピアノソナタ第17番「テンペスト」より第3楽章 ~~休憩~~ マーラー/交響曲第1番ニ長調「巨人」  なんか好調にきこえていた聖響さんのマーラーシリーズなんだけど... [続きを読む]

受信: 2012年2月20日 (月) 08時08分

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